うーす。トライズッス。
DIYって良いよね!
さて、VTEC(もどき)を搭載しためっちゃ速いNAシルビアを作るという至上命題からだいぶわき道にそれて、近頃めっきりブレーキ屋さんと化していますが、本日も引き続きブレーキの話ですぜアニキ(笑)
今回のネタはマスターシリンダ。
面白いところなので、テンション高めで行きます。
ただ、テンション高いせいで、多少の誇張表現やら妄言やらを含みますw
「マッドなメカニックがまた狂ったことを抜かしよるwww」程度に、ニヤニヤしながら読んでください!
ブレーキチューニングにおいて、キャリパーを大型のものと交換した場合、純正のままのちっちゃいマスターシリンダでは容量が足りなくなる。と言われることがあります。
ここでひとつ申し上げたいことがあります。
いいですか?
ちっちゃいマスターシリンダのままでキャリパーをでかくしても、
容量不足にはなりません!!!
大事なことなのでもう一度いいます。
別に苦労して太いマスターシリンダを手に入れなくても、社外のたっかいのを使わなくても、
マスターシリンダは容量不足にはなりません!!!
むはー。
ちょっとすっきり。
はい。注目。
説明しますよ。よく聞いてください。
S15シルビア、スペックS、フロントブレーキ。
片持ちφ57.2mm×1ピストン ローターφ280mm
これを、ターボ(S15スペックR)用の、
対向4pot、φ40.4mm×4ピストン ローターは同じφ280
に交換するとします。
シルビア大好きな方々にとってはあたりまえかもですが、S15はNAよりターボのほうがマスターシリンダも大きいです。
ちなみに以前のブログ記事を見ていただくと分かるとおり、S15はターボ用キャリパーに交換しても制動性能は大して変わりません。↓
パッド面積とか4potとか
性能はともかく、キャリパーそのものの内部に満たされるフルードの量は、ピストンの多い対向型のほうが多少多いかもしれません。
しかし、よく考えてください。
実際にブレーキが作動する状態では、キャリパーの中は既にフルードで満たされています。
パッド交換直後のような、キャリパピストンが完全に戻されている状態からであれば、1度ブレーキペダルを踏んだくらいではフルードの液量が足りないわけで、何回かペダルを踏みなおして、キャリパピストンを出す必要があります。
ただし、それは、ピストンがすごい戻ってる時の話です。
ブレーキを掛けていない状態、パッドとローターは離れています。
離れていますが、ごくわずかな隙間しか開いていません。
ブレーキを掛けると、キャリパーピストンが動いてパッドをローターに押し付けるように動くわけですが、そのときのキャリパピストンのストロークはごくわずかです。
ごくわずかなストローク。
分かりやすいように1mmとしましょう。
両側のパッドで1mmずつです。
パッド(キャリパピストン)を1mm移動させるために必要なブレーキフルードの液量は、
ピストン断面積×1mmです。
対向4potは、4つのピストンがそれぞれ1mm飛び出すので、
1ピストン断面積×4×1mm
です。
片持ちの場合はピストンは片側にしかありませんが、パッドは表裏合計で2mmの隙間があるのを埋めないといけないので、
1ピストン断面積×2mm
です。
それぞれの体積を計算してみると、
対向4potが、
(π*40.4^2/4)*4*1=5127.58=51.3cm2
片持ち1ピストンが、
(π*57.2^2/4)*2=5139.39=51.4cm2
ほぼ同じ。というか一つ一つのピストンが小径なせいで、体積はほんの少し4potのほうが小さいです。
てことは、逆に4potのほうが、必要液量は少なくて良い????
おやー??
いやいや対向型のほうが剛性が高いから・・・・と思ったあなた!
もいちど考えてみてください。
対向型に比べて片持ちは確かに剛性が低いです。キャリパーが開きます。
キャリパーが開くということは、それだけ余計にピストンを動かさないとパッドを押し付けられません。
てことは、剛性の高い対向4potのほうが必要液量は少ない??
おやあー???
だんだんキナ臭くなってきましたね。
いやそうじゃなくて。まぁS15のブレーキは置いておいてだな。
S15シルビアに、R33とかの大径ローターを使ったらやっぱりマスターシリンダもでかくしないとダメだろが。と思ったあなた!!!
くどいようですが、もいちどよく考えてみてください!
ローターをでかくするということは、その分パッドを弱く押し付けても同じ制動力が得られるということです。
てこの原理ですな。
パッドの押し付け力が弱くていい=キャリパーの歪みが少ない=キャリパピストンの移動量が少なくて済む。
つまり、ローターがでかいほうが必要液量は少なくて済む!
おやー!?!?
えっと。
イライラさせてすみません^^;
ま、つまり、キャリパーやローターを大きなものと交換したとしても、送り出す液量はそんなに変わらない。むしろ減る方向にあるんですよね。
マスターシリンダーが1回のストロークで送り出せる油量は、当然細いマスターシリンダーのほうが少ないですが、それでも4輪分のキャリパーを動かす液量分はちゃんとあるってことです。
※もちろん、もともと付いているマスターシリンダよりも細いものに交換するとか、極端に液量を消費するシステムを組むとかだと足りなくなるでしょうけれど、それはおいとくとして。
とはいえ、大型のキャリパーや大径ローターに交換した場合、マスターシリンダも大径のものに変えるのがセオリーです。
実際、マスターを大径化してブレーキフィーリングの向上を経験した方もおられるでしょう。
逆に、キャリパ&ローターだけ大型化してフィーリングの悪化に悩んでいるかたもおられるでしょう。
つまり、マスターシリンダの大径化の意味は、容量(液量)アップではなく他の意味があるってことです!
つづく。