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イイね!
2014年11月08日

Y32マスターシリンダ流用

Y32マスターシリンダ流用 はいどーもー。

先日のニューブレーキセットの実走テストは、イマイチな結果に終わりました。

結構気合入れて前後のキャリパーを決定したのに、リアが強すぎて先にロックしてしまう!なぜだ!





勘の鋭い方は既にお気づきかと思いますが原因は、そう、Pバルブです。

Pバルブの解説についてはこのあたりからどうぞ↓
Pバルブについて1



F50キャリパーの流用を計画した当時、ブレーキは前後バランスの改善が最優先事項と考えていたため、とにかくキャリパ前後バランスそのもの(Pバルブが作動しない領域の前後バランス)を理想に近づけることに執心しておりました。

ですが、スプリットポイントの作動点にはあまり関心が払われず、どうせ純正状態とそんなにかわらないだろうと考えていました。前後バランスはあくまでも比率なのだから、純正で0.6G付近でPバルブが働き出すなら、バランス変えても0.6G付近がスプリットポイントになるだろうという甘い考えがあったわけです。



しかしここに落とし穴がありました。
Pバルブの作動点(スプリットポイント)はあくまでもブレーキシステムの油圧なわけです。
車体を軽くしたり、ローターをでかくしたりすれば、当然小さい油圧でも車を止められるようになるので、かける油圧が同じであっても、減速度(発生G)は大きくなります。

そこで、スプリットポイントをどこに持ってくるか(通常は、0.4G~0.7G制動が行える付近に設定し、それよりも高い制動Gが発生する領域=前後荷重移動が過大な領域でリアの制動力を下げるのが効果的)は、車重と、ブレーキシステムそのものが発生しうる制動力から油圧を逆算して計算しなければいけません。







改めて、S15のブレーキバランスを油圧でグラフにすると、こんな感じになります。




この条件では、フロント油圧(マスターシリンダ油圧)が75kg/cm2付近で1G制動を行える計算になります。


スプリットポイントの油圧は40kg/cm2で、この圧力を前後ブレーキにかけて得られる制動力を加速度として表すと、発生Gは0.6G付近です。








油圧配管ならびにブレーキホースの耐圧には限界があるため、1G制動時(タイヤを目いっぱい使ってブレーキングする時)のブレーキシステム油圧は大体どの車両も似たような値になるように設計されているはずですなんですがー。






チューニングカーのような軽量化かつブレーキの強化された車では話が変わってきます。





改めて、VEシルビアの油圧を計算して見ると・・・・

車重がドライバー含めて約1150kg

Fブレーキ、Rブレーキ共に大型のものに変更されている・・・・

Pバルブは純正と同じSP40kg/cm2、RR0.4



1G制動時のマスターシリンダ油圧は、

53kg/cm2 !



だいぶ低いです。
スプリットポイントが40kg/cm2だと、計算上は0.8G以上でないとPバルブは働きませんw

もともと0.5G付近でPバルブを作動させるつもりで前後のキャリパーを決めたので、下手をするとPバルブが開く前にリアタイヤのロック限界を超えているかもしれません、、


※ブレーキセット案2のグラフとも比較してください。
S15ブレーキセット案2





いやーこりゃだめだわwww

ブレーキの大型化で、ブレーキシステムの油圧そのものがこれほど変化するというのは盲点でした。

システムの耐久性から言えば、油圧が下がるのは大歓迎なのですが、ちゃんと計算するのは大事って事ですな。



計算ミス反省。





さて、そんなこんなで白羽の矢が立ったのが、Y32セドリックのマスターシリンダ。

いくつか種類がありますが、TOKICO製、16/16インチ、PバルブはSP30kgRR0.4のものを選択。

シルビアのPバルブと比べると、レデューシングレシオは同じで、スプリットポイントだけ低くなります。
ついでにマスターシリンダ径も1サイズ大きくなり、これでブレーキのONOFF感が少しでも減らないかなーというもくろみ。



リザーバータンクはシルビアのものと形状が違うので、引っこ抜いて移植します。



左がY32、右がS15用。
フルード残量センサーのコネクタ向きも違う。



ちなみに、前回テストした時(S14マスター)のブレーキバランスと、Y32のマスターシリンダに変更後のバランスグラフがこちら。

フロントブレーキ:ECR33
リアブレーキ:F50
パッド:ENDLESS TypeR
車重:1150kg





いやーひどいwww



さー改めてテストテストー!!
ブログ一覧 | 駆動ブレーキ足回り | 日記
Posted at 2014/11/17 22:26:03

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この記事へのコメント

2014年11月18日 0:15
はじめまして。
私自身、とても似たような検証をしてブレーキの仕様決めをしてきたことや、
現在作成途中の車両が、RNN14ヘッド+DI仕様でということもあって、
VEスワップネタにも被る部分が多く、勝手に親近感が湧きコメントした次第です。

前後配分は、調整式のPバルブである程度満足できるところに持っていけていますが、
私も軽量化+大径ブレーキに合うサーボ比のブースターがみつけられず、踏力と減速度の
マッチングという部分で未だに満足できていません。
(どうしてもブースターのサーボ比過大からくるカックン系ブレーキフィールを払拭できません・・・)

日産もダイヤフラムのサイズが同様でも、サーボ特性は機種毎に異なると思いますが
マニュアル等への記載がないので、車重・ブレーキサイズ・マスターシリンダー径・ダイヤフラムサイズ
からサーボ比を予測して入手し、実際に試すしかないのでなかなか難しいですね。。。
ちなみに私も現在S14用を使っています。
もっと低いサーボ比のもののがあればよいのですが・・・

