【徹底検証】雪道も夏の高速・一般道もおまかせ!
ミシュランの新作「クロスクライメート 3/3 スポーツ」は、もはや“オールシーズンを超えた”タイヤだった

ミシュランが掲げる「トータルパフォーマンス」の思想を最も体現するのが、オールシーズンタイヤ「クロスクライメート」だ。「雪も走れる夏タイヤ」と位置づけられる本モデルは、ドライ/ウエット性能を主軸に、年数回の積雪にも対応する実用性を備えている。誤解されがちだが、「オールシーズン=万能タイヤ」という認識は半分正解で半分は誤り。実際は“夏タイヤ+α”の性能であり、積雪対応はあくまで“オマケ”とされてきた。しかしその“オマケ”にこそ、ミシュランの真価がある。そんなクロスクライメートに、登場から10年の進化を注ぎ込んだ2つの最新作「クロスクライメート 3」と「クロスクライメート 3 スポーツ」が登場。今回は極寒の北海道と灼熱の都心で、その実力を徹底検証した。

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クロスクライメート 3

CHAPTER. 01

“運転が上手くなる”全方位型タイヤの真価

一般のユーザーがオールシーズンタイヤに求める性能は「雪道での性能」、「非積雪路面(ドライ/ウエット)での性能」だが、最近はそれに加えて「快適性(静粛性・乗り心地)」、「低燃費性能」も高いレベルが要求されている。要するに、より夏タイヤに近い総合バランスが求められている……というわけだ。

そこでクロスクライメート 3は、雪も走れる夏タイヤとしての「季節を問わない性能」をより引き上げつつ、シリーズ初となる転がり抵抗ラベリング「AA」獲得(※注:全サイズではありません)の「高い環境性能」とプレミアムタイヤ並みの「高い静粛性」、そしてそれらの性能が長く続く「高いロングライフ性能」を、最新技術を用いて実現している。

ちなみにクロスクライメート 2 SUVが無くなり、クロスクライメート 3に一本化されたが、これは、サイズごとに内部構造設計を最適化することで、SUV専用設計品を準備する必要がなくなったためだ。

まず試乗前に比較用に従来品(クロスクライメート 2)を再確認してみた。その印象はズバリ「これで十分じゃない?」だった。

もちろんサマータイヤと比べると差はあるが、デビューから4年が経過しているタイヤを感じさせない実力の高さだ。それがゆえに「伸び代はシッカリと感じられるのか?」と心配になったのも事実である……。

ただ、その不安は即座に吹き飛んだ。一言でいうと、もはや「オールシーズンタイヤである事を忘れるレベル」である。もう少し具体的に説明していこう。

ステアリングに軽く手を添えるだけでビシーッと走ってくれる直進安定性の高さ、ロードノイズ(高周波)/パターンノイズ(低周波)が抑えられ風切り音が気になるくらいの静粛性の高さ(測定器での差以上に実感できる)、そしていなしの効いたダンピングの快適性の高さは、「これはプライマシーいらずかも!?」と本気で思ってしまうレベルだ。

ハンドリングは一番驚いた部分である。恐らく、何も知らされずに乗っていたら、このタイヤがオールシーズンタイヤだという事に気づかないレベルと言っていい。

曖昧さよりもシャキッとした印象の強いステア系、切り始めた瞬間からノーズがスッと素直にインを向く回頭性の良さと、間髪入れずにリアタイヤに力が伝わる応答の良さから、ステアリング舵角最小限で自然かつ素直に曲がってくれるのだ。その結果、ハンドルで曲げるのではなくクルマ全体で旋回する印象が強く、結果的に「楽によく曲がる」と感じた。

印象的なのはパイロンスラロームやレーンチェンジを行なった時だ。左→右とステアリング操作を行なう時、クロスクライメート 3はステアリング舵角最小限で曲がれる(=横向きの力が少ない)上に横向きの力の収束も速いため、安定した挙動で次の旋回に移れるので無駄な挙動が出にいくい。その結果、常に安定して走らせることができる→タイヤへの信頼が上がる……と言うわけだ。

