2018年02月24日
ローズヒップ 原因
聖グロリアーナ女学院 紅茶の園
ローズヒップの豹変から三日後の放課後、紅茶の園にはノーブルシスターズのダージリン、アッサム、オレンジペコが居り、ダージリンが紅茶を一口飲むとアッサムに訊ねた。
「アッサム、ローズヒップの豹変理由は?」
「いえダージリン、理由を訊ねようとしたらローズヒップは全力で逃げてしまいます」
「そう」
「少くとも先週の知波単との練習試合前までは、何時ものローズヒップでしたが…」
「そうすると、知波単との練習試合後ね」
「はい、練習試合後の自由時間の間に何かあったのは間違いないのですが」
「その先が不明と」
「ええ、クルセーダー隊の士気と行動に影響が出始めていますし、マチルダ隊も『何時ものローズヒップじゃない!』と叫んで卒倒者が未だに出ております、もっとも整備と兵站部門は泣いて喜んでますが」アッサムの言葉に暫しダージリンは考えると、ある案を思い付いつくと同席していたオレンジペコをを見ると、オレンジペコは嫌な予感がし、その予感は当たった。
翌日 聖グロリアーナ昼休み
昼休みのチャイムが鳴ると、何時もなら全力で食堂に向かって走り出すローズヒップが走り出さず、心ここに非ずで机で頬杖をしていたローズヒップの前に人影が立つと話しかけた。
「ローズヒップさん、お昼ですよ。一緒に食べに行きませんか?」それを聞いたローズヒップが視線を動かすと話しかけてきた人物に返答した。
「オレンジペコさんもうお昼ですか?」
「はい」
「そうですか、でもオレンジペコさん、食欲があんまりないので今日はいいですわ」
「ダメです。ローズヒップさん今日は私と一緒にお昼を食べましょう」言うや否やオレンジペコはローズヒップの襟首を掴んだ。
「ちょっとオレンジペコさん、止めて下さいませ!」叫び逃げ出そうとローズヒップは暴れるが、小柄だがオレンジペコは装填手を勤めているために、腕力はかなりものを持っているので暴れるローズヒップを無視しながらローズヒップを教室から引きずりながら出ていった。
20分後 食堂
食堂の片隅でローズヒップとオレンジペコはカルボナーラとシーザーサラダにデサートはアップルパイの食事を食べていたが、何時もなら豪快に食べるローズヒップがサラダを少し食べただけで食事の手を止めており、オレンジペコはローズヒップに訊ねる。
「 ローズヒップさん、どうしたんですか?何時もならとっくに食べ終わっているのに、どこか具合が悪いんですか?」
「いえ具合は悪くないのです。オレンジペコさん」そんなローズヒップの様子にオレンジペコは、内心でダージリンからローズヒップの豹変を探る依頼に搦め手と直球勝負を合わせた手を立案しておりそれを実行した。
「そう言えば、この前の知波単との練習試合のあとダージリン様たちと一緒にショッピングをしましたが、ローズヒップさんは用事があるといって別行動でしたがどちらに行っていられたんですか?」
「な、な、なんでもありませんですわ!ごちそうさまでした!」慌てて席を立つローズヒップの腕をオレンジペコは素早く握った。
「離してくださいオレンジペコさん」
「いいえ離しませんローズヒップさん、色々と訊きたいことがあるので話してください」
「なにもありませんですわ」
「ローズヒップさん、実はいうと私はクルセーダー巡航戦車は好きな戦車です。特にローズヒップさんが指揮するクルセーダーが縦横無尽に走り回り、どんな相手にも臆することなく挑む姿は憧れも感じます」その発言にローズヒップは顔を輝かせながら勢いよく訊ねた。
「それほんとうなのですか?オレンジペコさんがクルセーダーが好きだなんて初めて知りましたわ」
「この事を言ったのはローズヒップさんが初めてです」
「なんか照れますわクルセーダー仲間ですわ」
「はい、でも今のローズヒップさんの指揮には覇気が感じられません牙の抜かれたような狼です」
