
ワールドカップイヤーの今年、
Samurai Blue を応援するのは当然のことだけど。
僕にとってのワールドカップは昔からブラジルと
相場が決まっている。
さすがにペレの時代は記憶にないけれど、
神様、仏様、ジーコ様の頃より僕は、
ブラジルサッカーの虜なのだ。
カナリア軍団の流れるような身のこなし
欧州の強者どもも太刀打ちできぬあの動き
その源はどこにある?
サンバだ♪
ロナウジーニョの足技、アドリアーノの強さ、カカの色気
2/4拍子、独特のリズムを刻むサンバの国でなくては存在しえぬ、イレブンなのだ。
浅草サンバしか知らぬ僕は躍動するあの国のビートを、メディアを通じてしかわかりえないのだけど、
スタン・ゲッツが63年に発表したこのアルバムに、その片鱗を感じることはできる(ような気がした)。
白人のサキスフォン・プレイヤーであるゲッツがブラジルの音と出会った、1963年。
名作、
GETS / GILBERTO が誕生する。
ジョアン、アストラッドのジルベルト夫妻とアントニオ・カルロス・ジョビンの協力の下
ブラジルの民族音楽であったボサノヴァを全世界に知らしめた、Jazz史に残る一枚。
イパネマの娘があまりに有名なこのアルバムを、本来ならば記すべきなんだろうけど。
あれはボサノヴァであって、サンバではない。
だから、
Jazz Samba Encore ! なのである。
末尾に
アンコール!のワードが追加されたこのアルバム、名の通り続編である。
初代
Jazz Samba は、チャーリー・バード( Charlie "BIRD" Parker ではないことに注意 )をギタリストに
迎えて吹き込まれた、初のボサノヴァ・アルバム、と歴史は言うけれど。
僕としては、その後の
GETS / GILBERTO こそがボサノヴァであり、
パート2である
Jazz Samba Encore ! に、ブラジリアン・ジャズを感じるのだ。
もちろん。
アメリカ生まれのチャーリー・バードがラテンのリズムを刻む
Jazz Samba もまた名作ではあるけれど、
ネィティブ・ブラジリアンがサポートする
GETS / GILBERTO、
Jazz Samba Encore ! には、(ブラジルの音という意味において)及ばないのではなかろうか。
この続編でゲッツのサックスと競うは、ルイス・ボンファのギターである。
LUIZ BONFÁ
秀作、
黒いオルフェ、の作曲者。
59年に公開された映画、
黒いオルフェはリオのカーニヴァルを舞台にした哀しき恋愛映画。
狂乱するサンバの街で繰り広げられる貧しい青年と純粋な娘の、オルフェス神話。
この映画を彩る音楽は、ボンファとジルベルトのコンビ。
そうなのだ、彼らにはやはり、サンバの血が流れているのだ。
だから、
Jazz Samba Encore ! STAN GETZ & LUIZ BONFÁ なのである。
6月22日の決戦を前に、このアルバムを聴くべきなのである。
とはいえ、このアルバムもタイトルとは裏腹にボサノヴァであった。
ロナウジーニョの超バランスを理解できるかもしれない、2/4拍子は刻まれていない。
サンバではないけれど。
これからやってくる真夏を、太陽が輝く浜辺を、陽炎が沸き立つ午後の街を。
想うには最高の一枚、クールなボサノヴァなのだ
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Jazz | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2006/06/03 16:00:12