一般的なオールシーズンタイヤは、どうしても「ヨレ」、「ダルさ」、「遅れ」から予測操舵が必要だったり、パイロンをこなすにつれて徐々に挙動を乱してしまうのでドライバーが調整しながら走らせたりする必要があるが、クロスクライメート 3はステアリングを切るだけで安定・安心・再現性の高いコーナリングが可能。

これらの性能は日常域でも実感できるレベルで、一般道で交差点を曲がる時、高速道路で車線変更を行なう時などに、何も意識せずに上手にクルマを動かすことができるため「私、運転上手くなった?」と思えるほど。

そういう意味で言うと、クロスクライメート 3は「運転が上手くなるオールシーズンタイヤ」と言ってもいいかもしれない。

クロスクライメート 3

テスターは自動車研究家の山本シンヤ氏。従来品の「クロスクライメート 2」のクオリティがあまりに高かったため、試乗前は半信半疑だったが…?

クロスクライメート 3

直進安定性の高さからくる安心感や、ロードノイズやパターンノイズが抑えられた静粛性の高さは、一般の人が日常で運転することの多い市街地でも実感できる。

クロスクライメート 3

「一番驚いたのはハンドリング」という山本シンヤ氏。回頭性や応答性の良さなど、言われなければオールシーズンタイヤだと気づかないレベルだと唸る。

クロスクライメート 3

CHAPTER. 02

燃費も長持ちも妥協なしの次世代性能

それでいながら、転がり抵抗はエコタイヤ並みと言う話だ。まず走り始めの一転がりで抵抗感なくスッと前に出る「軽さ」を実感。

さらにテストコースでは、100km/hからニュートラルにしてアクセルOFFで惰性で走らせてみると、スーッと転がっていく感じはオールシーズンタイヤと言うよりエコタイヤのそれに近い。

これまでオールシーズンタイヤではあまり注目されてこなかった部分だが、“雪も走れる夏タイヤ”である以上、「燃費性能」は無視できない性能の1つというわけだ。

試しに一般道での試乗時に簡易計測をしてみたのだが、試乗車(カローラツーリング)の純正タイヤ(サマータイヤ)よりも良い値が出てびっくり!! 「オールシーズンタイヤは燃費がイマイチ」はもはや過去の話である。

そして、もう一つの注目の性能「ロングライフ性能」は、ウエットブレーキのテスト(停止状態から80km/hまで加速してフルブレーキング)で確認してみた。

まずは新品の状態からで、新たな排水性・排雪性向上のセンターグルーブを採用した新トレッドパターン(Vシェイプトレッドパターン)によりウエット性能を向上しているそうだが、その性能に偽りなし。

オールシーズンタイヤは雪を掴む性能のためにブロックが柔らかく、サマータイヤと比べるとブレーキング時の一瞬の“間(=ヨレ)”を挟んで減速Gが立ち上がる上に、ABSの介入も多くなる。しかし、クロスクライメート 3はその“間”がなく、初期制動から安定した減速Gでシッカリと止まる。

さらにブレーキ操作した瞬間、タイヤが「ギュッ」と路面を掴んでいる事がペダルやステアリングを通じてドライバーにより明確に伝わってくる。つまり「グリップしている……かも!?」ではなく「グリップしている!!」と確信できると、クルマとドライバーの信頼関係はより高まる。

続いて、溝が残り2mmの状態のタイヤに履き替える。車検には通るレベルだが、リアルワールドで見るとドキッとするトレッド面だ。

こちらも新品と同じようにテストを行なってみたが、制動Gは低いもののフィーリングは新品と変わらず。ハンドリングと同じく、安定・安心・再現性が最後まで変わらない性能は「タイヤを最後まで使い切る」というサスティナブルな観点や経済的な面でも嬉しいポイントだ。

当然、新品に対して制動距離は若干伸びるが、それも誤差程度にとどまり、残り溝の印象を踏まえると皆が想像している以上の性能だと思う。

クロスクライメート 3

クロスクライメート 3は、ブレーキング時の一瞬の“間”を感じることなく、初期制動から安定した減速Gでしっかり止まることができる。

クロスクライメート 3

センターグルーブを採用した新トレッドパターン「Vシェイプトレッドパターン」によって、ウエット性能をさらに向上させた。

クロスクライメート 3

濡れた路面でも「しっかりグリップしている」ことがわかるため、ドライバーは雨の日でも安心して運転することができる。

クロスクライメート 3 スポーツ

CHAPTER. 03

走りの快感も叶えながら“雪も走れるスポーツタイヤ”

