月が~出た出た~♪
月が~出た~♪(ヨイヨイ)
ウチのお山の~上に~出た~♪
あんま~り~煙幕が~高い~ので~♪(ア、ヨイショ)
さ~ぞ~や~お月さん 煙た~かろ~♪(サノヨイヨイ)
まだ盆踊りシーズンではありませんが、おばんでございます。
秋田ではフキノトウが咲き始めたり、桜も咲きそうになっているところもあります。
そういえば、今はスイセンも咲いていましたね。
いつもならこの時期はばっけ味噌(フキノトウの味噌和え)を買いにどこかへ行くのですが、今年はちょっと足を伸ばして色とりどりの花を見に行ってきました。
秋田で花見とはいっても桜はおろか、ほとんどの花はまだ咲いていません。
ならば何の花を見に行ったのか?
それは、
花は花でも、夜空に咲くほうの花(火)です。
大曲で3月19日に行われた冬の花火大会に行ってきました。
本当の花見ではありませんが、同じ花?ということでお許しください(;^ω^)
まだ脇に雪が残っている道路を通って会場の大曲ファミリースキー場のふもとへ到着。
スキー場に繋がる所々が通行止めにされていたため、駐車場から会場まではちょっと遠かったです。
開始が18時20分で、自分が駐車場に着いたのが18時40分過ぎ。
少し急いで会場に向かっていると、歩いている途中で花火が上がりました。
「もう始まってる!」と思いながらようやくスキー場に到着。
観客席にはイスが置かれており、そこで皆さん座って花火を見ていました。
観光バスがそこかしこに駐められていることから、おそらく県内外からツアーで見に来た方もいらっしゃったのでしょう。
自分もそれにならって花火を見ながらカメラの電源を入れようとしたのですが、カメラがまさかの電池切れ。
そういえば近頃全く使ってなかったことを思い出しました。
仕方ないので携帯で撮影することに。(※画像は動画をキャプチャしたものです)
肝心の花火はこんな感じでした。
しかし・・・・・・
すぐに煙幕で見えなくなりました。
これはひどい。
そこかしこから「これじゃ見えないよ〜(´Д`;)」という不満の声が聞こえてきます。
南は九州、北は北海道まで集まった花火師の新作花火の発表会ですので、一度に上がる花火は基本的に数発ずつであり、花火が上がる前に花火師ごとに花火の説明や紹介がなされます。
そのため、各人の花火の間に少しのインターバルが入ります。
しかしこの日は風もあまり吹いていなかったため、そのインターバルで煙幕が晴れることもなく発表会が進行していきました。
いつか煙が晴れるんじゃないかと思いながら見ていたのですが、しまいには花火どころか、ほとんど音しか聞こえなくなりました。
隣にいたカメラのおじさんも「こんなんじゃ写真になんないよ」といった不満げな表情。
テレビの撮影で来ていたカメラマンたちも観客席くらいしか撮るものがありません。
せっかくこの日のために集まった花火師たちも、人に見てもらわないと何のために花火を作ってわざわざ大曲まで来たのかがわからなくなってしまいます。
この日は気温が低く、ましてや夜なので一層寒かったです。
寒いうえに花火も見えないので、後ろ髪を引かれつつも途中で抜けることにしました。
どうせ今年がダメでも来年があるんですから。
しかしせっかくだからということで、帰る前に寒い体を温めようと一度屋台に寄ってみました。
アナウンスではJR東日本の間幕花火をやると言っていましたが、結局は見えないだろうと思っていたので、もう完全に聞き流していました。
そして上空が今までよりも強い光に覆われ轟音が響いたので、「明るい?なんかおかしいぞ?」と思いつつ見上げてみると・・・・・・
あれ?はっきり見えるぞ?
観客席からは見えなかったのに。
この状況に少し戸惑いながら少し考えてみると、
おそらくこんな感じになっていたのだと思います。
立ちっぱなしで見ることにはなりますが、最初からこっちに来ればよかったんだなぁ(^_^;)
何はともあれ、これではっきりと花火が見れるようになりました。
その後は色々な花火を見ながら録画していたら、もう最後になってしまいました。
トリとなったのは秋田県立大学。
打ち上げ前の紹介によると花火の材料に木炭を使用したとのことで、木炭は燃やすと暗い橙色の光を放つそうです。
これを聞いてちょっとした疑問が持ち上がりました。
『炎色反応』って覚えていますか?
銅やカルシウムなどを火にかけると火の色が変わる現象でしたね。
自分が覚えている限り、たしか木炭(炭素)やマグネシウム、ベリリウムは炎色反応を示さないはずです(炎色反応の定義にあてはまらないため)。
一般的に花火で木炭を使用することはあるようですが、この場合炎色反応による着色が主目的ではなく、あくまで炎色反応を示す金属元素であるリチウムなどをよく燃やすための“つなぎ”みたいなものとして火薬に混合させていたと記憶しています。
木炭はすぐ燃え尽きるわけでもないうえ、リチウムなどの炎色反応を起こす物質よりも燃焼温度が高いため、燃焼の促進剤として使うには都合がよさそうです。
ここまではすぶの素人の自分でも知っていることなので、花火を作った、企画した学生さんがこれを知らないという可能性は低いでしょう。
それでも木炭の燃焼色(炭素の燃焼色は赤)を前面に押し出してきたということは、木炭を使用する、または燃焼させる割合を通常の花火よりも多くすることで色もさることながら、火の持続時間を利用した花火を打ち上げるつもりなのではないかと予想できます。
(演出構成が)出来ておる楠、学生さんは(^ω^)
ここまで思っていたところでどんなものに仕上がったのか期待に胸を膨らませて上空を見てみると、
三味線か何かのBGMと共に確かに暗いオレンジ色で長い間燃え続けていました。
おそらく木炭自体の燃える時間が長いため、こうしてススキの穂のように線を引く花火ができあがるのでしょう。
そして、他との大きな違いは最後に光らずそのまま消えるところだと思います。
他の花火師たちは木炭を炎色反応の“つなぎ”として使っているため、燃え尽きる直前で炎が炎色反応を起こします。
しかし、県立大学のは光らずにそのまま消えていきます。
その後は大体3~4分くらい打ち上げ続けてから、
締めには火花が雪のように落ちてきました。
これで全てのプログラムが終了し、皆さんに混じってぞろぞろと帰りの帰路に就きます。
「雪と花火を一緒に見ることって今までなかなかなかったなぁ」なんて思いながら駐車場まで戻ると、来た時はほとんど満杯(40台くらい?)だった駐車場がガラガラ。
自分の車を含めて3~4台くらいしかありません。
おそらく見れないからということで早めに帰ってしまったのでしょう。
今回見れなかった方々は残念でしたが、来年、もしくは来月の春花火では天気がよくなって花火がよく見えるようになってほしいです(´・ω・`)
4月29日(金)には国際花火シンポジウム(通称:春花火)が行われる予定です。
今回の冬花火は無料で見れましたが、春花火は有料(チケット制、4月22日いっぱいまでの販売)となっております。
特別プログラムでカナダの花火も見れるそうですよ(^ω^)