について、私が持っている情報などをダラダラと。
眠い時間帯に、非常に読み応えのある長文をご用意致しました。
写真付きとかで上げたいけれど、眠い中で書いている随筆にすぎないので、お手柔らかに。
私のスカイラインは中期のECR33です。
エンジンは前期寄りで、タービンは純正。
RB25DETの純正タービンには結構な種類があります。
ECR33 前期についているタービンは、一般的に強度があって重い、人気がある…との評。いわゆるメタルタービン。
ECR33 中期と後期のタービンは軽量な羽、レスポンス重視、強度がない…との評。
通称、セラミックタービンとか樹脂タービン。
中期型にもメタルタービンが付いていることがあるという噂があります。
ぶっちゃけ何とも言えません。そういうこともあるでしょう。
一応、R33のRB25DETについては、平成7年1月のマイナーチェンジ(中期へ)の時点で、以下のように公称しています。
変更点①
インペラを樹脂にしてレスポンス向上
変更点②
スロットルを若干、簡素に
変更点③
マフラーをカッコ良くした
変更点はエンジン全体を通して、その3つしか記載されていません。
前期と中期のエンジンの外観には、全く変化はありません。
以上は一応、マイナーチェンジでのアピールポイントとして出された内容ですから…
マイナーチェンジ後なのに元の仕様、ってことになると、クレームの危険があるような。本当に混在があったのかな?
ちなみに全て、ボールベアリング軸受のタービンです。
ER34系のタービンについては、日産公式の資料がありませんが。
前期が樹脂、後期がメタル、というのがド定説になっていますね。
おそらくR33後期系の樹脂タービンの思想のままR34を設計し、なんやかんやで先祖返りしたのでしょう。
ただ、R34系のタービンはR33系よりも大きいのだそうですね。
それを裏付ける資料は持っていないので、あくまで噂ぐらいの信憑性ですが。
R32〜R33については、確実に大きくなっています。
さて。
ECR33中期が、どのような感じかを書いていきます。
上記の情報からすると、樹脂タービンです。
アクチュエーターがブースト0.5キロで開くため、何もしなければRB25DETの最大ブーストは0.5になるのが正常です。
なおオートマアクチュエーターだと0.4ぐらいになるように設定されています。
アクチュエーターが開くと、タービンで圧縮された濃い空気が逃げていきます。そうやってブーストの掛かりすぎを避けています。
でも0.5キロはマージンあり過ぎです。
そこで過給圧ソレノイドというやつが出てきます。
アクチュエーターから逃げてきた空気は、過給圧ソレノイドへ行きます。
過給圧ソレノイドは、電気式の門です。
電気信号を送るのはエンジンコンピューターで、このソレノイドの開閉はコンピュータの好みによって行われます。
コンピュータ的には0.6キロぐらいまで許容するスタンスのようで、0.6キロに達したらブーストを逃します。
なお上の条件は、ハイオク判定時かつ、水温105度以下かつ、回転4300以上(ATは5900)とのことです。何か不具合を抱えている方は参考にしてくださいね。
明確にどれぐらいで、という数値は記載されていませんが、ブーストが異常に掛かると燃料カットが入って加速しなくなります。
1.3キロでも掛からない事もあれば、0.9キロぐらいで掛かることもあります。
ブーストが異常に上昇するとか、加速時に息つきする…なんて時は、結構このあたりが原因なことが多いです。
ソレノイドが壊れたなら、アクチュエーターから、ソレノイドをシカトしてタービン上流に返せば良いです。
ブーストが0.5になります。
逆に上げたいならば、方法はいろいろですが。
①ソレノイドの配線をカットして、社外の別なコントローラーで制御する
…そんなのあるのかな?
