マイカーローン

　初めて車を買ったのが、もう30年も前の話ですが、当時は車を持つのは結構たいへんでした。

　当然、お金がないので月賦、つまりローンを組んで車を買う必要があったのですが、借金ですので支払い能力を審査されたり、担保を要求されたりします。マイカーローンは使途限定で車が担保になるので、普通に借金するよりは安い金利で借りることができたのですが、今のような低金利ではなく、なおかつ長期ローンはありませんでした。

　当時、三菱ランサーセレステが4年落ちで約45万円だったと思いますが、月5万円の20回払いでローンを組んだと思います。表示価格の約、倍の支払総額だったかと記憶しています。一緒に中古車巡りに付き合った知人が未成年のくせに、中古のブルーバードを100万円だったと思いますが、購入するのに月10万円のローンの支払ができるのか他人ごとながらも心配した記憶があります。

　ちょうどドアミラーが解禁された頃だったので、車のデザインがそれを前後して大きく変わりました。ググってみたらドアミラー解禁は1983年の3月とのことでした。シャープで直線的なデザインの車が今風に思えて、それ以前の車はフェンダーミラー、丸目ライト、メッキバンパーという特徴が古臭く感じました。

　車を買う際にも、若者の保険料が0等級のため、割高でしたし、何よりもガソリン価格が高騰していたため、ランニングコストも馬鹿にならない。土地価格も高騰して駐車場が潰されて分譲住宅に開発されている頃でしたので、近隣の駐車場の値段も安くないし、マイカーブームもあって、何よりも駐車場が不足していました。

　いろいろと考えると、今は車自体が安いし、中古車まで含めれば選り取りみどりです。何よりも当時に比べればランニングコストも安い。現代の若者の車離れはとてももったいないような気がします。車って、見て乗って楽しめると思うのですが、昔は他に楽しみの選択肢がなかったのかもしれませんね。若者が集まれば女の子か車の話しか、しなかったですもんね。

　結局、初めてのマイカーは半年で廃車になってしまい、その後しばらくは車なしの生活になりましたので、とても贅沢な半年を過ごしたと思います。でも毎日のように車を乗り回して、彼女もでき、当時オープンしたての東京ディズニーランドや富士山や初めてのお泊り伊豆旅行など色んなところにドライブにも行きましたので、素晴らしい青春時代を過ごせました。そういうお金には代えられない感動を与えてくれたマイカーには感謝しています。