最近は、これまでオールシーズンタイヤにあまり興味を持たない、スポーツカー・プレミアムカーユーザーからの興味・関心も高まっているが、自分たちのニーズに合うタイヤが存在せず、残念ながら「いいのはわかっているけど、食指が動かない」という状況だったそう。

なぜなら彼らの求めるオールシーズンタイヤは、雪道での性能に加えて非積雪路面(ドライ/ウエット)での「高速安定性」や「ハンドリング」と言ったスポーツ性能だからだ。

そんなオーダーに応えるかのように“スポーツ×オールシーズンタイヤ”として開発された「クロスクライメート 3 スポーツ」は、雪も走れるスポーツタイヤとしての「季節を問わない性能」は引き上げつつ、スポーツの名に恥じないスピードレンジ「Y」の「高いハンドリング性能」、シリーズ初のウエットラベリング「A」獲得の「高い安全性能」、そしてプレミアムカーにふさわしい「高い静粛性」を、最新技術はもちろんパイロットスポーツシリーズの技術も惜しみなく水平展開させながら実現している。

オールシーズンタイヤとスポーツ、これまで共存してこなかった性能だが、果たしてどのような性能なのか? 今回はクロスクライメート 3 スポーツの強みの1つである「ウエットハンドリング」をテストコースで体感した。

このコースはコーナーのRが厳しい上に道幅も狭く、エスケープゾーンは無し。タイヤにとっても厳しい条件ばかりだ。

タイヤの顔となるトレッド面はクロスクライメート 3と似ているも、よりシャープな印象で精悍。個人的には「初代パイロットスポーツ」を思い出した。

サイドはフルリングのプレミアムタッチを採用し、夏タイヤと変わらない品格。ちなみにサイドのデザインはデザイナーのアソビ心で、雪とチェッカーフラッグが横並びで配置されているが、まさにこのタイヤのキャラクターを表しているアイコンだ。

このように見ためはスポーツ然としているが、タイヤは性能が大事である。「いくらミシュランでも本当に両立できるのか?」、「スポーツが名ばかりだったらどうしよう?」と期待より不安のほうが上回ったが、走り始めて一安心……と言うよりも「驚き」の連続だった。もう少し具体的に説明していこう。

クロスクライメート 3 スポーツ

クロスクライメート 3 スポーツのウエットハンドリングを試した「GKNプルービンググラウンド」のテストコースは、Rが厳しい上に道幅も狭く、エスケープゾーンは無しというシビアな環境。

クロスクライメート 3 スポーツ

「高い安全性能」、「高い静粛性」、そしてプレミアムカーにふさわしい「高い静粛性」を、最新技術やパイロットスポーツシリーズの技術も水平展開させながら実現させた。

クロスクライメート 3 スポーツ

トレッド面はクロスクライメート 3と似ているが、印象としてはよりシャープで精悍といった趣。まさにスポーツタイヤらしい品格や雰囲気を備えている。サイドのデザインは前述したように、デザイナーの遊び心から生まれたもの。

クロスクライメート 3 スポーツ

CHAPTER. 04

意のままに走れる、走行性能の新境地

クロスクライメート 3と同じく「オールシーズンタイヤである事を忘れるレベル」なのは言うまでもないが、クロスクライメート 3 スポーツはその精度や正確性が高いレベルにある。

直進時からタイヤが路面を掴んでいる事を実感できるダイレクトな手ごたえとドッシリとした接地感。ステアリングを切ると指一本くらいの微小舵角でもスッとクルマが反応する応答性の速さと鋭さ。素早い操作を繰り返してもグリップを探る必要がない狙った通りの反応性。絶対的な限界の高さはもちろんだが、限界に至るまでグリップに過度な変化がない事などなど。

絶対的な性能に加えて、スポーツタイヤで重要な「一体感」や「意のまま」を高める要素……直結感/対話性/懐の深さなどは、ミシュランのスポーツタイヤのそれと変わらない。

