一般のユーザーがオールシーズンタイヤに求める性能は「雪道での性能」、「非積雪路面(ドライ/ウエット)での性能」だが、最近はそれに加えて「快適性(静粛性・乗り心地)」、「低燃費性能」も高いレベルが要求されている。要するに、より夏タイヤに近い総合バランスが求められている……というわけだ。
そこでクロスクライメート 3は、雪も走れる夏タイヤとしての「季節を問わない性能」をより引き上げつつ、シリーズ初となる転がり抵抗ラベリング「AA」獲得(※注:全サイズではありません)の「高い環境性能」とプレミアムタイヤ並みの「高い静粛性」、そしてそれらの性能が長く続く「高いロングライフ性能」を、最新技術を用いて実現している。
ちなみにクロスクライメート 2 SUVが無くなり、クロスクライメート 3に一本化されたが、これは、サイズごとに内部構造設計を最適化することで、SUV専用設計品を準備する必要がなくなったためだ。
まず試乗前に比較用に従来品(クロスクライメート 2)を再確認してみた。その印象はズバリ「これで十分じゃない?」だった。
もちろんサマータイヤと比べると差はあるが、デビューから4年が経過しているタイヤを感じさせない実力の高さだ。それがゆえに「伸び代はシッカリと感じられるのか?」と心配になったのも事実である……。
ただ、その不安は即座に吹き飛んだ。一言でいうと、もはや「オールシーズンタイヤである事を忘れるレベル」である。もう少し具体的に説明していこう。
ステアリングに軽く手を添えるだけでビシーッと走ってくれる直進安定性の高さ、ロードノイズ(高周波)/パターンノイズ(低周波)が抑えられ風切り音が気になるくらいの静粛性の高さ(測定器での差以上に実感できる)、そしていなしの効いたダンピングの快適性の高さは、「これはプライマシーいらずかも!?」と本気で思ってしまうレベルだ。
ハンドリングは一番驚いた部分である。恐らく、何も知らされずに乗っていたら、このタイヤがオールシーズンタイヤだという事に気づかないレベルと言っていい。
曖昧さよりもシャキッとした印象の強いステア系、切り始めた瞬間からノーズがスッと素直にインを向く回頭性の良さと、間髪入れずにリアタイヤに力が伝わる応答の良さから、ステアリング舵角最小限で自然かつ素直に曲がってくれるのだ。その結果、ハンドルで曲げるのではなくクルマ全体で旋回する印象が強く、結果的に「楽によく曲がる」と感じた。
印象的なのはパイロンスラロームやレーンチェンジを行なった時だ。左→右とステアリング操作を行なう時、クロスクライメート 3はステアリング舵角最小限で曲がれる(=横向きの力が少ない)上に横向きの力の収束も速いため、安定した挙動で次の旋回に移れるので無駄な挙動が出にいくい。その結果、常に安定して走らせることができる→タイヤへの信頼が上がる……と言うわけだ。
一般的なオールシーズンタイヤは、どうしても「ヨレ」、「ダルさ」、「遅れ」から予測操舵が必要だったり、パイロンをこなすにつれて徐々に挙動を乱してしまうのでドライバーが調整しながら走らせたりする必要があるが、クロスクライメート 3はステアリングを切るだけで安定・安心・再現性の高いコーナリングが可能。
これらの性能は日常域でも実感できるレベルで、一般道で交差点を曲がる時、高速道路で車線変更を行なう時などに、何も意識せずに上手にクルマを動かすことができるため「私、運転上手くなった?」と思えるほど。
そういう意味で言うと、クロスクライメート 3は「運転が上手くなるオールシーズンタイヤ」と言ってもいいかもしれない。