
実は、現在のBBS RS-GTにもmomo OUTRUN M-3を使っています。
加齢が進むと新しいものを取り入れなくなる、リピートが増える傾向にあるそうですが、まんまとその傾向に合致してきました。
歳は取りたくないものだ...
で、都合2セット目になるわけですが、最初に使い始めたころからはずいぶんと間があきまして、アジアンタイヤにも新製品が多く出ています。
ま、おっさんですから、傾向をしっかり踏まえましてリピートした次第です。
なので、ある程度はロングランなインプレッションということになるかと思います。
まず、前にも話したように、このタイヤはコンフォート系です。
E90は分類的にはスポーツセダンということになるようです。
この系統としては、国産ではLEXUS IS や、日産 スカイラインが、輸入車ではAudi A3セダンやMercedes-Benz Cクラスあたりが該当しそうです。
大きさとしてはミディアムセダンということで、キビキビ走るというよりは、時にスポーティに、時にラグジュアリにと、文字通りミディアムな走りに合わせたクラス。
悪く言えば中途半端なんですが、日本の道路事情にはこのくらいがベストじゃないかなと思っています。
そんなE90、それも320iなどはスポーツ度もラグ度もまさに中途半端なのですが、
走りを忘れ切っていないおっさんには丁度いいのではないかと。
話は逸れましたが、おおよそコンフォートでもスポーツでもない車にコンフォートってどうなん?って気もするのですが、ADVANネオバのようなごりごりのスポーツタイヤってほどでもない気もします。
もちろん、そういった方々もいるとは思いますが、自分にはスポーツタイヤは荷が重い。エコタイヤよりグリップがよくて、スポーツタイヤよりは静かなタイヤ。
かと言ってがっつりコンフォートだとお財布的にちょっと...なわけでして、そこでアジアンなわけですね。
これまた悪い言い方になりますが、アジアンタイヤもまた、ある意味では中途半端なわけです。
コンフォートと言えどさほど高級感はなく、スポーツと言えど有名メーカーには一歩及ばない。そんな立ち位置ですが、特筆すべきはやはり価格なのかなと。
言ってしまえば、価格なりの静粛性とグリップ力。
このバランスが取れてさえすれば、多くの人は満足はせずとも納得はできるはずです。
こういった観点から、自分はアジアンを使うわけです。
で、M-3です。
これはもうタイヤがゴムである以上、経年劣化というものは避けられません。摩耗とは別の部分での劣化です。
このあたりはアジアンタイヤの不得手というか、ある程度はしょうがない部分でもあります。
つまり、製造コストが安いから価格が安いわけで、こだわってよりいいものにしようとすると、結果的にお高いものになるのは当然です。
逆に言えば、このこだわりを犠牲にしてそこそこを目指しているのもアジアンと言えます。
これは、製造国の物価が安いとか人件費が安いという理由とは別のところにあります。
もちろん日進月歩でどんどんよくなってきていますがね。
特に自分のように、年間走行距離が少ない場合、摩耗進度よりもゴム自体の劣化のほうが早いと思います。ここは高いタイヤに劣る部分です。
具体的には、サイドやショルダー部、溝の部分のヒビ割れです。
ゴムなのでしょうがない部分ですが、この進み具合がアジアンは他より早いのは間違いありません。
愛知県という、国内でも夏場の気温も紫外線も多い地域なので、条件は厳しい部類なのもあります。
減りについてですが、普段から一般的な走り方で、摩耗限度まで使ったことがないので偉そうなことは言えませんが、減るような走り方をした際のタイヤの荒れ具合として参考までに。
車高の下がった車の傾向として、内減りというのがあります。
キャンバーがついてしまって内側により負荷がかかるためですが、これはどんなタイヤでも同じ傾向で減ると思います。問題はその程度ということになります。
感覚的に、このタイヤは減りにくい部類であると思っています。
面倒くさいことに、この減りというものは、グリップ力に単純比例するのでもなければ、耐摩耗性が高めでも減らないということでもない、なんとも悩ましいものです。
その中で減りにくいというのは、好都合、高評価ということになります。
静粛性。
これもゴムである以上は避けられない硬化があるので、経年で落ちてくるもののひとつです。
ただ、アジアンの泣き所、この進み具合が早めということです。
感覚的には2年程度で静粛性はかなり落ちます。
ウェット性能。
サーキットでハイウェット状態での使用を前提としない、あくまで公道を一般的な走り方をすることを前提としたタイヤです。
ですが、雨天グリップ力というものを求めるタイヤではない、極論では平均点より若干高めに位置するタイヤです。多くを求めてはいけません。
それでも当たり前に、一般的な走行での問題は何もありません。普通に使えます。
この普通に使えるというのが実に重要でありまして、10年前のアジアンタイヤでは不安要素だった部分でもあります。
総合的に、M-3はごく普通に使うのには十分いいタイヤであると思います。
価格も控えめ、ライフもそこそこ、大きく可もなく不可もなく。
転がすだけの安いタイヤは他にもたくさんあり、より性能が上のタイヤもまたたくさんあります。
タイヤという部品は、ドンピシャなマッチングを求められるものではありません。
ドライバーの技量、使用環境、経済要素を柔軟にマッチさせていける部品です。
車両自体、そういった設計になっているのもあります。
技量がないならタイヤで補うのもありだし、お財布事情を優先するのももちろんありです。
アジアンでもいい部分はあり、ダメな部分もあると分かった上で使うことが重要です。
BMWだから、Audiだから、Benzだから、ミシュランやコンチネンタル使わなきゃダメなんてことは決してない。
好きなの使えばいいんすよ。
それにとやかく言うやつには言わせておけばいいのです。
人それぞれです。
ただ、タイヤというものは過信は禁物です。
タイヤに合わせた運転をし、運転に合ったタイヤを選ぶ。
それだけです。
よいカーライフを。