BSR33 キャブレター オーバーフローのトラブルシュート
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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考えられる原因は、
1,ニードルバルブのシール不良
2,ニードルバルブの動作不良。(引っ掛かり)
3,フロートの浮力不足(部品不良)
4,フロートのH寸法の狂い
この位かな?
写真はフロートをガソリンに浮かせている所ですが、沈み過ぎているようにも見えますが浮いてはいます。ニードルバルブが悪いのかな??
ですが釈然としません。
ニードルバルブの引っ掛かりは再現が難しいので、フロートの不良の面から攻めたいと思います。
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フロートの浮き上がり具合を正確に確認するため、ニードルバルブの引っ掛かりの可能性の除去のためにニードルバルブを抜いてからフロートを組み込みます。
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お手製の治具にセットして、フロートが接触していない事を確認してからガソリンを注ぎます。
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ガソリンを容器のフチギリ迄入れましたが、フロートが少ししか浮き上がりません。。
ニードルバルブは抜いてあるので引っ掛かりでは無いと言えます。
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H寸法を測ると20mm程あります。
揺らすとフロートがユラユラとするので一応浮いてはいるようです。
BSR33のH寸法は油面が1~2mmの時に12.5~13.5mmなので、7mmくらい浮き方が足りません。これでは幾ら調整してもオーバーフローが止まらない訳です。本来であればこの状態でH寸法は12.5mm以下に成らなければなりません。
トイレのタンクのフロートの浮きが弱くなって、タンクへの給水が止まらずにオーバーフローして水が止まらなくなってしまうのと同じ状態に陥っていました。
原因はフロートの不良でした。
樹脂製のフロートは悪く成る事は無いと聞くのですが、実際に確認した所では浮力が弱くなるトラブルが発生するようです。フロートの中にガソリンが溜まっている訳でも無く、不思議です。
しかもこのフロートはそんなには古く無い様に見えます。古いのはもっとガソリンの色が入ります。←中国製の安い奴とかあるのかな?
作業中に樹脂からガソリンが抜けて何か悪さをするのか?、もしかすると燃料に混ぜるクリーナー的なケミカルが悪さをするのカモ? 知れませんね。←都市伝説
と言う事で私的には
1、時々、油面の確認が必要。
2、キャブ車への燃料ケミカルの使用はお勧めしない。
と言う事かな
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〜追記〜
めでたし,めでたし,と思いましたが、続きがありました。
フロートとニードルバルブを新品に交換しました。調整せずにH寸法を計測すると13mmとなりました。ガソリンを通した所、実油面はオーバーフロー一歩手前の合わせ面から上に6mm程になりました。(頭の中が???で一杯になり写真は撮り忘れました。)
そこでH寸法を19mmまで高めて実油面計測を行った所、
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実油面0mmまで回復?出来ましたが、、、
H寸法の基準13mmの所で、今回19mm合わせなので極端すぎます。
こういう極端な事をしないといけない時には何か間違いがある事が多い。。
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勘案すると、2001〜2002年の BSR33-3HTCキャブと、2003~2006年のBSR33-3HTFキャブで油面が変更になっていると考えられます。
写真は3HTCのサービスマニュアルです。
実油面
3HTCキャブ →1~2mm
3HTFキャブ →A4~5mm
※Aは合わせ面から上にと言う意味っぽい。
H寸法
3HTCキャブ →12.5~13.5mm
3HTFキャブ →12.5~13.5mm
と言う事になるのかな?と思います。
フロートとニードルバルブは共通部品なので本体側が違うのだと思われます。
※未確認情報です。YAMAHAはサービスマニュアルの誤記が多いので、マニュアルも極論ではあてにならないので注意です。
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気を取り直してH寸法の調整からやり直し。
何度か調整して最終的に15mmに合わせました。
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結果、実油面4.5mmに合わせることが出来ました。
※純正部品をサービスマニュアルの値で組むと、実油面は少し高めになる様です。
実油面が合わない原因はデータの取り違いが原因でした。
で、オーバーフローの原因は?
→H寸法は正確に合わせていたので原因ではない
→フロートの浮力不足?
→ニードルバルブのゴミ嚙みは確認したので引っ掛かり?
今回の調査では正確に原因を突き止める事は出来ませんでした。と言うか疲れたのでここでおしまい。
どちらにしてもトラブル無く長期間好調を維持する為にニードルバルブとフロートの交換でOKかな。
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ここからは作業中にポイントになるポイントです。
ポイント1
実油面を測る上で水平の確保は重要ですが、最終チェックとしてキャブの前端と後端とで油面の位置を見て高さが同じであれば水平を確認することが出来ます。建築で言うところの「水盛り」ですね。水準器を用意しなくても水平が確認出来ます。
今回はフロートチャンバーを留めるネジ穴の方の部分(合口から丁度5mm)を目印に確認しました。反対側も確認すると水平が確認出来ます。最終的にジェットの位置の油面が重要なのでホースはジェットの位置に合わせると良いと思います。
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ポイント2
実油面の確認の時にホースにエアを噛むとその分だけ実油面が低く出る様です。なのでエア嚙みはNGになります。
ホースの口にフッと息を吹きかけると上手い具合にエアを抜く事が出来ました。
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