
夏休み終わったー!
あっとゆうまの夏・・・
あろはー。どうもトライズです。
今回はPバルブの動作と特性について書きます。
前回までのダイジェスト!
大抵の自動車のブレーキシステムにはPバルブ(プロポーショニングバルブ)というものが付いていて、これによっていかなる路面μやあらゆる動作によっても安全に制動ができるように、理想的な前後配分により近いブレーキバランスを実現することが可能になった。Pバルブのシステム自体は機械的なものでABSを初めとする電子制御的な先進技術には及ばないものの、ブレーキの基本性能を決定する非常に重要なファクターである。
Pバルブの特性を理解するために、
Pバルブ搭載車両のブレーキバランスをグラフにします。
サンプルは、S13前期。エンジンが名機CA18のやつですな。
こんなかんじ。
Pバルブの作用によって、加速度(減速度)の高い領域でリアが弱くなるわけですね。
ちゃんとPバルブ付ける前提で設計されているようで、1G付近まで割と理想配分に近いです。
Pバルブの動作をより分かりやすくするため、マスターシリンダ発生油圧を横軸、フロント及びリア側の油圧を縦軸にしてグラフにします。
こんなかんじ。
マスターシリンダ側の油圧が一定圧以上になると、リア側は何割か減圧されて伝わります。
縦横のデータは違いますが、上の制動配分グラフと比べて、グラフはだいたい似たような折れ方になります。
Pバルブの特性を決めえるパラメータは二つあります。
1.スプリットポイント
2.レデューシングレシオ
スプリットポイントは、グラフの折れる点のところ。
スプリットポイント=40kg/cm2の場合、マスターシリンダ油圧=40kg/cm2以下の領域では、
マスターシリンダ油圧=リア側油圧
になります。
2つめの特性、レデューシングレシオは、スプリット以降どの程度リアを減圧するかを決めるパラメータです。
レデューシング=0.4のPバルブの場合、スプリットポイント以降の油圧は、
リア油圧=RR*(マスターシリンダ油圧-SP油圧)+SP油圧
SP=スプリットポイント
RR=レデューシングレシオ
になります。
レデューシングのパーセンテージで、リア油圧をフロント油圧より減圧しますよってことですね。
計算例を挙げると、
スプリットポイント=40kg/cm2
レデューシングレシオ=0.4
のPバルブで、
マスターシリンダ油圧が60kg/cm2の時のリア油圧は、
リア油圧=0.4*(60-40)+40
=48kg/cm2
となります。
日産のPバルブは純正で結構種類があり、SP20kg/cm2-RR0.2、SP30kg/cm2-RR0.4、SP40kg/cm2-RR0.4等いろいろあります。
Pバルブの形そのものも数種類あり、流用不可の場合もありますがバリエーションはかなり豊富にあると思います。
次回、Pバルブの構造とか。かなー。
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駆動ブレーキ足回り | 日記
Posted at
2014/08/19 23:15:38