クラシックレンジ フロントラジアスアームブッシュ交換(その2)
| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
12時間以上 |
1
2023年1月8〜22日
その1の続きです。
次に新品ブッシュの圧入です。
穴の内側やブッシュの外側は脱脂をするだけでオイルやグリスは塗らないように注意。圧入時に潤滑剤を塗ってしまうと車両組み付け後にブッシュが動いてステアリングシミーの原因になるようです。
圧入ジグとして使用したのは、下はレンタルピットにあった大きめのリング。上はジムニーのブレーキキャリパーピストン。
2
これらが新しい部品。(写真は片側の部品) 20年前に購入してあったものですが・・・。
ちなみに社外品のブッシュはすぐダメになるとの噂を体験するため、部品は全て社外品を使ってみました。
参考に下記は20年前に購入した価格。
・NTC2695 (=NTC6860):アクスル側ブッシュ(右) 2.4ポンド(1個)
・NRC4514:フレーム側ブッシュ(左) 0.6ポンド(1個)
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圧入完了。アームの裏表から見てブッシュの出る量が均等になるように圧入位置を微調整します。
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圧入後にアームのサビ落とし。
フレーム側の串刺しブッシュ部分です。水が溜まりやすいのか、かなり腐食して盛り上がっています。このままだと新品の大きなワッシャーがはまりませんので、スクレーパーのようなもので錆を削り落とします。
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マイナスドライバーなどでできるだけ綺麗に削り落とします。
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最後にヤスリで磨きます。錆で盛り上がっていたところがまあまあ綺麗になりました。
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錆で盛り上がっていたところを研磨して直角にしたら、新品のワッシャーがピッタリはまるようになりました。
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サビキラーを塗って錆止めしたあと、塗料も塗っておきます。
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ブッシュとアームの間にも水が入らないように塗料を塗っておきました。
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アームの塗装が完了しました。
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ボルトとナットは新品に交換します。
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フレーム側のブッシュはワッシャーと合わせるとこのような位置関係になります。
(ブッシュ間のくびれた部分にフレームの穴が入ります)
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ラジアスアームが固定されるアクスル側のブラケットです。どうしても水が溜まって錆が発生してしまうようです。アームが付くと手が入らないところなので、ここも錆を落としてサビキラーを塗って塗装しました。
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こちらはアームのフレーム側の串刺し部分の穴です。ここも錆が発生しています。
錆びを落として塗装しておきます。
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車体への組み付けに入ります。
ブッシュの穴とボルトの間には錆びつきやカジリ防止のためワコーズのマルチパーパスグリスを塗布。
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フレーム側の串刺しブッシュのところはゴムが接するので、シリコーングリスを塗布。
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ブッシュを入れるとこんな感じです。
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さて、ラジアスアームの取り付けです。
まずはアームをフレーム側の穴に入れて、アームを下からジャッキで上げていきます。
アクスル側のブッシュはブラケットにギリギリ入る幅なので、左右に動かして干渉しないように注意しながら入れます。
なお、アームが下がった状態(アームが斜めの状態)ではまだフレーム側のブッシュは入らないのでナットは入りませんが、アームを規定の位置まで上げると入ります。
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ジャッキでアームを徐々に上げながら、バールで左右に調整しながらアクスルのブラケットに入れました。
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穴が合えばボルトは軽く叩くだけで入ります。
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ここはネジがかなり出るので、ディープソケットが良いです。二面幅24mm。
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タイロッドを取り付けます。
ナットは二面幅19mm、締め付けトルク40Nm。
割りピン装着。
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タイヤをつけて1G状態でフレーム側のナットを締め付けます。二面幅30mm、締め付けトルク176Nm。
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アクスル側も締め付けトルク176Nm、二面幅は24mm。
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古いブッシュ達。これまで35年間お疲れ様でした。
交換後のインプレッションですが、直進性が多少良くなったことと、元々あったアクセルON/OFFの時のバックラッシュの衝撃が幾分マイルドになりました。
フロントアクスルの固定がきっちり出来るようになったみたいで、路面の凹凸によるアクスルのバタつきが明らかに減り安定感が高まりました。
またブレーキをかけて停止した瞬間のノーズダイブが今までは助手席側だけ大きかったのが、左右同じになりました。
たまにフロント左の足回りからゴトゴト鳴っていた異音もなくなりました。
ブッシュは知らず知らずのうちに劣化していて、特に助手席側の方が劣化していたようです。
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