StopTech C-43 Caliper その① ブラケット設計&発注
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今回はちょっと難易度上がりますが、ブルーバードのビックブレーキ化への挑戦シリーズとなります。あとあと忘れてしまうので記録を残したいと思います。また、ご自分でブラケットつくったる!と思う方々の参考になれば幸いです。
①ブラケット設計&発注編②取付編、とトラブルがなければ2編構成の記録になる予定です。②の取り付け編は、いつ終わるかわかりませんがw
今回はまず①です。
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まずはキャリパーの採寸から始めました。キャリパーの採寸をするときに重要となるのは、『どこの寸法を決めに行く必要があるのか』というのと『ちゃんと付くこと、周りにぶつからないこと』と思います。失敗経験者談(泣)・・今回も激突するかもしれません。怖がっていても始まりませんから、とにかくやりましょうか!と独り言を呟きながらはじめました。
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『どこの寸法を決めに行く必要があるのか』・・まずは半径方向、すなわちタイヤ回転軸からタイヤ外周方向へのキャリパー位置になります。
A)取り付けるローターの外径
B)もともとのキャリパーの取り付け位置(ここではストラット側の取り付け位置になりますね)
C)新しいキャリパーに備えてある取り付け位置、たとえばラジアルマウントされる位置
(ブラケットのつく部分)
D)キャリパーのブレーキパット最外径
ここで求めるべきものは、B)とC)の位置関係です。ここがずれているので、ブラケットが登場するわけです。
その決め方として、まずD)がA)と一致するようにブラケットの半径方向位置を決めてあげます。ブレーキパッドとローターがぴったり合う感じですね。 A)は買ったローターがあるので、すでに決まってます。D)はブラケットによってA)とツライチになるようにするわけですが(そのためブラケットをB)とC)の間にかませて、ブラケットはアダプターとして使ってあげる)その時の、B)とC)の位置関係を決めてあげるのが大事です。
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A)ロータはWilwood WIL-160-2898とWIL-160-2899を使います。外径298㎜で厚さは32㎜です。結構でかい。。入るのかなー汗 ベンチレーテッドなので、中にフィンがついています。方向性があるので、左右で品番が違います。だいたい$63/片側のお値段。Summit Racingから購入。こういった部品を単品で出してくれるのはWilwood。ほかのブランドはお金になるキット製品のみの扱いなので、個人だと部品で購入するのが難しいですね。
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B)の位置はわかっています。ハコスカのキャリパー図面がネットに落ちていまして、これから寸法を拾えます。
ストラットの取り付け位置は穴と穴の間の寸法(ピッチ)は88.9mm。中心からの位置は63mm外側といった感じです。ここまでくれば、A)とB)の位置がでていることになります。
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C)の位置はキャリパーそのものを計測する必要があります。D)の位置とC)の位置の『差』が分かれば、大丈夫です。というのも、D)の位置はA)298㎜にしたいんです。D)は298㎜で決まっています。なので、現物を計測して『差=D-C』がわかれば、C)の位置が分かることになります。おー、たしかに、そうなるなぁ、と思いながら計測しました。D)の寸法はブレーキパットを実際にはめて計測する必要があります。ブレーキパッドはWINMAXのブレーキパッドにしました。型はWilwood 7420相当のもので、WinmaxのAT3というグレードを選択しました。Winmax品番 1335-T200
んで、結論として、キーとなる寸法が34.1㎜だということが分かりました。
キャリパー取り付け分の逃げとか合わせ面とかを見て、十分な肉厚などをとりつつ、削るところは削る、という基本は忘れないようにしないと、後で手で削ることになります汗
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まとめです。
備忘録的メモ書き。ストラット側のM12貫通穴はΦ12.2 キャリパーラジアルマウント部はM12のピッチ1.25(細目)、キャリパーの取り付け部厚みは40㎜でブラケット材質はA6061のため強度確保のためネジかみ合い長さは25㎜。ボルトは6角穴付き L寸65㎜のクロメート処理SCM435。ちなみにキャリパー取り付け部のピッチは180㎜でボルト貫通部の穴径はΦ12.14でした。
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『どこの寸法を決めに行く必要があるのか』・・つぎに軸方向。すなわち、タイヤがはみ出すときの方向に、どれぐらい外側なのか内側なのか、です。こちらは、以前のWilwoodキャリパーにブレーキをUpgrateした整備手帳を参照いただけるとわかるかと思います。
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A)ハブのロータ合わせ面位置(基準)
B)ローターハットの厚さ
C)ローター厚さ
D)キャリパーセンタ=ロータセンタ
E)キャリパーのラジアルマウント位置
F)ストラットのキャリパー取り付け面位置
