• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2014年11月07日

三菱商事がEV拡販の調査報告書を経産省に提出していた。#4エストニア編

エストニア編

※のところが、私のコメントなので、読む時間がナイ方は、図表とココだけ読んで下さってもわかる様に書いているつもり(^^;
※根拠が「~が言っていた」みたいな程度で、世を騒がせようとする方がいらっしゃるので、原文提示(補足つき)を行っていますので、トータルな文量が多くなっています。
趣旨ご理解賜れれば幸いです。m(_,_)m
※図表は、入力し直しはせず、範囲指定のイメージ複写を行っています。(改竄なんてナシ\(^_^ ))
よって、少々のボケ図は許してください。m(_,_)m

さて、 本調査報告書にある様に、三菱商事はエストニアでの次世代自動車普及政策に関わり、 実証したことの報告書なのだが、 そもそも、なぜエストニアなのか?(^^;

これは、三菱商事のサイトに記載があった。
エストニアから温暖化ガスの排出枠1000万トン分を購入した際に、その支払いの一部をなんと三菱自動車の電気自動車=EV『i-MiEV(アイミーブ)』507台の提供で賄おうというのである。
さらに、EVの普及に不可欠な急速充電器を165台同国内に設置、一般 消費者の購入補助制度も導入することで、エストニアにおけるEV普及に寄与しようというのだ。


※なぜ、三菱商事はエストニアと組んだのか?

エストニアもかつては、ほかの旧ソ連の国と同様、効率の悪い火力発電所がたくさんあった。
けれども、1991年に独立すると、北海道の約半分、人口130万人の小国であるエストニア単体にとって、大半の発電所が無用の長物となった。
こうした発電所を廃棄した結果、CO2の排出量が激減したのである。

2005年に発効した京都議定書で、エストニアは2012年までにCO2の排出量を1990年比で8%減らすように義務づけられているが、 そのための努力もほとんど必要ない。

一方、日本は環境先進国だったことが、こと排出権取引に関しては仇(あだ)となっている。
2008年から2012年の間で、CO2の排出量を1990年比で6%減らすことを義務づけられているのだ。
この削減は、自国で努力するのが原則だが、もともと日本は国際的な ルールができる前から、省エネルギーに取り組んできていたため、既に削減の余地がほとんどない。

他国からの排出権の購入が必須の日本と、文字通り売るほど持っているエストニア。

両国のニーズをつないだのが三菱商事だった。

エストニアと三菱商事が取ったのは、テクノロジースワップという仕組みである。
テクノロジースワップとは、CO2の排出権取引の方法の1つだ。
ひとことで言えば、CO2の排出権と、環境技術が盛り込まれた製品とを「物々交換」できるという仕組みである。

※まさにEV「i-MiEV」とエストニアの排出権枠とを交換したわけだ。
 だが、実効的なCO2削減策が限られる日本でも、経済力だけでなく、技術や製品を活用した手法が生かせることを、実証してくれたと思う。

1. エストニア国における電気自動車普及プログラムの成果の体系化

エストニア政府では、三菱商事株式会社と締結したグリーン投資スキーム(GIS)に基づく排出権取引契約で得た代金を原資として、 同国における電気自動車普及促進プログラムである「ELMO」(Electromobility in Estonia)プロジェクトを実施している。
同プロジェクトにおいては、以下に示す大きく3つの活動を実施しており、本章ではこれら主要活動の状況について、エストニア政 府・関係機関(エストニア経済通信省の外郭団体であるKredex等)からの情報・データ等を整理の上、取りまとめる。
・公的機関でのi-MiEV(507台)利用
・CHAdeMO仕様の急速充電器インフラ整備
・一般消費者向け補助金支給



2.EV/PHEVの普及に関する現状
補助金応募状況の分析 EV普及のための施策の一つとして、エストニア政府はEV/PHV購入補助金を支給している。

補助金の主要目的は
①交通による汚染を減らす
②運輸部門における再生可能エネルギー割合を増やす

補助金対象としては、以下が挙げられている。
・EV/PHVの購入またはリース ・1台当り 1基の普通充電器

補助金申請条件、並びに補助金支給額について以下に示す。






現在エストニアで発売されている車種について価格と補助金額を以下に整理した。
PHVについては、補助金支給条件が電池容量ベース になっていることからPriusは金額が少ないことに注目すべきである。




2014年1月6日時点での補助金利用状況並びにEVの市場シェアについて以下に示す。
これまでに、296件の申請が行われ、259件の申請が認可されている。
よって、補助金を通じて259台のEVが購入されている。
申請数が2013年に入ってから倍増しており、ともに新車販売シェアが上昇している。
2013年Q4に入ってから、EVの市場シェアは1%を超えた。




