
ずいぶん前から気になっていたことを検証するために行った実験結果を恥を忍んでここに公表いたします。
写真はあの有名な Morel Dotech Ovation 6 です。カーオーディオ好きなら誰でも知っているHifiスピーカーです。日本の正規代理店では税込価格¥79,800となっていますが私はこのスピーカーを国内の有力オークションにて格安で購入しました。1年以上前に。
もちろん正規品であろうはずもなく本物を見たこともないので偽物と決めつけることはできません。また雑誌やネットの本物と思われる写真と比較するとなかなか精巧な出来で本物と思いたくなる気持ちを捨てきれません。そのため次のクルマのためにと保管しておりましたが、買替えの目処も立たない状況でもあるし疑惑を抱いたままでは気持ち悪いので急遽BOXを作製し我家のリファレンスであるXTANT302aで試聴してみました。
試聴の前に外観の相違点を述べておきます。まずパッケージングですが正規品では左側に黒いラベルがハチマキのように巻いてあるようですがコイツにはありません。そのかわり商品名を印刷した小さなラベルがフタと側面手前に貼り付けてあります。しかも若干右側にズレてます。セット内容に過不足はない模様です。
次にウーハーです。振動板は紙ベースの表面にチャコールグレーのコーティングが施されラメ状の透明粉が光を反射しています。エッジは一般的なブチルですが接着剤のハミ出しが見られます。またセンターキャップのロゴも傾いて印刷されています。フレームは非常に固い金属に粉体塗装が施され十分にコストがかかってます。模倣品ではもっと柔らかい金属を使い普通の焼付け塗装でごまかす手段を選ぶところです。グリルは更に厚い金属でヤワな印象は全くありません。
続いてネットワークですがこれも本物にクリソツです。唯一ドクロの目に透明カバーがありません。あとでわかったことですが片方は接触不良が発生したので叩いたら直りました。
最後にツイーターです。資料によるとDotech OvationにはMT12がセットされているはずなのですがMT23にすり替わってました。そもそもMT12は再生周波数が1,800〜25,000Hz、MT23が1,400〜25,000Hzとなっており、なんと400Hzも得してしまいました!…待てよネットワークとの関係もあるのでショップにクレームを申立てるべきか?とも考えましたが時すでに遅し(笑) 。あるいはラベルの貼り間違えかもしれませんね。その他プラスチック部材の成形や精度も良好です。
ではCAR AUDIO CATALOG 2008の評論家先生の言葉をお借りしながら報告します。
『特にレンジは広くないが量感豊で深みのある低音をベースに密度感と厚みのあるサウンド』←確かに広告通りウォーム&スウィートな音です。しかも音の放射角がとても広く少々身体をずらしても音像がブレません。
『ベースの量感はあるが、心持ちぼんやりしている』←まさにその通りなんです。適度に角が取れて刺激的なところがない変わりにボンヤリした音なんです。アタック音までも封じ込められています。おそらくウーハーをドアに装着すれば量感が減って少しは締まりが出てくるのではないかと思います。
あるいはダンピングファクターの高いアンプで鳴らせばメリハリが出るのかも知れません。とにかくインストール技術やアンプを選ぶスピーカーであることは間違いないです。
ツイーターがとても滑らかで耳に心地良いだけに残念なんですが、自分的には過剰なくらい甘い音ですし楽曲のジャンルさえ無視したような鳴り方なのでクルマには装着せずこのまま家で使います。ながら聞きにはうってつけの疲れ知らずのスピーカーだと思いました。
さて本題の真偽の程ですが僕は一応本物だと思います。
ただし製造過程において検査で不合格になった物を誰かが寄せ集めて横流ししたのだと判断します。そうゆう意味では偽物ですね。ですからこのスピーカーは設計通りの音は出てないはずですので正規品の購入を検討している方は絶対に参考にしないでください。
今日からアンプをHaflerに変えて楽しんでみますのでMA-1の音質を数日後にアップします。よろしく!
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Posted at
2011/06/15 13:58:21