グリップはさまざまなミシュランのタイヤを履いた経験で言うと、プライマシー以上パイロットスポーツ未満と言うイメージ。試乗車(VWゴルフeTSI)ではクルマが負けている状況で、個人的には「ゴルフGTIの方がマッチングいいのでは?」と思ったくらいだった。

ただ、ドライバーに伝わるグリップ感は最新のミシュランスポーツタイヤのようなネットリと路面に張り付く感じではなく、かつての「パイロットスポーツ3」のようなサラッとしているのに確実に路面を捉えている印象だ。

あまりに走りが爽快で楽しいので、ウエット路面ながらどんどんペースアップしていったが、クロスクライメート 3 スポーツはへこたれるどころか、より「旨味」を見せる。

グリップの限界に近い所では普通のタイヤだとブレーキを優先したくなるが、クロスクライメート 3 スポーツは「追操舵」が効くこと、さらに限界を超えて流れ始めても挙動変化が穏やかなので、アクセルOFFでグリップの美味しいところを冷静に探ることができるコントロール性の高さなどは、オールシーズンタイヤではなくスポーツタイヤそのものだ。

乗り心地はクロスクライメート 3よりも引き締まった印象だが、衝撃を「スッ」とではなく「シュッ」と抑えるスッキリとした減衰感と、路面のザラっとした感じが伝わってこないので、不快に感じる事はないだろう。

この実力ならばその先……サーキットのようなシーンでも試してみたい、クロスクライメート 3 スポーツはそんなトライをしたくなるオールシーズンタイヤである。

クロスクライメート 3 スポーツ

指一本分くらいの微小な舵角でもクルマがスムーズに反応する応答性の速さと鋭さ、素早い操作を繰り返しても狙った通りの反応性を見せるところはさすがスポーツタイヤといったところ。

クロスクライメート 3 スポーツ

「あまりに走りが爽快で楽しいので、ウエット路面なのにどんどんペースアップしてしまいました」と頬を緩める山本シンヤ氏。それだけ「意のままに」操れるタイヤということだろう。

クロスクライメート 3 スポーツ

クロスクライメート 3 スポーツは、サーキットのようなシーンでも試してみたくなるオールシーズンタイヤだ。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

CHAPTER. 05

“オマケ”では済まされない雪上の信頼感

夏の性能(非積雪路)はオールシーズンタイヤとは思えない実力だったが、それを実感すればするほど気になるのは冬の性能(雪道性能)だろう。

冒頭で「積雪性能はあくまでも“オマケ”」と語ったが、その理論で言えば「クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツは、より夏の性能を重視している?」と思うはず。そもそも、とうの本人(筆者)が夏の性能を実感すればするほど、「これで本当に雪も走れるの?」と疑いの目を持ったくらいだ。

ただ、今回雪道を走らせての印象は“オマケ”と呼ぶのがおこがましいほどの高い実力を備えていたこと。素直な感想は「凄い」よりも「何で?」だった(笑)。

雪道でまず大事な性能は「確実に止まれるか?」である。テストコースでは従来品(クロスクライメート 2)との比較テストを実施。一定速からフルブレーキングでの停止距離を従来品(クロスクライメート 2)と比較してみた。

映像を見てもらうとその差は一目瞭然だが、それに加えて夏性能のウエットブレーキと同じくアクセル/ブレーキ操作時の“間”の少なさ……つまりグリップの立ち上がりの反応が素早くなった事を評価したい。

パイロンスラロームや定常円旋回も行なってみたが、従来品に対して旋回スピードの高さ(=グリップ力が高い)と限界(=滑りだし)のわかりやすさ、さらに横に向く力の収束の速さ(=挙動が乱れにくい)を実感した。

今回はテストなので車両の電子制御をOFFにして走らせてもみたが、よほど乱暴な操作をしない限りは挙動が乱れることはなかった。

ちなみに、積雪路におけるクロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツの差は夏の性能とは異なりほぼ同等と言っていいが、重箱の隅を突くならばクロスクライメート 3のほうがグリップは若干高めな印象。

