ドライブイン白雪。～白雪姫とシンデレラの靴～

三ヶ月ぶりに訪れた先日、閉店していた ドライブイン白雪。
たったの３回しかお店へ行っていなかったのに、余程楽しい時間を過ごせたのでしょう。
心にポッカリと穴が空いたようでした。
私事ですが、10年程前にマンション探しをしている時、ベランダから大好きな富士山が見える事が一つの条件でした。
今日も、我が家から約100キロメートル程の御殿場市そして 「ドライブイン白雪」に思いを馳せます。
お店が営業していなくても、奥様は居る。
近々行ってみよう！
また逢おうね！って、約束したし。
えーと、えーと！卒業式と言えば「花束」。
しかし高齢の奥様に生花は逆に手を煩わせてしまうだろう。
うーん。
プリザードフラワーにしよう！！
あまり高価なものは逆に気を遣わせてしまうだろうし…。
これだ！！
女性は歳をとってもやはり「レディ」です。
シンデレラの靴に可愛らしいプリザードフラワーがあしらわれている置物にしました。
可愛いシンデレラの靴が届きました。



シンデレラの靴とスイートポテトを丁重に助手席へ乗せて再び御殿場へ。
その前にエボコは朝マヅメ。

一か八か、不在だったらどうしよう。
不安が脳裏を過ります。
事前に約束を取れば確実ですが、そうすればきっと奥様はやはり気を遣うでしょう。



白雪の駐車場から電話をかける。
出た！居た！！
再開を喜び、ハグ。
逢いたかったぁ。
「よーく来たねー。逢いたかったよー。有り難うねー。」
私より更に小柄な奥様は、背伸びをして頭をナデナデしてくれました。
ネガティブな言葉は禁句です。
「卒業、おめでとう♪」

裏口から店内に案内され、いつも通り古いながら小綺麗に片付けられたテーブルにつく。



いつもと同じ光景です。





調味料、カトラリー類が一ヶ所に纏められ、スタッフさんからいただいた胡蝶蘭がテーブルに置かれている以外は。



「お茶飲むかい？お餅焼こうか？」
「嬉しいねぇ。また逢えて嬉しいねぇ。」

奥様はずーっと途切れることなく喋り続けます。
淋しいんだろうなぁ。
昔の思い出話、生い立ちなど遠くを見つめながら話す姿は、この世に生を受け94年間の重み…いや、神々しくさえ思えました。
沼津の文房具屋の娘だった事。
父親を早くに亡くし母親がとても苦労した事。
20歳で嫁ぎ、夫婦中が悪くても子供の為に耐えた事。
お店を開店するにあたり、昔の友人達が力を貸してくれた事。
全盛期、常連のトラックドライバーさんとの楽しい一時の話など。
そして、94歳になり子供たちにお店を閉めるように説得された事。
どれも静かに、懐かしむようにニコニコしながら話してくれました。
「ご縁は大切にしないとね。人を大切にしないと。嫌な人でも何かの縁があって出会ったのだから、意味があるのよ。」と。
うんうん。と頷きながら半べそになってしまいました。
「泣かないの。」優しくなだめる奥様。
帰り際、私の書いた手紙（感謝状？）を大事に持って見送りに来てくれました。

さて、お茶をガンガン勧められトイレが近いREBOX。
高速へ乗り、中井PAへ。
あれ？そー言えば朝LINE来てたよな。

上りなのか下りなのか。
居た！トラック発見！

ドアレバーにぶら下がりトラックを揺らす揺らす♪
フロントガラスを叩く叩く♪
通りすがりのトラックドライバーが不思議な顔をして私を見ます。
トドメは電話。
もそーっと不機嫌なよねきっちんが出てきました。
眠っているところを邪魔してごめーんあそばせっ♪
挨拶を済ませ（よねきっちんはただ叩き起こされただけの災難）とっとと帰宅しました。

トラックドライバーの友人とのご縁で世界が広くなりました。
そして、そこからのご縁でドライブイン白雪や、奥様ともご縁が広がりました。

奥様、いつまでもお元気で。
そしてまた必ずお逢いしましょう。
奥様とのご縁がずっとずーっと続きますように。