![【純水洗車】直列多連結純水器システムの効用 【純水洗車】直列多連結純水器システムの効用](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/047/535/619/47535619/p1m.jpg?ct=e2be5a54da4f)
既に純水器システムとして運用を開始して1年半が経過しましたが、ここでは何故10Lクラスの純水器1台ではなく初期投資として割高となる5Lクラスの純水器2台を直列多連結でシステムを構築したのかについて記載していきます。
理屈は簡単。
純水器1台を単体で使用する場合には、破過点(TDSメーターの精度によるが一般的には1ppm。高精度のTDSメーターであれば0.5ppmや0.1ppm、0.01ppmなどとしても良い。)までが実質的使用可能な範囲となることから、この破過点以降のイオン交換容量に相当する分を捨てていたことになる。
一方、直列2連以上の多連結純水器システムにおいては、連結した純水器群の終端純水器を除き原理的には原水TDS(ppm)になる終末点まで使用可能なため、イオン交換樹脂が持つイオン交換容量のほぼ100%の能力を発揮させることが可能となる。また、終端純水器が破過点に到達した際には、純水器群の先頭に配置されている純水器のイオン交換樹脂(この純水器群の中で最もイオン交換樹脂が劣化している)を新品に交換の上、純水器群の終端位置に接続することで、元の終端純水器は再設置後に終端から数えて2番目の位置に接続されるため、残されたイオン交換容量分を引き続き使用可能となる。
ここで、破過曲線の破過点までのイオン交換容量(緑の領域)と破過点から終末点までのイオン交換容量(黄色の領域)が経験則上およそ1:0.5(注)に相当するため、タンク2本を直列で連結した場合には、タンク1本単独での約3倍に相当する純水生成量が期待出来る。
注)イオン交換容量の限界に近づくほどイオン交換の効率が悪化し、イオン交換出来ずにリークしたイオンが通過するため、現実には原水TDSのppm(終末点)に到達するまで使用することは難しいものの、破過点以降のイオン交換容量を可能な限り活用出来ることから、タンク1本を単独で用いるよりもタンクを連結したほうが効率よくイオン交換樹脂を消費出来る。
以上のことから、2本以上の直列多連結で構成された純水器システムが理にかなったものとなることがお分かり頂けたであろうか。
直列多連結純水器システムにおいては、1本10Lで次の製品を使用する場合、一回1本のイオン交換樹脂の交換ごとに0.5×(¥15,400-/4)×2→¥3,850-ずつお得になっていくことに等しい。仮に純水器1本単独での使用する場面に置き換えれば、イオン交換樹脂(5L/袋)×2袋で¥7,700-となるが、この費用でイオン交換樹脂15L分のイオン交換樹脂(¥11,550-)を購入出来たことと同義になる。
■サンエイ化学 イオン交換樹脂用 アクアリウム 園芸用 MB-5 小分けタイプ 5L×4袋(¥15,400-)
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オススメのメーカーのイオン交換樹脂はコレ!
充填量体積比が陽イオン交換樹脂:陰イオン交換樹脂=1:1.5で、イオン交換容量比が陽イオン:陰イオン=2:1.5となるため、イオンデポジットの原因となるカルシウム・マグネシウム等の陽イオンの除去能力を高めた配合比となっている。
つまり、陽イオン(カチオン)に対する交換容量の方が陰イオン(アニオン)に対するものよりも多いので、仮にTDSが0ppmを超えたことを少々見逃したとしてもカルシウムやマグネシウムのリークは生じてはいない状態だと思われる。洗車ユーザーの立場を考えた使いやすい商品なのではなかろうか。
(他のメーカーではこのような仕様が不明なことが多い。)
なお、上記では直列について述べたが、直列・並列を併用(最低でも4本の純水器タンクが並ぶことにはなるが…)することもメリットがある。それは各系統の流量を減らすことでイオン交換樹脂が効率よくイオン交換が出来るので、設置場所に余裕があれば一考の価値がある。但し、各系統の流量を均一にすることを要するため、その対応策の困難さは無視出来ない。
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2024/02/16 22:38:56