また、数値ではない感応の部分で言うと、何も気にせず走らせてもグリップを感じるクロスクライメート 3に対して、クロスクライメート 3 スポーツは反応の良さやキビキビとしたクルマの動きはあるものの、同じグリップ力を出すためには前後の荷重をわずかに意識した走りを求められる、といった違いがあること。

さて、テストコースでの定量評価での伸び代は実感できたが、冬の性能で大事なのは「リアルワールドでどうなのか?」である。そこでクロスクライメート 3で北海道・士別の市街地へ繰り出した。

取材初日は北海道ならではの雪景色だったが、翌日は気温が上昇、水分を多く含んだシャーベット状のべしゃ雪、さらには舗装路面が顔を出すというリアルワールドならではのコンディションだったが、テストコースで感じた「停止距離の短縮」と「反応の良さ」はもちろん、刻々と変わる路面変化に柔軟に対応する「総合性能の高さ」と「性能の連続性」が光った。

このあたりはスタッドレスの「X-ICE SNOW」でも同じ印象だったのだが、クロスクライメート 3は「雪も走れる夏タイヤ」、X-ICE SNOWは「舗装も走れる雪タイヤ」というアプローチの違いで、ミシュランのトータルパフォーマンスの思想は変わらない事を改めて実感した。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

極寒の士別テストコースで「クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ」の積雪路におけるさまざまな性能をチェックした。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツの差は、夏の性能とは異なり積雪路においてはほぼ同等と言っていいが、しいて言うならクロスクライメート 3のほうがグリップ力は若干高め。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

市街地での試乗時は気温が上昇し、雪が溶けて舗装路面が顔を出すというコンディションだったが「停止距離の短縮」「反応の良さ」、また刻々と変わる路面変化に柔軟に対応する「総合性能の高さ」と「性能の連続性」はテストコース同様だった。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

CHAPTER. 06

1本ですべてを叶える、未来のタイヤ像

そろそろ結論に行こう。オールシーズンタイヤの多くは、その万能さがゆえに夏の性能/冬の性能ともにどっちつかずの商品が多いように感じるが、クロスクライメート 3は夏は「サマータイヤ」、冬は「雪用タイヤ」と季節や走る環境によって2つの顔を見せるタイヤだ。

クロスクライメート 3 スポーツは上記の印象に加えて、クルマ好き/スポーツカー好きの琴線に響く性能が色濃く盛り込まれた初めてのオールシーズンタイヤと言っていい。

そういう意味では、「雪も走れる夏タイヤ」を超えた「走りを愉しめるオールシーズンタイヤ」と命名したいくらいである。

現在の自動車業界では、カーボンニュートラル/サーキュラーエコノミー(循環型経済)が求められている。その中でもタイヤは原材料(天然素材やリサイクル素材への置換)、性能(グリップ性能、転がり性能、耐摩耗性を高次元でバランス)、CO2排出削減(生産や輸送)などクリアすべき課題は多い。

現在ミシュランはこれらの課題を最先端の技術で解決しつつあるが、面白いポイントは「タイヤを売る事」が生業にも関わらず、「たくさん売るのではなく、なるべく少ないタイヤで済むビジネス」を考えている事だろう。

そういう意味では、クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツの夏用・冬用タイヤの枠を超えて実現した性能は、ミシュランの全てのタイヤに共通する思想「トータルパフォーマンス」を現在最も具現化したタイヤなのかもしれない。

ミシュランは、一つのタイヤで全ての性能をまかなう事を本気で考えているようだが、今回そんな「夢のタイヤ」の入り口を見たような気がする。

Text:山本シンヤ Photo:篠原晃一 Edit:森庸行(LINEヤフー)

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツともに、「雪も走れる夏タイヤ」を超えた「走りを愉しめるオールシーズンタイヤ」と言っても過言ではないだろう。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

夏は「サマータイヤ」、冬は「雪用タイヤ」と2つの顔を見せるのがクロスクライメート 3。一方、クロスクライメート 3 スポーツはクルマ好き・スポーツカー好きに響く性能が色濃く盛り込まれた初めてのオールシーズンタイヤと言える。

クロスクライメート 3/クロスクライメート 3 スポーツ

ミシュランタイヤのすべてに共通する思想「トータルパフォーマンス」を現在、最も具現化したものが今回の2つのタイヤなのかもしれない。

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