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印旛日本医大駅

通勤二時間定期四万
2011年12月13日
カテゴリ : 千葉県 > 交通情報 > その他
 まるでジブリ・アニメに登場しそうなタワーとドームが特徴的な、千葉ニュータウンの西端にある駅。

 現在は「成田スカイアクセス」の開業により、成田空港まで線路がつながったが、それ以前は当駅が終着駅となっていた。

 2000年の開業以来、運行・管理は北総鉄道(旧北総開発鉄道)が担ってきた。ただし北総線小室駅~当駅までの設置・所有者は「千葉ニュータウン鉄道」となっている。
 「千葉ニュータウン鉄道」は、住宅都市整備公団(現都市再生機構)の改革に伴って鉄道事業から撤退することになり、事業の受皿として設立された第三セクター。鉄道施設と車輌を保有する「第3種鉄道事業者」で、運行は北総鉄道が「第2種鉄道事業者」として携わっている(ちなみに「第1種~」は、施設・車輌の保有も列車運行も両方手掛ける一般の鉄道会社)。



 第三セクターや地方の公営交通に共通の問題が、運賃の高さ。

 参考までに私が勤務する銀座界隈に行こうとすると、
 印旛日本医大→(北総線)→京成高砂→(京成線)→押上→(都営線)→東銀座のルートで、\1,130.-。

 運よく直通電車が来れば乗換えなしで行けて便利なのだが、そもそも運賃が高いのに加えて北総線/京成線/都営線それぞれで初乗り運賃を計上される。結果、往復で\2,260.-、中学生以上の家族4人で千葉ニュータウンから銀座へ買い物に出掛けると、交通費だけで9千円以上が飛んでいく計算だ。


 以前、老舗週刊誌「週刊朝日」恒例の年始特集で、小倉百人一首の「本歌取り」パロディ短歌があった。
 十数年前の応募作で忘れられないのが、「我が庵は都のたつみ鹿ぞすむ~」の歌をもじって

   「我が家は都のたつみ狸すむ通勤二時間定期四万」

 というのがあった。
 ちなみに、印旛日本医大-東銀座の通勤1箇月定期は\47,440.-。「狸すむ」かどうかはさておき乗車時間は1時間前後なのに、定期代に関してはパロディの歌のとおりだ。
 



 千葉ニュータウンのことをとやかく言うためにこの例を挙げたのではない。
 個人的には、千葉ニュータウンはとてもいい街だと思う。鉄道を利用して出向く機会は殆ど無いが、クルマで成田空港への行き帰りに寄ることがある。時間的余裕があるときは、巨大なDIY店で買物し、恐らくは近隣で一番安いガソリンを満タン給油し、その日の気分で選り取りみどりのレストランで食事をして帰るようにしている。

 では何が問題なのかといえば、千葉ニュータウンは距離的にも利便性でも都心に近いところなのに、運賃の「連続性」が無いために高い交通費を払わされていることに尽きる。



 千葉ニュータウンから都心へ出掛けるのに利用する電車を、何処の会社が運営していようが走行する電車の所属が何処であろうが、利用者の立場としては何ら関係がない。安全に確実に時間通りに、目的地に着ければそれで良いのだ。
 利用者の関心や利用意図とは無関係に鉄道の運営企業が分断され、それぞれの会社から初乗り料金を徴収されるというのは、やはりおかしい。

 印旛日本医大-東銀座間の距離は46.1km。私が以前住んでいた多摩方面に当て嵌めると、京王線新宿-高尾山口間がちょっと短い程度(44.7km)ながら、運賃は370円と1/3以下の水準。
 全区間同じ会社で運営されていて、かつ建設費用回収も完了して運賃水準が低い路線との比較では、かくも大きな差が生じている。



 運賃面以外の「連続性」は、最近劇的に改善されつつある。
 例えば、可能な限り乗換の不便を無くすよう、相互乗入れや貨物線の旅客化、駅施設のバリアフリー化を推進している。

 北総線の電車も京成・都営線だけでなく、さらに先の京急線羽田空港まで直通電車を走らせている。またJR東日本が東海道・横須賀線の電車を池袋・新宿・渋谷回りで東北線(宇都宮線)・高崎線方面へ直通させる「湘南新宿ライン」を開設。高い利用率を維持している。
 東北新幹線の着工以来分断されている東京~上野間を結ぶ「東北縦貫線」が完成すれば、東京・上野回りでも同様の列車運行が始まることになる。



 現在では共通ICカード乗車券が普及し、地元の路線バスから都心の地下鉄まで同じカードで乗降りできる。JR系のカードだったら札幌・仙台・新潟・名古屋・大阪・広島・福岡圏のJR線まで同じカードの利用が可能になった。

 運賃支払・精算の面では、ICカードのお陰で煩わしさが無くなり「連続性」が演出されている。しかし、運賃そのものの「連続性」は、部分的に乗り継ぎ割引制度があるだけ。とても考慮されているとは言い難い。



 ヨーロッパの各都市では、鉄道会社やバス会社は運行を手がけるだけで、運賃徴収や収入分配は共同出資の別会社もしくは組合を立ち上げて委託している例が多い。
 一定時間内・一定エリア内であれば、バスに乗ろうが地下鉄に乗ろうが路面電車に乗ろうが、同じ切符で何度でも乗換えができるようになっている。

 日本でも、ICカード「パスモ」は鉄道企業各社の出資で設立された別会社(㈱パスモ)が発行している。
 ハード面の投資が一巡し落ち着いたら、ヨーロッパと同じようなスキームで運賃の「連続性」を確保する取り組みを進めてほしいと願っている。
住所: 千葉県印西市若萩一丁目1

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