リオの真実

けっきょくジト目のリオは、バセンジーでした。
ミニチュアピンシャーと、よく間違われるそうです。
あぁ〜、それにしてもかわいい。
この人間がオスマシして写真を撮るのとは違って、自然体のままに写っているジト目がかわいくてかわいくて仕方がない。
かわいい犬の前では、さすがに綺麗なオネーチャンも吹っ飛びます。
犬のことはまったく知識がありませんが、個人的には変顔の犬と飼い主にあまり愛されていない汚い雑種の犬が好きです。
変顔の犬は、イングリッシュブルテリア。目が離れているのが間抜けで好きです。
大学生時代に彼女のアパートに向かう坂道の途中にいた雑種の中型犬のごん（新美南吉作の児童文学『ごん狐』より命名。本名は不明）。
代官山のオーダーメイドのバッグ屋のしばふでマスコット犬になっていた、もう死んじゃったけどパグのジル（本名）。
横浜時代に町内に住んでいた巨漢で汗っかきの白いブルドッグのシンバ（ジャングル大帝より命名。本名）。
やはり横浜時代にマンションの道路向かいの町内公園で、いつも日没後に通称『シッ！！おじさん』もしくは『ランニングおじさん』に散歩を兼ねて連れてこられて、おじさんが公園内をひたすらぐるぐるランニングしている間ベンチの上に忠犬ハチ公のように座り、微動だにしようものならすかさずランニングおじさんから、『シッ！！動くな！！』と叱責されてシャキッと座り直していたやたらと不必要なストレスに悩まされていた真っ白な毛並みのいい雑種だと思われる大型犬。呼称、『シッ！！おじさんの犬』（本名は不明）。おそらくストレスによる心労がたたって短命だったことでしょう。
その他、紹介したい犬が二匹。
横浜時代の自宅最寄り駅の相鉄ローゼン前に飼い主が買い物をしている間に表につながれていた白いラブラドールリトリバー。頭を撫でようとすると、『いやぁ〜ん、やめてぇ〜、触らないでぇ〜』とお尻を向けてしまうやたらと人見知りが激しい鬱な犬。
もう一匹は、大雄山時代に南足柄市市役所に向かう途中にいたわさおのような、やたらと手入れされない体毛がもじゃもじゃして煤けていて飼われているのか放置されているのか分からないような雑種の中型犬。本名はデフ。デフとは英語で耳が不自由といったような意味。ただしその犬は耳が不自由ということはなかった。人生を食べることだけに賭けており、飼い主がポリバケツの中からビタワン風の餌を食器に注ごうとすると、待ち切れずに注いでいる最中から食べ始めて、注ぎ終わる頃にはほぼ同時に食器をカラにして、後は食器から餌の味が無くなるまで舐め続けて、それも終わると、ああ、自分の人生はもう終わったよとばかりに意気消沈してふて寝をしていた。