
後進の育成や高齢者ドライバーのスキルアップなど教える役割が最近増えていた奴田原文雄選手。
「教えると自分が減る」と言いますが、前半戦の成績も振るわなかったので、もうこのまま引退してしまうのかと考えたファンもいたのではないでしょうか。
しかし!そんな心配を吹き飛ばす快走を「ラリーカムイ」で見せてくれました。弟子の大竹選手もJN-2クラスで総合優勝を獲得。
突如として速くなった奴田原選手を始め、グラベルで急上昇した選手も多く(その逆もあり)たくさんの異変が起こったラリーカムイ。
リザルトから「もしトラブルなく普通に走ったら誰が速かったのか」をレースペース順位として算出しました。
●算出方法
・ペナルティやタイム加算カット(lo)
・55位以下の成績カット(lo・選手権対象が54台のため)
・リタイヤカット(re)
・最低順位カット(bo)
・残った順位の平均値を計算
・小さな赤文字は全体順位
【JN-1】レースペース順位
1位の奴田原文雄/東駿吾組はロングコースで特に速いペースを見せて総合優勝。他を寄せつけない強さをグラベルで発揮しました。他の選手のマシントラブルに助けられた部分もありますが、安定して速かったのは奴田原選手だけでした。
2位はコバライネン/北川紗衣組。ショーコースでは速いのですが、勝負となるロングコースでは奴田原選手に及ばず。しかし苦手とするグラベルで2.2位のペースはさすが。ドライブシャフトの破損もダメージを恐れず攻めた結果だったのではないかと思います。
3位に鎌田卓麻/松本優一組。正式順位でも2位を獲得し、SS1位も2本取っているのでペースが本物になってきた感じ。課題は2日間の競技のうち、いつもどちらか1日の成績が低いことでしょうか。今後は戦略に加えて臨機応変さも求められるかもしれません。
9位の新井大輝/立久井大輝組は整備不良に泣かされる結果に。もうこれ以上のミスは許されないのでダブルチェック、トリプルチェックを徹底して欲しいものです。
【JN-2】レースペース順位
1位の内藤学武/大高徹也組は最終的にリタイヤに終わりましたが、ようやく見せてくれた速さに期待が持てました。2日目はちょっと欲が出てしまったかもしれませんが、ペースには手応えを感じているのではないでしょうか。
2位には松岡孝典/坂口慎一組がランクイン。旧車とも言えるGRBで健闘しました。ラリー飛鳥ではオープンクラスながら全体7位に入っているのでポテンシャルはまだまだ高そう。異端児扱いですが残り3戦のどこかに出てラリー界(特にSUBARUワークス)を刺激して欲しいです。
わずか0.2の差で3位の石川昌平/大倉瞳組。シーズン前半は中位に沈んでいましたがここに来てようやく結果が出せました。レースペース推移で見ると超右肩上がり!ラリーカムイが起爆剤となるといいですね。
ターマック戦の主役だった3組、三枝聖弥/木村裕介、小泉敏志/村山朋香、貝原聖也/藤沢繋利組は6、7、8位と下位に沈みました。三枝選手は初日全く走れず、小泉貝原両選手はグラベル初参戦だったこともありペースが上がりませんでした。
でもXの投稿を見ると何か楽しそうでいい感じです。次戦に期待!
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【運営について】前回ブログでコース解説をお願いした北海道のれいぽんさんより
スーパーSSは野球場ではなく資材置き場のような場所に設営したのでコースの広さが足りずレイアウトも短めだったようです。
スーパーSSの設定自体は多くの人に実際に足を運んでもらいラリーを知ってもらうという部分では必要だと思います。中学生以下の入場を無料にしたりと続けて行って欲しい良い部分もありました。
来年以降はラリー競技のスピード感や選手の信じられないようなテクニック、マシンの迫力などの魅力がより伝わるように改善していって欲しいです。
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【JN-2・MCC】レースペース順位
モリゾウチャレンジカップの1位は大竹直生/橋本美咲組。驚くのは全体でも8.7位に入っていること。過去4戦の最高位が三河湾の12.0位だったので一気に3.3位上げたことになります。
2位のジョーンズ/トムソン組も12.5位と大きくペースアップ。本当はもう少し速いペースを期待してましたが何か歯車が合わない感じでコースアウトリタイヤに終わりました。
3位に長尾綱也/安藤裕一組。ターマックでの低迷が嘘のように快走し表彰台も獲得。ジョーンズ選手に1.0差となかなかの走り。新コース「サンフラワー」での連続8位はお見事!