「そ、そんなことはあ、あ、ありませんわ」
「昨日の模擬演習でも動きに精彩を欠いていて、ローズヒップさんに引きずられようにクルセーダー隊の動きは悪かったです。あれじゃクルセーダーも泣いています」そうは言いつつも、練習のたびに派手に壊すよりはマシだとは言わないオレンジペコだった。
「うっ」昨日の模擬演習を思い出して言葉につまるローズヒップにオレンジペコは畳み掛ける。
「それに私とローズヒップさんは、同じ立場にいます」
「同じ立場?」
「ティーネームを授かるのは基本2年生になってから授かりますが、一年生でティーネームを、それも二人も授かったのは長い歴史を誇る聖グロリアーナ戦車道でも初、ましてやローズヒップさんはクルセーダー隊の隊長に一年生で大抜擢ですよ」
「そんな、それを言ったらオレンジペコさんはダージリン様の後継者」
「ダージリン様の後継者、よく言われますが私には指揮経験が圧倒的に不足しています。仮にローズヒップさんと模擬戦をやれば確実に負けると断言できますが、今のローズヒップさんとなら私でも充分勝てます」そこまで言うとオレンジペコは深呼吸をするとだめ押しをする。
「今の覇気のないローズヒップさんはローズヒップさんじゃないですしクルセーダーの性能も生かしきれていません、ローズヒップさん先週の知波単との練習試合後から様子が変です。もし悩みごとや困っていることがあるなら相談にのります。誇りあるティーネーム、オレンジペコの名に懸けて」静かだが意志の強い口調にローズヒップは気圧されると、やがて小声で呟きだした。
「……のです」
「よく聞こえないんですが」
「…れたのです」
「ローズヒップさん?」
「男子から告白されたのです」
「えっ?」
「好きだと告白されて、どうしたらよいのかわからないのです」
「えっ、えっ、えっ!?」
「返事は今度の週末にしなければいけないので、それで気になって練習にも身が入りません、オレンジペコさんどうしたらよろしいんですか」最後の方は涙目でオレンジペコにすがるように訊いていた。ローズヒップにオレンジペコは返答に躊躇するのだった。
次回 予想外
オレンジペコがクルセーダー巡航戦車が好きなのは、公式設定から
独自設定
戦車道における整備は基本的には各学校の整備部門が行うが、女子だけで行うとしたら大変なエンジン、ミッション、ドライブトレーン系の整備修理はかなりの労力と時間が割かれるので戦車道がある学校は、工業高校に名目上は整備修理技術教育実習の名目のもと男子が携わるようになった。当初は数校ほどが技術協力をしていたが、いつの頃からか愛知県豊橋港を母校とする学園艦、東海統合工業高等学校が戦車道履修校の技術実習を一手に引き受けるようになった。なお、聖グロリアーナでの実習は、戦車の整備修理以外にもマナー講座が組み込まれており実習生は、お茶の入れ方や学園マナー等を覚えるのに四苦八苦するため。ある実習生は「マナーが紳士を育てるを、本当にやるとは思わなかった」とぼやいたほどである。
オリキャラ
三川義和、東海統合工業高等学校から50名派遣されている実習生のリーダーで高校2年生、整備修理の腕前の高さと他の実習生が四苦八苦しているマナー講座も新鮮で楽しいと喜んで受けているが、クルセーダーをしょっちゅう壊すローズヒップに頭を抱えている苦労人でもある。
ディンブラ、聖グロリアーナの兵站部門の責任者で2年生、各種消耗品の手配から輸送ならび予算管理までしている才女、最近の悩みの種はローズヒップがしょっちゅう壊すクルセーダーの維持と予算に頭を抱えており、三川義和とは顔を合わすたびに愚痴を言いながらも二人三脚で奮闘中。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2018/04/23 00:47:56
今、あなたにおすすめ