ここで求めるべき情報はE)とF)の位置関係のずれを吸収するのがブラケットの役割なので、それがどの程度ずれているのか、という数字がわかればこっちのもんです。
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今回使うハットは、これまたWilwoodのハットを追加工して使います。部品番号は170-15220です。$125/枚と、ちょっとお高いですが。今思うと、自分でCADで書いて発注しても作れるかと思ってます汗 ただ、この時は追加工しか頭になかった。。ワイのばかばかばかw で、合わせ面の厚みは≒7㎜です。全体高さが実測で13.7mmでした。ハブとの取り付けネジ穴が合わないので、そこを追加工します。
PCD 103, M10貫通穴x4
で、ボアもΦ81に拡大します。
元がΦ67→81
ボアとの位置だしができることGood
ガバガバだとよくないです。
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A)を基準に、B)(ハット厚さ)13.7㎜とC)(ローター厚さ)32㎜が分かりました。D)のキャリパーセンタとE)のラジアルマウント位置の距離がどれほどか、が次の課題です。これはキャリパー単体を計測すればわかります。36.9㎜でした。
結果としてA)を基準位置(ゼロ点)とするとE)の位置は13.7+(32÷2)+36.9=66.6㎜となりました。
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最後にF)の位置が分かってしまえば完了です。F)が分かれば、F)とE)のずれをつなぐのがブラケットなので、その二つの距離がわかれば終了です。ただ、F)の位置はA)からどれぐらいの位置にあるのか、というのは実際の図面がないので、ハブベアリングを組んで計測してあげる必要があります。それか、もとについているロータの位置を基準として、新しいロータの位置がどれぐらいずれているのか、ということが分かってはいるのでそこから計算することもできます。
ちょっと、分かりにくい説明ですね。
実際、やればわかりますw
で今回は63.5㎜であることがわかりました。F)の値です(Aの位置から)
ですので、E)の66.6mmとF)の63.5mmという結果から、ブラケットは3.1㎜のずれを修正するものであればよい、となります。
ふー、ここまでくれば、ひと段落。
半径方向:34.1㎜
軸方向:3.1㎜
(画像では3mmの差、とあるところ)
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ここからCADに挑戦です。20数年前は2次元のCADを触ったことはありますが、マウス自体20年以上つかってないのでドキドキします。が、やらないと進まないので、頑張りました。
使ったCADソフトはリンクにも張りましたが、Onshape というソフトです。
個人利用は無料で使えます。嬉しい😭
これ凄いですね。びっくりしました。クラウドで動くのでうちのポンコツパソコンでもサクサク動くし、使いやすくて、ちょっとYoutube見ればなんとなくできます。概念的にわかりやすいです。
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書いた3Dモデル(といっても、ほんとお絵描き程度です)をSOLIDWORKSなどのファイル形式でエクスポートしてあげます。
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ここからも感動なんですが。。
ミスミのmeviyというサービスです!
つくった3Dモデルのファイルを読み込ませると、な、な、な、なんと!
自動見積もり、そのまま発注ができる!
公差とか指示するのも簡単に入れられます。ブラケット程度ならこれは使えますよね~、すげーDX。
これがDXか, あれ、ちがった?w
とにかくすごい。
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材料や、表面処理も選べて、さらに加工都合上、そりゃできませんぜ!というエラーも出してくれます。先生みたいです。隅Rなども、この程度のRになっちゃいますよ、とかも教えてくれます。それが許諾できれば、そのまま手配できます。
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加工する箇所を減らしたり、一回で削れるように工夫したりすると、値段も下がっていきます。やり取りしていると1か月ぐらいかかっちゃう(人は忙しいので)ものが、ものの数時間でできちゃう。すごいですねー。ほんとすごい。
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で、ブラケットのおねだんです。
納期ですごい値段が変わります。
が、こっちは遊び、急いでないです。
ひと月ぐらい待てば、なんと9000円を切りました。安くないですか?
あれ、今見ると1000円ぐらい上がってるな?なんでだろ?材料費変動かな。。まあいいか。
ジェラルミンのA6000番で、黒アルマイト処理付きですよ。2つ必要ですけどね、失敗しても勉強代としては安い。
で、さっそく注文してみました。
一か月後が楽しみですね。
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ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。
今回作ったデータはフリーソフト上で公開できるものですので、ほしい方にはあげます。もちろん、ノークレームのーりたーんでww
いらないか!w
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