MCCはカムイで全体にペースアップ。大竹選手はJN-2全体でも優勝を果たしました。今回グラベルということで他のクラスと同じグラベルタイヤが履けたのではないかと見ています。
もしそうならタイヤ一つでこんなに速くなったということ。非MCCのJN-2選手は要注意ですね。
【JN-3】レースペース順位
1位は山本悠太/立久井和子組。11本中10本でクラストップタイムを出しながら最終的に2位と44秒差と差は控えめ。昨年リタイヤした反省からかダメージを抑える走りをしたと思われます。憎いです。
2位に上原淳/漆戸あゆみ組。SS6オーキッドショートでトップに0.5秒差まで迫るなどクラス2位を7本とる速さを見せました。あと一歩が惜しいシーズンが続いています。
3位に地の利を活かして加納武彦/萱原直子組がランクイン。一時最下位まで落ちたもののSS9/11ニューサンライズで連続2位に入るなど挽回しました。
ちょっと気になるのが5位の山口清司/丸山晃助組。ラリーが進むにつれて順位を落とし最終的にリタイヤ、5戦終了してのレースペース推移は右肩下がりと調子が出ません。マシンが限界?
【JN-4】レースペース順位
1位の藤原友貴/宮本大輝組はSS3でコースアウト、デイリタイヤした以外はクラストップタイムを記録しました。
初グラベルにも関わらず大活躍ですが、全体順位27.0位は実は平凡で、上位クラスをおびやかす程ではありません。コースアウトのダメージが残っていたのかもしれません。
マシン不調の2位高橋悟志/箕作裕子組はさらに遅れて全体32.4位。ペースでいえば完敗に近く、鮫島選手に迫られる場面もありましたが、クラス優勝を死守しました。
3位にはわずか0.3位の差で鮫島大湖/船木佐知子組がランクイン。初日の22.9秒差を一時2.4秒差まで詰めましたが逃げ切られてしまい悔しい結果となりました。
【JN-5】レースペース順位
1位松倉拓郎/山田真記子組の速さが際立ったJN-5。全体25.7位はJN-4を飛び越え、JN-3クラス三位に相当する速さです。デミオからヤリスに乗り換えてもその速さは健在で、ウニウニとリアを滑らせながら快走しました。
2位の河本拓哉/有川大輔組も善戦しほとんどのコースで2位に入りましたがペースで4.8位、タイムで1分26秒の差をつけられてしまいました。次戦ラリー北海道では耐え忍んでミスを待つしかなさそうです。
3位小川剛/山本祐也組は開幕当初こそ河本選手を追う勢いでしたが徐々に後退。トップからは2分56秒と大きく水を開けられています。
シーズン前半注目していた中溝選手はヴィッツに乗り換えヤリスを温存。こちらもターマックに戻るまで我慢です。
【JN-X】レースペース順位
1位の天野智之/井上裕紀子組が旧仕様車アクアに戻したのに異常に速かったJN-X。グラベルこそRAV4じゃないの?と言いたいところですが、これだけ速かったら文句も言えません。水を得た魚といったところでしょうか。
2位清水選手から海老原選手、中西選手まではレースペースが似通っていて2位争いは熾烈でした。インプレッサの木村選手は相変わらず苦戦中。
次はラリー北海道でカムイと同じくグラベルラリーです。すでに
コースも発表されています。
新井大輝選手やコバライネン選手、内藤選手や高橋選手など雪辱に燃えるドライバーがたくさんいるのでどんな戦いになるか楽しみです。
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Posted at
2025/07/13 23:03:10