②ソレノイド付きの電子式の社外ブーストコントローラーを付ける
…予算がある人の定番ですね。
③コンピュータを書き換えるか交換する
…もっと予算のある人の手です。0.6ってところを書き換えちゃいます。
ただしECR33のコンピュータは書き換えに不向きなマイナー規格です。交換の方がメジャーかな。
④VVC(機械式ブーストコントローラー)を付ける
…ソレノイドの後につけるか、ソレノイドを取っ払って付けるか、好きな方を選びます。
バネの力で、一定以上のブーストで勝手に門が開くアナログな装置です。とにかく安いです。
それでブーストを上げていくと、以下の問題に直面します。
①ブーストが高すぎると、先述した燃料カットが入る
…これはコンピュータを書き換えるか、純正ブーストコントローラーに細工をするしかないでしょう。
②ブースト高で空気が増えすぎて、純正部品では必要な燃料を賄えなくなる
…燃料はタンクからポンプの力でエンジン付近へ押し込まれてきます。そこそこの圧力で押し込まれてきています。それが燃圧。
ギュウギュウの燃料パイプの先には、ちっちゃい穴が空いた電気式の門があります。門が開くと霧吹きになります。それがインジェクター。
燃料を増やすならば、ポンプ強化で燃圧を上げるか、インジェクターを長時間開けるか、大きい穴を持つインジェクターに換えるか。対応としては上から順に限界がくるので、その辺の部品交換が伴います。
③流入空気を測れなくなる
…空気と燃料は、ちょうど良いバランスであるほどちゃんと燃えます。
いろいろ事情があって、空気が少ないバランスだとエンジンが壊れる傾向にあるので、燃料は濃いめにして安全に作られています。
燃料の量を決めるのはコンピュータで、純正部品の性能から計算して燃料を吹きます。
が、空気の量はセンサーで測らないと分かりません。
純正センサーは300馬力ちょいぐらいで性能の限界に達します。ある程度の空気流量以上になると、ずっと同じ数値。
たくさん空気が流れているのに、コンピュータに伝えることができません。
コンピュータはそんなことを知らずに、センサーが教えてくれた空気流量にあわせた燃料を吹きます。
燃料が薄くなります。
エンジン壊れます。
だから、このセンサーを交換して、コンピュータも併せて書き換えるなり、センサー変換器を噛ませるなどして対応します。
センサーはエアフロセンサーと呼びます。
(参考 APEX s-AFC 多機能変換器など)
④エンジンが耐えられない
…エンジンは、空気を圧縮します。
ターボの効果でたくさん空気が入ってくると、たくさん空気を圧縮します。
すごいブーストですごい空気が入ってきても、頑張って圧縮します。
頑張って圧縮して、壊れます。
RB25DETは、その圧縮率が無闇に高いエンジンです。
圧縮率…圧縮比と呼びますが。
もともと高い圧縮比のエンジンは、高いブーストに弱いです。
だったら圧縮比を下げてやれば、エンジンの負荷も減って、もうちょい高いブーストにも耐えられるようになります。
ヘッドガスケットという部品の厚みを変えて調整すれば良いのです。
本当はデメリットとかも併せて書くべきなんでしょうけれど、キリがないので今回はザックバランに留めておきます。
⑤タービンが耐えられない
…タービンは空気を圧縮します。かざぐるまみたいな羽を高速で回して、無理に空気を押し込みます。
薄いかざぐるまで空気を押し込むので、いずれ羽が壊れます。
想定外な押し込みを頼んでも、壊れます。
純正タービンの耐久性は、一律に言えません。
冒頭で書いた通り、純正タービンも様々なのです。
年式も古い車ですし、前オーナーなどが記録もなしにタービンを流用している確率も高いです。
R33前期のメタルタービンは1.3キロのブーストでも大丈夫というウワサもあります。
R33後期などの樹脂タービンは1キロ以下で、という説もあります。
羽が壊れると、パキパキに折れて転がって行きます。
半端に頑丈な羽たちはエンジンの方へ吸い込まれていき、エンジンを破壊します。
怖かったら、もっと多くの空気を流す設計の社外タービンに換えることですね。
ということです。
大体上記の問題をすべて真面目にクリアすれば、400馬力を越えるRB25も作れるかと思います。
私の車、買った時は配管ミスがありました。
ブーストが1.3キロほど掛かっていて…試しに一瞬だけ踏んだら恐ろしく速かったです。
RB25DETの純正タービンのハイブーストでも、馬鹿にできない速さにはなるようです。
400馬力を越えると、おそらくRB25DETの本体のあらゆる部分からムリが出始めるかと思います。そこから先はお金掛かるでしょうね。
RB25DET。強いところ弱いところをキッチリと押さえていれば、本当に丈夫なエンジンです。
勉強すればするほど、オーナーに恩を返してくれる…持ち主冥利に尽きる名機です。
R33系コンピュータの書き換え難度&コストの高さが鬼門ですが…それ以外の部分であればプライベーターでも結構自分で育てられると思います。
コンピュータはお店なり、スキルのある人に頼むなりすると良いでしょうね。
R34であれば、今時は結構恵まれた書き換え環境が出回っていますね。
ニスチューンなど、面白いものがありますから。詳しい人に頼むにしても敷居は幾らか下がるかな。
R33のRB25のハーネスやらセンサーを変換して、R34コンピュータで制御するのもアリかなぁと思います。そうすれば、完全プライベートチューンも出来るかもしれませんね。
とりあえず思いつくところ、以上が私の頭の中にあるRB25DETのブースト考でした。
もちろん簡単な説明なので、わりと誤解を恐れずに簡略化して表現している部分は多いです。
ただ、上記を基礎知識として予習しておくと、あらゆる勉強もしやすいのではないかなーと思っております。
ではでは。