ちなみに情報共有ですが、ウィルウッドのPバルブを使用するにあたって、特性を実測したことがあります。
お察しの通り減圧特性(RR)は固定で、折れ点(SP)が変化します。
日産純正によくある0.4より多少強い減圧特性ですので、極端にリアの仕事率が高い
組み合わせでは、1G付近を合わせると中間域でロックしてしまうと思いますが、
前後配分にこだわる方にはお勧めです。

これからもお邪魔させていただきたいと思います。
コメントへの返答
2014年11月18日 19:44
takaさん
コメントありがとうございます。

マスターバックのサーボ比については、私も最近までかなりの試行錯誤を繰返していました。
倍率のデータが公開されていないのと、マスターバックそのものの構造が割と複雑なのが苦しいところですね。

現在、ブレーキフィールの改善についてはそこそこの成功を収めたので、今後ブログで紹介したいと思います。
先にネタバラシをしてしまうと、マスターバックはK11マーチ用を使いました。サーボ比を実測する装置は無いので感触としてですが、シルビア系を5倍とすると、マーチは2~3倍くらいのようです。
また、これもまだ確定ではないですが、どうもダイヤフラム径とブースター倍率(サーボ比)は直接的には無関係な気がします。

ウィルウッドのPバルブについて、貴重な情報をありがとうございます。
RRが、0.3台だとすると、重心高が高めorフロントヘビーな車と相性がよさそうですね。

今後ともよろしくおねがいします。
2014年11月18日 12:19
もうね、途中から何言ってんのか理解できない笑
でもこーゆーのを地道にやるのが大切だよね!
自分も前後ブレーキ配分には困っているので、やってみよーかな。
まずはちゃんと数学できるかが問題だ笑
コメントへの返答
2014年11月18日 19:58
おっかしーな。ジャンプで言うとワンピース並みにわくわくが止まらない内容のはずなのにw
ブレーキバランスに不安が無くなれば、他のセッティングを詰めるのも楽になりますからね。
ぜひぜひ、やってみてください!
2014年11月18日 22:39
レスありがとうございます。
仰るとおり、ダイヤフラム面積は最大アシスト力のちがいであって、サーボ比は別ですね。
同じ7+8インチタンデムでも、32と14ではかなりサーボ比は違う印象です。(実測してませんが)

サーボ比は内部のバルブやスプリングとかで決まるものなので、正にブラックボックスですね。

最も、大きなアシスト力が必要ゆえに、大きな面積のダイフラムを採用するので、ダイフラム面積とサーボ比にある程度の相関関係があるはずでなので、Q’Sのシングル9インチを試そうかと思っていましたが、k11とは思いも寄りませんでした。。。

k11のレポート楽しみにしております!
コメントへの返答
2014年11月18日 23:45
がんばって更新します^^;
マスターシリンダうんちくをちょっとだけ挟みたいのでしばらく後になるかもですが(汗

7+8タンデムだとS14用はM195Tでしようか?今回のテストで使っているのがまさにそのM195Tです。フィーリングはいまいちでしたけれど、、

ブースターの最大アシスト力は、(1G発生時油圧が一定だと仮定した時)マスターシリンダ径の大きさに比例すると思います。ABSの導入やMCストローク量の是正のためマスターシリンダが大径化したことで、必然的にマスターバックのアシスト容量も大きくなったのかもしれん。

また、S15シルビア用の世代になると、マスターバック自体にブレーキアシスト機構とやらが付いてきます。ここまでくると、もうサーボ比がなんなのか訳が分からなくなってきますね(笑)
2014年11月19日 8:05
>ABSの導入やMCストローク量の是正のためマスターシリンダが大径化したことで、
>必然的にマスターバックのアシスト容量も大きくなったのかもしれん。

これまさに大正解のようです。
(日産ではないですが、ブレーキの機種開発やってた友達がそういっていました。)
僕は有識者に聞いちゃいましたが、独学でここまでたどり着くとは素晴らしいですね。脱帽です!

ABS導入でもモジュレーター内のフルード量が増える

液損が増えてストロークが増す

ペダルレシオを小さく&シリンダー径を大きくして、ストロークを減らす

大きなアシスト力が必要なため、ダイヤフラム面積が大きいブースターが必要

という流れだそうです。

尚、S14用をつかっていた理由はブレーキアシスト機構がないからでした。
ある程度踏んでくとサーボ比が増すのが何ともいやで・・・
K11も無いなら、トライズさんの真似してみたいです(笑)

マスターシリンダーのうんちく含め楽しみにしています。
コメントへの返答
2014年11月19日 13:18
ありがとうございます。

私もいろいろな文献を漁ったり、他のメカニックと相談したりしながらやっているだけですので、自力でたどり着いたわけではないですけれどね^^;

実際、書き上げたブログ記事の記述やデータも、中にはとんちんかんなことを書いている部分もあると思います。

上のコメントへの返信も、打ち込んだ後になって、
「でも、結局サーボ比が大きくなるってことは最大アシスト力も大きくしなければならないわけだから、ダイヤフラム面積とサーボ比は確かに相関関係あるはずで、コメントに含めればよかったかな、、、」とか、後から悩んでました。

ブースター倍率は、油圧計と踏力計があれば実測できるのですが、だれかやったひといませんかねぇ・・

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