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公益財団法人下関海洋科学アカデミー鯨類研究室

「反捕鯨」のまやかしは、もうたくさんだ
2014年07月16日
 本州最西端の街・下関市は、攘夷から明治維新への転換点となった「下関(馬関)戦争」や、日清戦争を終結させた「下関条約」など、日本の近現代史の舞台として年表に名を残す。
 産業の面でも北九州と一体の経済圏を形成し、対九州の玄関口だけでなく、朝鮮半島への航路が発着。更に鮮鉄・満鉄・シベリア鉄道を経由して遠く欧州まで繋がる「大陸の玄関口」として発展を続けてきた。

 下関の発展を支えた産業の一つが、漁業である。
 兵庫県明石の鮮魚仲買人から身を起こした中部幾次郎が、ここ下関から遥々遠洋へ漁に出る大船団を編成。後に法人化し、現マルハニチロ(旧マルハ、更に前は大洋漁業)の原点となった。

 大洋漁業が遠洋で追い求めた獲物の一つが、昨今漁の継続か全面禁止かが争われている「クジラ」だ。

 かつて山陽本線沿いには、大洋漁業が掲げるクジラの巨大看板が威容を誇り、大洋漁業が所有していたプロ野球球団のチーム名も「ホエールズ」(後に「ベイスターズ」へ改称)だったことをご記憶の方が、まだまだ多いだろう。
 下関は、近代捕鯨発祥の地でもある。


 下関市は「くじらのまち日本一」を志し、市の動物を「クジラ」に定めたほか、くじら食文化の情報発信や及啓発活動を積極的に行ってきた。
 産業振興や観光面だけでなく、学術の分野でもレヴェルの底上げと発展を図るべく、鯨類研究の業務を公益財団法人下関海洋科学アカデ
ミー(下関市立水族館「海響館」の運営主体)へ委託。2012(平成24)年7月、市役所庁舎内に「鯨類研究室」を開設した。




 クジラをなぜ、「魚」偏に「京」を組合せ「鯨」と記すのか。
 
 この「京」は「みやこ」ではなく、「けい」。
 一般的によく目にする位取り単位は「兆」までだが「兆」の1万倍、10の16乗を表す位が「京」。ここまで大きな数になると、もはや天文学やスーパーコンピュータの分野でしか扱わない。 

 「すさまじくでかい魚」を一字で表現したいが為に、巨大な数「京」をつくりにして魚偏と合わせた、というのが通説だそうだ。



 現在、捕鯨に反対している国々の中には、もともと捕鯨国であった国も少なくない。
 彼らは鯨に対して、どんな経済的価値を見出していたかといえば「鯨油」のみ。石油ランプが普及定着する以前、灯火用の燃料といえば鯨油が中心だった。
 
 安定的かつ大量に、しかも遠洋で調達できる鯨油は、帆船時代の船乗りには欠かせない資源であったことは間違いない。
 ただし彼らは、捕獲した鯨から脂肪分および鯨油を抽出可能な骨・内臓だけを取り出し、油分の少ない大部分の赤身肉は廃棄していた。


 言ってみれば原油を精製して燃料油を取り出す際、付加価値の高いガソリンのみを利用し、軽油・重油やアスファルトを捨てていたようなものだ。
 石油ランプや電灯の普及で「鯨油」の利用価値が滅した現在、このような捕鯨は明白に禁止されるべきで、この点私も疑いを持たない。



 しかし、日本の捕鯨は根本的に異なる。
 かつて日本人は鯨肉を貴重な蛋白源としていたことは言うに及ばず、内臓・ひげ・皮・骨に至るまで完全に利用し、鯨の恵みへの感謝と共に命を繋いできた。

