2009年11月15日
とんちかね?
将軍「一休よ」
一休「はい」
将軍「屏風絵の虎が、夜な夜な屏風を抜け出して暴れるので、退治して欲しいんだが」
一休「マジすか」
将軍「なんとかしてくれ」
一休「わかりました」
将軍「頼む」
一休「では捕まえますから虎を屏風絵から出して下さい」
将軍「むむ」
一休「早く」
将軍「なるほどな」
一休「さぁ」
将軍「分かった。出て来い虎」
虎「ガオー!」
一休「え、え、ちょ、タンマタンマ。怖い」
将軍「どうした」
一休「え、マジで出て来るんすか」
将軍「出るっつったじゃん」
虎「ガオー」
一休「ええー」
将軍「捕まえてよ」
一休「いや、ムリっす。怖いっす虎」
将軍「いや、捕まえるっつったじゃん」
一休「いや、だってホントだとは思わなかったっすもん」
将軍「え、俺が嘘ついてると思ってたってこと?」
一休「ぶっちゃけ」
将軍「えー、へこむわーそれ。ブルー入るわー」
一休「いや、だって信じれるわけないじゃないっすか。屏風の絵の虎が出てくるって。正気の人間が言うことじゃないっすよ」
将軍「萎えるわー。俺人望ないのかなー。一応足利義満なんだけど俺」
一休「いや、事例がイレギュラーすぎるんですって」
将軍「だってホント困ってたんだぜ俺。虎に」
一休「はぁ」
将軍「俺が寝てれば夜出てきて顔ぺろぺろ舐めるしさー」
一休「虎が?」
将軍「うん」
一休「将軍様の顔を?」
将軍「うん」
一休「可愛いじゃないですか」
将軍「いや、最初は可愛かったんだけど、毎日だから眠れなくてさ、いらいらしてきて」
一休「なるほど」
将軍「しかも朝起きると乾いてカピカピになって臭いし」
一休「あ、それはいやかも」
将軍「だろ?」
虎「ガオー…」
一休「あ、虎ちょっとへこんでますよ」
将軍「もしかして言えば分かってもらえたのかな」
虎「(コクリ)」
将軍「あ、マジで。最初から直接言えばよかったんだ」
一休「でも虎、将軍様に懐いてますし、たまにはなめるのを許してあげてもいいんじゃないっすか」
将軍「う~ん、1週間に1回ならいいかな」
虎「ガオー…」
一休「不満みたいっすよ」
将軍「じゃあ5日に1回」
虎「ガオー…」
将軍「3日に1回は」
虎「…ガオー」
一休「ギリギリOKみたいっすよ」
将軍「じゃあ3日に1回な。戻っていいよ」
虎「ガオッ(絵に戻る)」
一休「戻った?」
将軍「戻ったよ」
一休「あー怖かった。マジ虎なんだもん」
将軍「いや、だから出るっつったじゃん」
一休「マジだと思わなかったんですって。つーかなんで俺に頼むんすか。行政の力使ってくださいよ」
将軍「いや、とんちで解決してくれるかなと思ったんだもん」
一休「虎にはとんちは通じないですって」
将軍「そういうもんなの」
一休「ええ。人にしか通じないっす」
将軍「へー」
一休「こないだだって、『このはし渡るべからず』っていう立て札が橋にかけてあって」
将軍「え、どこの橋?」
一休「あー、あの、区役所の向かいのローソンの近くにあるあの橋です」
将軍「あ、うん、信号がなかなか変わらない交差点の近くの」
一休「そうそう」
将軍「うん。で?」
一休「はし渡っちゃいけないんだろ?って思ったんで、橋の真ん中歩いたんすよ」
将軍「なるほど」
一休「そしたら橋がバカーン壊れて、ドボーン川に落ちて、ビショビショになって」
将軍「あら」
一休「ケータイが防水だったんでまだよかったっすけど」
将軍「そうなんだ」
一休「普通に橋が壊れかけてたんで、そういう立て札がかけてあったんですね」
将軍「立て札かけた人親切じゃん」
一休「物にはとんちは通じないっす」
将軍「たしかに。いくらとんちがうまくても橋の強度はあがらないもんな」
一休「ええ」
将軍「で、その橋どうしたの」
一休「今、橋の持ち主に損害賠償請求訴訟起こされてます」
将軍「まぁ壊したのお前だしな」
一休「いや、そうなんすけど、向こうにも過失があると思うんすよ」
将軍「そうか?」
一休「せめて『はし』を漢字で書いてくれれば渡らなかったのに」
将軍「でも橋って漢字ちょっと難しいし」
一休「そうなんすけど」
将軍「しかも橋って漢字で書いてても、お前多分橋の上じゃなきゃいいとか言って橋の上に敷物しいて渡ったりするだろ」
一休「あ、やるかも。その発想俺っぽい」
将軍「お前ダメだなー」
一休「そういう年頃なんすよ」
虎「ガオー!!」
一休「わぁ!また出た!怖い!」
将軍「ホントダメだなー」
虎「ペロペロ」
一休「あ、顔、舐めないで、怖い」
将軍「可愛いだろー」
一休「あ、ホントだ、臭い」
将軍「な?」
一休「うん、臭い。コレ毎日だと嫌かも」
将軍「乾くともっと臭いぞ」
虎「ガオー…」
なんてね
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Posted at
2009/11/15 22:26:36
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