※
交通事故で評価損・減価額を勝ち取るまで 第1章からご覧になっていただけるとありがたいです。
リビングに戻ると、パソコンの前で妻が誰かと電話している。
どうやら、損保会社の本社のようだ。
お客さま窓口の電話受付時間が終了していたため、24時間事故サポートセンターに電話したようだった。
私も怒り心頭だったが、妻も相当に頭に来ていたのだろう。
「やっと帰ったみたいですね、いま主人が戻ってきましたので、本人に代わります。」
そう電話口でやり取りし、妻が私に携帯を手渡した。
クレームを上げるには筋違いであるにも拘らず事故サポートセンターのオペレーターは、事の経緯を聞いてくれた。
そのうえでオペレーターは言葉上、表面上は私の言い分を認めてくれたようで謝罪の言葉をいただいた。
翌日には、こちらの事業所に本社から連絡が行ったようで、事業所の人間から私の携帯に連絡が入った。
表向きは謝罪だが、あくまでも代理店の個人であり、会社としては代理店の変更はできないとのことだった。
どうしても、というならばいったん解約して、新たに加入しなおすしかない、と。
加入しなおすならば、代理店を紹介することはできる、と。
事業所は、代理店の人間が契約を取ってくるから会社が成り立つのであって、力関係でいえば代理店のほうが上なのだろうか。
保険会社のシステムは、私にはわからない。
しかしこれで私は、自身の保障内容に対して代理店を通さず、個人で保険会社と交渉しなければならなくなったのだ。
「解約は、とりあえずしない。○○損保さんとは付き合いが長いし、会社自体への不満は今のところ無い。ただ代理店の人間とそりが合わないだけだから」
こう返答した。こちらは譲歩しているんだよ、悪いのは代理店なんだよ、だから私が納得のいく落としどころを作ってよ、という意思を示すためだ。
表向きは謝罪だったが、事業所内で私は「めんどくさいクレーマー」と思われているのは容易に想像できた。
その後の対物担当のアジャスターと電話での会話でもそれは感じ取れた。
一円でも少なく支払いたいアジャスターと、ここまで来たら修理費用の他に適正な事故減価額を支払ってもらわないと憤りが収まらない私。
なぜ、一時停止無視の高齢者のおかげで、私が悪者となり金銭的な損害だけでなくこれほどの精神的な損害を被らなければならないのか。
事故による首の痛みからくる頭痛かと思っていたのだが、どうやらそれは精神的苦痛からくるものだと想像できた。
怒りと悔しさから、食欲不振と不眠が続き神経科を受診したが、この通院に関してはもちろん保険で補償されることはない。理不尽だ。
しかし、人身傷害については事故当日の通院と、その後の2日間の休暇取得を休業補償として請求するに留めた。
その気になりさえすれば、毎日のように通院して、ずっと「首が痛い」などとゴネ続けて保険金額を釣り上げることもできたのだが
本来の目的はもはや金銭的なものだけではなく、鼻で笑って「そんなもん、出ない出ないwww」とバカにして私の事を失礼で非常識だと罵った、あの代理店のおっさんの鼻を明かしてやるというプライドだ。
査定落ちの減価額を獲得してこそ、愛車の無念を晴らし、理不尽な仕打ちを受けた私のプライドも回復できる、そんな思いで居たのだ。
ディーラーは、修理代車をなかなか手配出来ずにいた。
1割分とはいえ、多めに見積もって10,000円の一割1,000円だとしても、一ヶ月ならば私の負担は30,000円だ。ちょっと痛い。
事業所の担当者から連絡が入った。
「自己負担額もありますでしょうし、レンタカーのランクを下げませんか?」
私に異存はなかったので、レンタカーは3ナンバーSUVから5ナンバーワゴンへと変わる。
しかし今度はレンタカー会社から連絡が入る。
「12ヶ月点検が切れるんで、車両変更して貰えませんか?」
今度は3ナンバーワゴンとなる。
コロコロ変わって、落ち着かない。
修理はメーカーの部品供給が遅く、長引きそうだった。
メーカーの部品供給能力が原因で長引くのはメーカーの責任なので、多少無理矢理にでも修理代車を用意できないか、
1か月分のレンタカー代一割自己負担は覚悟していたがそれ以上はキツイ、とディーラーと交渉すると
プライバシーガラスはおろかUVカットガラスですらない、ドアノブ未塗装の廉価グレードの軽自動車が用意された。
修理代車ということで費用が掛からない以上、文句は言えない。
事故発生から37日目、やっと修理が完了した。
自宅のカーポートのあるべき場所にあるべき車が停まっている光景が、やっと戻ってきた。
事故車、としてケチがついたかもしれないが、価値は100万単位で下がったかもしれないが、あるべき場所にあるべきものがある、これで
まずはひと段落。
残りの交渉は、あとわずかだ。
希望通りの補償が受けられる保証はない。基本的に保険会社のスタンスは「原状回復」だからだ。
代理店を通さず、一人で戦わなければならない。
つづく
Posted at 2014/09/03 22:15:53 | |
トラックバック(0) | 日記