［遠い思い出］の中の風景

動画を探してて見つけたアニメーションの教室の天井のシーンを見た瞬間、高校生の頃の記憶があふれ出してきた。


三年間、郊外の町の高校に列車通学していました。
その高校は［よくこんな木造の旧校舎が残っているな…］って思えるほど古かった。
教室も廊下も階段も歩くとギシギシときしんで、少し景色がゆがむ昔のガラスが残っている窓もあった。暖房はダルマストーブ（石炭）で、ストーブ近くの席は汗をかくほど暑いのに教室の端の席は凍えそうに寒かった。

時間によっては古い列車が走っていた。
木製の枠で木の肘掛のビロード張り座席、床にビスで止められた座席の足、天井の扇風機、ワイヤーで編まれた網棚、まるで息継ぎしてから開く様なドア（手動だったかも）・・・

沿線には無人駅もあった。
無人駅の雰囲気、使用済みの切符を入れる箱、駅のベンチ、ホームに渡る通路、去っていくパンタグラフの上がっていない列車・・・

色んな事を思い出して、胸がきゅんとなった。

でも、三年の春には建設中だった校舎が完成して新校舎に入ったけれど、三年の頃は色々ありすぎて何があったかよく覚えていない。授業やクラスメートから逃げ出して、使われなくなった旧校舎に居たのは覚えている。

家では、親と壮絶なバトルを繰り広げていたから、家に帰りたくなくて校舎を閉められるギリギリまで学校にいた。家に帰りたくなくて駅のベンチで列車を見送った。

友人がいて先輩がいて後輩がいた旧校舎で過ごした二年の頃が一番楽しかった・・・


辛い思い出だけを捨てて、楽しい思い出だけを残しておきたいと思ったって、人間そう簡単にはいかない、楽しかったはずの思い出だからなおさら辛い時もある。

今夜は、セーラー服の少女が部屋を走り回っています（笑）
ワインで酔ったかなぁ・・・恋しい・・・