 さすがに現代では100%の有効活用はできていないだろうが、今でも生殖器を含む内臓部分を珍味として好む方はたくさんいて、それなりの需要が保たれている。 



 洋間が普及しベッドで就寝する日本人が増えたとしても、畳敷の和室や床敷きの布団が日本の伝統的住環境として認知され、生活文化として根付いている。

 同様に、鯨は日本の食文化の一部であり、「鯨が可哀想だ」「捕鯨は野蛮だ」などの理由で非難される筋合いは一切ない。  

 「干し草を固めた床材に素足で上がり、直に床を敷いて寝る日本人は原始的で野蛮だ」などと批判する外国人が居たら、その指摘は妥当かつ適切なものと言えるのだろうか。




 反捕鯨の立場の人間は、こうも言う。
 「他にも蛋白源があるのだから、捕鯨をする必要は無い」

 これも、先の畳と布団の例に当てはめれば、おかしい主張でしかないことが明々白々。
 カーペットとベッドがあるからといって、日本人は畳と布団を捨て去ることはないし、ましてや畳と布団の使用を法律で禁止したり、国際的に非難したりなどできようもない。


 現在、主要な動物性蛋白源となっている牛・豚・鶏。
 干し草など他の餌も利用されてはいるが、効率的に美味しい肉を生産するためには、いずれも穀物飼料無くしては肥育ができない。蛋白源とは言いながら、その更なる根源は概ね穀物に由来する。

 牛肉1㎏を肥育させるために必要な穀物は、8㎏とも10㎏とも言われる。
 カロリー換算してみると、牛肉のカロリー1に対して必要な穀物のカロリーは10~15にもなる。
 食物を特定の一面だけで判断することは危険だが、少なくともカロリーに関しては穀物をそのまま食する場合の1割以下しか、牛肉のカロリーに転化されていない。


 今後世界が穀物生産の停滞から食糧危機に陥れば、同時に畜産業も衰退し、間違いなく牛肉・豚肉・鶏肉の生産・供給が滞って蛋白源が絶たれる。

 「反捕鯨」を訴える人々は、そうなっても日本に対して飼料供給を保障してくれるのだろうか。
 鯨以外の蛋白源を提供してくれるのだろうか。

 毛頭できるわけがない。

 

 鯨肉を無駄なく使い切る日本の伝統と文化は、未来の日本を救うかもしれない。
 戦後の食糧難の時代に、鯨肉が労働者の胃袋を満たし子どもたちの成長を支えたように、日本が確保しうる最大にして唯一の動物性蛋白源となる可能性は十分にある。


 その時、世界は「捕鯨」をどう見るのか。
 食糧危機に瀕してもなお、欧米各国は「クジラが可哀想だ!」「捕鯨反対!」などとまやかしの主張を、臆面もなく続けていられるだろうか。

 
 下関鯨類研究所には、国際世論を謀り、偏狭かつ不見識な「正義」を振りかざす狂犬や緑豆を論破し、そのまやかしの主張を完膚なきまでに叩き潰すべく研究を続け、有効有用な成果を挙げて欲しいものである。




住所: 下関市田中町5-6 下関市観光交流部2F
電話 : 083-250-8307

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この記事へのコメント

2014年7月16日 23:37
コメ失礼します
私が小学校の給食ではクジラ竜田揚げ
とタラのすり身のフライが最高のごちそうでした。
今でも食べたいです。
クジラを禁止し牛を買えということなんですよね
うーん
コメントへの返答
2014年8月4日 8:41



 おはようございます。
 初めてコメントを頂戴しておきながら、ご返事が大幅に遅れて申し訳ございません。

 私は関東育ちなので、給食でクジラのおかずが提供されたのは親世代までですが、お酒好きの祖父が「クジラベーコン」をよくアテにして呑んでいました。

 私自身が呑めるようになった頃までは、赤身肉の刺身をスーパーで買える機会もあったのですが、最近は環境保護団体の不当な圧力があるのか見掛けることがありません。

 ウシやブタは屠殺してもよくクジラはダメという論理は、どうも私の頭が悪いのかどうしても理解できないのですが、環境保護団体へ食肉業界から寄付が回っていれば、仰る通り醜い利益誘導でしかないのでしょう。



 基本的に毎日更新しております。
 折に触れお見えくださいませ。


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