※補助金ありきでのEV普及ではアルが、この短期間でのEVシェア1%超えは、立派ではなかろうか?
 もちろん、今後の継続性が問われる。

レンタルの利用状況分析

2013年7月にELMOレンタルというカーシェアリングサービスが開始された。
本サービスでは日産Leaf 16台、三菱i-MiEV 8台利用可能となっている。
現在、レンタル場所はTallinnに4か所、Tartuに1か所ある。
レンタル料金プランを以下に示すが、この金額には車両レンタル費に加え充電電力費も含まれており、利用者は燃料費込のレンタル サービスとして利用することができる。




ELMOレンタルを利用するには、インターネット上の利用登録が必要である。
登録後、スマートフォンでレンタカーを予約し、ウェブ アプリケーションで車両の利用開始操作を行う。
レンタルセッション終了後、同じくウェブアプリケーションでレンタカーのドアをロックする。
ELMOレンタルの登録者の推移を以下に示す。
レンタルサービス開始直後は利用登録者が多く、7月には494件の登録があった。その後登録者は減っているが、11月でも200人はいる。
性別でみると、女性より男性の登録者が多い。




省エネルギー効果の分析 本節では、2012年9月2013年10月の13か月間のEV走行による省エネルギー効果について整理する。
当該期間におけるEV総走行距離は下表①に示すように、3,626,236㎞であった。

これをガソリン車で走行したとすると、 下表①×③の613.20tのCO2が排出されることとなるが、EVをグリーン電力で充電しEVのCO2排出原単位を0g/㎞と仮定(※)すると、その差分である613.20tがEV導入によるCO2排出削減効果として評価できる。

同様に、省エネルギー効果についても、EVとガソリン車のエネルギー消費量差分でもって評価することができ、625GJの省エネルギー効果が得られる。

(※)エストニアにおいては、ELMOプログラムで導入されたEVの消費電力については、政府使用のiーMiEV507台、補助金交付した EV/PHVのいずれにおいても、グリーン電力での利用が義務付けられている。
具体的には、政府使用のiーMiEVについては、社会福祉省が走行距離等をモニターしており、消費電力見合いのGreen Certificate を社会福祉省が毎年購入している。
補助金交付先のEV/PHVについては補助金交付の条件として消費電力見合いのGreen CertificateをEV/PHVオーナーの義務としている。




※走行距離のモニターが面倒かもしれないが、実効性の評価には極めて有効な手法と考えられる。
 グリーン電力の普及ともセットになっているユニークな手法ではなかろうか?

2. エストニア国へのEV/PHV導入戦略案

本章では、エストニア国の実施しているEV/PHV導入施策の効果を検証したうえで、EV/PHVのさらなる普及に向けた政策の改善案を策定する。
現在実施中の施策の効果はエストニア側より受領したデータ、具体的にはカーロガ・急速充電器・補助金のデータ並びに整理した一般アンケート調査のデータをもって検証を行った。
さらなる普及施策の改善案は、効果検証で使用したデータの他、第4章にて整理する優良事例やエストニア政府とのディスカッション 等で得た情報をもとに策定した。

2.1 各施策の効果検証 個別の施策効果を検証する前に、エストニアの一般消費者が望ましいと考える施策と実施されている施策が一致しているかどうかを確認する。
整理した一般アンケート調査において、EV普及に当っての有効な施策に対する国民の評価が示されている。
最も多い75.9%の支持を受けた施策は購入補助金であり、続いて、税制優遇、安価な電気料金、路上駐車の規制緩和、充電器の補助金が有効施策とみられている。
このうち、現在実施されている施策は購入補助金、安価な電気料金、充電器の補助金である。
なお、エストニアの場合、法人税は既に優遇されているため、EV普及のための税制優遇措置検討は劣後するとの政府見解であった。 従って、税制優遇を除いた主たる施策は既に実施されているのが現状であるといえる。




※エストニア国民から支持を受けたEV普及施策には、購入補助金、税制優遇、安価な電気料金、路上駐車の規制緩和、充電器の補助金が有効施策ということだった。
 現在実施されている施策は購入補助金、安価な電気料金、充電器の補助金ということだが、きちんと実施している。

2.1.1 急速充電インフラ構築

エストニアは2012年に全国を覆う急速充電インフラ網を構築した。
これは、電欠や航続距離に対する不安を和らげ、EV普及促進のために行われたものである。
急速充電インフラは政府(KredEx)によって運用されているが、現状の稼働状況では事業として成立しづらい状況である。
エストニアにて急速充電網の運営・管理の委託を請けているABBによると、充電インフラの事業化が実現するには1 日6回以上の利用がないと厳しいということであった。
現状、そのような稼働が実現できているのはタルトゥの一部の急速充電器のみであるが、急速充電器の利用自体は堅調に推移しており、今後EVユーザが増加してくれば、事業化に向けた展望も描けてくる可能性がある。
また、現在の急速充電インフラ設置状況については、ユーザは評価していることを考慮すると、課題は急速充電器の配置というよりは、EVユーザ(かつ急速充電利用者)が少なすぎることにあると考える。
次の課題として、EVユーザ、特に急速充電利用可能性の高い長距離ドライブを実施する個人ユーザの増加が挙げられる。


