先日、十姉妹のオスが死んだ。
享年八歳
平均寿命を越えた年齢を考えると大往生なのだろう。
家に来たキッカケは八年前
元々親戚の家で飼われていたが
入院などで家をかなり空けてしまう為、実家にもらわれてきたそうだ。
やがて卵を二つ生み1羽がすぐに孵った、それが兄。
しばらくしてようやく孵ったのが妹。
妹が孵った時には兄はそれなりに大きくなっていて、小さくひ弱な妹の世話を親鳥の見よう見まねでやっていたらしい。
三羽の愛に包まれ、妹は小さいながらなんとか無事に育っていった。
三ヶ月後。
何も知らない自分がフラッと実家に帰り、親父から一言
「鳥、持って行かね~か?、手乗りだぞ」
……30分後に搬送支度、鳥のエサなど持たされ出発(笑)
「鳥、持たされた」
帰宅第一声に嫁のポカンとした顔が忘れられない(笑)
しばらくして、ある事実に気が付く。
「手乗りしね~じゃん!!」
実家に電話すると
「あ、やっぱり?(笑)すると思ったんだけどな~」
それから、しばらく眺めるだけの生活が始まった(笑)
ただ、見てると面白い
鳥の人間関係というか個性がある(笑)
妹は生い立ちから皆に世話されて育っていた分、結構ワガママ(笑)
妹より一回り大きな兄は物心ついた時には妹の世話をしていたから相変わらず妹の面倒をみているが、たまに納得できない様子(笑)
甘えん坊で要領が良い妹と優しく不器用な兄。
いつも体を寄せあい過ごしていた。
あるに、兄がのほほんと止まり木にいたら、妹が離れた場所から止まり木を横走りに兄に近づいてきた。
体をグイグイ兄に寄せ、頭は反らしている
妹「ねーねー毛繕いしてよ~」
兄 「え~今~?」
なんてごく当たり前のやり取りのはずだったのが…………
妹、兄の足踏んでる!!
おねだりってレベルじゃねーだろ( ̄ロ ̄!)
巣の中でもバトルが開始される
兄が居た場所は兄の温もりがあり暖かい。
その場所を頂こうと妹が兄上にのっかり体を回転させながら体重を乗せ兄を弾き飛ばす(笑)
兄も納得行かずにやり返し、それを何回か繰り返し、兄が根負け(笑)
そんな毎日を眺めながら名前を付ける事になった。
兄「ぽよい」
妹「まろい」
由来は姿形と日々の行動
次第に慣れて行き、兄弟の一番の遊びは水浴びと探検
水浴びをしようか傍で考えている妹の目の前で兄が入り、バサバサっと羽ばたいて妹に水を掛けるのが兄のマイブーム(笑)
カゴの天井が開いてる時には
探検、何回も念入りに周囲を偵察飛行し安全確認をした後、嫁の頭に兄が上陸、妹を呼び 二人で
どちらの髪が長いか引っ張りあって自慢しあう(笑)
寒い日には二羽で寄り添い、兄の胸毛に頭を埋め暖を取る。
そんな毎日が続いていた。
異変が起きたのは四年前
妹が寒くもないのに震えていた。
何日かしたら収まっていたので安心してたら、ある朝、巣から落ちてた所を発見した。
手を尽くしたが最後を自分が看取る形になった。
しかし何日経っても妹を呼び、探す兄を忍びなくなり、新しいメスを連れてきた。
兄の毛も段々白くなりつつ
「もう七歳だからなぁ」
「覚悟はきめておかないと」
そんなやり取りを去年はよくしていたのだが、相変わらず元気だったので油断もあった。
朝、出勤の支度をしてる最中にエサや水を変えようとしていた嫁が発見した。
エサのそばで横たわる形で兄が既に冷たくなっていた。
良くも悪くも個性的な兄と妹だった
気づけば小樽から札幌に出てきての八年間を共に過ごして居たのだ。
昨日に引きずられては明日は見えない。
でも
「まろい」 「ぽよい」
おまえ達の変わりなんてどこもいないよ
八年間、我が家に笑いと微笑ましさと穏やかな空気をありがとう。
頭には乗るけと最後まで手には乗ってくれなかったね。
嫁が「おはよう」っていたら返事するけど俺にはしてくれなかったね。
でもそれも全て、笑える思い出ばかりだ。
今まで本当にありがとう。
車ネタでは無いのですが
今の気持ちを書き留めようと思い、綴りました。
明るい話でなく申し訳ありません。
Posted at 2011/04/28 12:31:36 | |
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