※充電インフラの事業化が実現するには1 日6回以上の利用がないと厳しとされるなかで、EVユーザー増加とのニワトリと玉子的な問題に対して、インフラ整備を精力的に進めている。


2.1.2 購入補助金
エストニア国で提供されている補助金は車体価格の最大半額補助であり、相当大きな支援措置となっている。
認可される補助金申請件数も確実に増えており、2013年4四半期目には61件の認可がおりた。
これは、同期間中に販売された新車の1.4%に相当する数値である。
シェアの観点ではエストニア国がカリフォルニア(1.8%: 2013年1~6月)にさほど劣らず、日本(0.9%:2013年度)より普及が進んでいることを意味する。




補助金の支給により、EV販売価格は相当程度引き下げられており、例えば、日産Leafの価格は:17,450に、三菱i-MiEVの価格は:14,450となっている。
エストニアの一般消費者のEVに対する価格感応度に対する回答結果では、価格が?15,000程度 であれば、半分以上の人はEVを購入してもよいとなっており、補助金支給でi-MiEVはその価格帯に入ってくる。




※ 一般消費者のEVに対する価格感応度が、エストニアでは調べられているが、日本ではどうだろうか?

2.2 エネルギー・環境政策、交通政策との親和性を考慮した各施策の重要度の決定

エストニアにおけるエネルギー・環境政策及び交通政策を俯瞰し、現地の状況とマッチしたEV/PHV普及施策を検討する必要がある。
ここでは、エストニアにおけるEV/PHV普及施策検討に必要な論点を抽出したうえで、現状の評価を行う。
まず、エストニアの基本情報並びに電源構成を以下に示す。






エストニア政府では、2009年に「National Development Plan of the Energy Sector until 2020」を発表しており、 2025年までに最終エネルギー利用における再生可能エネルギー比率を25%まで引き上げる(2005年時点では18%)としている。これは、欧州連合全体の2020年における再生可能エネルギー比率20%を上回っている。

今後、エストニアは、エネルギー安全保障とCO2排出削減のため、電源多様化と再生可能エネルギーのさらなる導入に向かって努力をするとしている。
また、2013年に電力小売市場の完全自由化も達成された。


※石炭火力発電が多いとは言え、再生可能エネルギー比率の向上目標は、極めて意欲的だと言える。

※日本での電力小売市場の自由化は、2016年に予定されているが、2016年。(^^;)
 しかも日本は、エネルギー安全保障施策やCO2排出削減策も策定されていない。
 何しろ、天然ガスやLPガスで作る超高圧水素を使うFCVで、化石燃料依存の解消とCO2排出削減を唱える始末だ。(T_T)
 経済大国の日本が、小国エストニアに及んでいない。・・・情けない。(T_T)

2.3 EV/PHVのさらなる普及に向けた政策改善案の策定
2.2で整理した論点を踏まえ、第4章で整理する先進地域優良事例を参考にしながら、エストニアにおけるEV/PHVのさらなる普及に向けた政策改善案を検討した。検討した施策一覧を以下に示す。




なお、政策改善案検討にあたっては、
・EV/PHVのエンジン車に対する経済性を向上させるための施策
・EV/PHVユーザに対する追加的インセンティブとなりうる施策
・EV/PHV導入に対する規制的施策
・EV/PHVの普及環境整備に資する施策
・エストニア独自の事情に対応した施策 といった観点で、考えられる施策をリストアップした。 これらの観点は、欧州EV導入先進国等の優良政策事例調査から導出した政策パッケージ を踏まえ抽出したものである。


※こうした報告書が、経済産業省に提出されたのが今年(2014年)2月だったが、半年以上経過した現在も、EV普及施策は大して増えていない。(T_T)
ブログ一覧 | 次世代自動車 | 日記
Posted at 2014/11/09 08:32:51

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

仕事車3番機65万キロ達成。
ベイサさん

【掲載記事情報】スタイルワゴン誌に ...
VALENTIさん

雨色の残像
きリぎリすさん

㊗️イイね‼️ランキング 3位🥉 ...
morrisgreen55さん

オフ会に協賛させていただきました~ ...
FJ CRAFTさん

夏は角刈りっしょ!?🤣
S4アンクルさん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「久しぶりのブログ投稿を、スマホからしようとしたら、画面が小さくって(^^;) タブレットも復活(^^;)」
何シテル?   07/28 04:13
ドラゴンです。よろしくお願いします。 ID取得の都合で、DragonSpiritになっちゃいました。m(_,_)m 家族は、 妻・娘・犬2頭・インコ2...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

抗議します! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/01/06 18:17:36
いざ白馬!いろいろ届きました。ヾ(^^ ) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/09/03 21:06:30
EV系次世代自動車を気持ちよく乗ろう! そのために#3 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/08/28 11:24:40

愛車一覧

三菱 アウトランダーPHEV 三菱 アウトランダーPHEV
ターボ車でクルマ生活が始まったもので、タービンが付いていないと、つまらなかったのですが、 ...

過去のブログ

2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation