皆様は、愛車との最期について考えた事がありますでしょうか。
平成26年6月。
念願叶って手に入れたトヨタ2000GTに沿道脇の樹木が倒れて当たり、全損となった記事をお読みになった方も少なくないと思います。
どんなに安全運転を心掛けても、慎重に運転していても、災難は自己防衛とは関係なく降りかかって来ることがあります。
愛すべきロードスターをいつまでも大切に維持するには、きちんとしたメンテナンスや保管が大切です。
とは言え、車は眺めているだけではその本領を発揮させ、満喫することは出来ません。
日常的に乗る方もいれば、ここぞ!と言うときの取って置きのシーンにガレージから引っ張り出される方もいらっしゃると思います。
いずれの方々も自ら事故を起こしたいと思う方は皆無ですし、そうならないように十分にマージンを確保して愛車とのロードスターライフを満喫していらっしゃると思うのです。
それは昨日の事でした。
前のblogでも記しました通り、久々に愛車を奥多摩の野に解き放つ為に、8時過ぎに自宅を出て大麦代駐車場に。
一息入れてから先ずは周遊道路で新しい靴の感触を確かめます。
大径化とワイド化した真新しいシューズは、前日に150キロ程足慣らしをして、皮剥きを終えてありました。
DUNLOPのDIRREZAは前にも履いていました。
最初の100キロ程はステアリングから得られるロードインフォメーションが希薄で好きではありません。
ですから、しっかりと皮剥きする事が大切な儀式です。
それを済ませた靴で走り始めます。
さて、その印象は。
結論を端的に申し上げれば、サスペンションやフレームに対して若干グリップが勝ると感じたのでした。
さて、周遊道を一往復して次は柳沢峠から勝沼を目指します。
家族に旬のブドウを食べさせたいとの思いからです。
フルーツラインの終点まで来て手頃な店を物色。
2種類の大粒の房を買い求め、同じ道を引き返します。
柳沢峠を越えて丹波山村に差し掛かった辺り。
それは起こりました。
その橋は親川橋と言い、柳沢峠から見ると直線の橋を渡って直ぐ登り基調の右カーブ。
対向側から見ると下り基調の左カーブを過ぎて直ぐ狭い直線の橋を渡る事になります。
この橋を東京に向かって差し掛かり、橋を半分程過ぎた頃です。
やや遠くからタイヤのスキール音が聞こえて来ました。
僭越ながら過去の経験からそのスキール音が尋常ではないことを察知します。
明らかに速度超過とアンダーステアでコントロール不能に陥っている音。
橋は対向2車線。
互いにすれ違う事は出来ますが、待避スペースはありません。
危険を察知して急減速しますが間に合いません。
果たして、対向車は下りの左カーブを曲がりきれず、センターラインを越えて橋に進入。
我が愛車に正面から衝突したのです。
衝突のインパクトは小さくなく、愛車は衝突の衝撃で3メートルほど押し戻され、更に左縁石にボディを擦り付けて停車したのでした。
相手はエアバッグが作動し無傷。
拙はシートベルト着用ながらステアリングに胸部を強打し、胸骨を骨折。
当然ムチウチ症状も。
(のちに胸骨骨折はシートベルトによる圧迫骨折と判明します)
拙の事はさておき、愛車は見るも無惨な姿に成り果てていました。
ほぼ50%オフセットでの正面衝突。
フロント右半分はものの見事にひしゃげ、潰れ、歪んでいます。
ドアはフロントフェンダーが後ろにめり込み開かなくなっていました。
丁度午後2時になるかならないかの頃でした。
その後の事は、要点のみとさせて下さい。
自走不能となった愛車はレッカーされ一時保管。
明日、ディーラーに運び込まれる予定です。
拙は大月市の病院に救急搬送され、診断、処置の上、警察の事情聴取を受けて、帰宅の途に着きました。
以前に書かせて頂いたドライブレコーダー。
まさかこのような事態でその存在意義を存分に発揮させるとは、その時は想像だにしませんでした。
救急搬送前に何とか取り外したドライブレコーダーには、前述の状況が全くもって第三者的に記録されていました。
警察も相手方がセンターラインを越えていることを、アスファルトに記(しる)されたタイヤ痕から明言していました。
皆様がどんなに大切にされても貰い事故は防ぐ事は出来ません。
拙と愛車のように可能な限りの回避行動を取ったとしてもです。
拙は以前より、いつかこのblogで愛車との最期について書こうと決めていました。
尤も、もっと明るい内容で自分が愛車より先に逝く前提だったのですが。
28年間、楽しいときも辛いときもいつもロードスターと一緒でした。
ロードスターとの付き合いは、嫁さんよりも長きに亘ります。
家族の一員で、いつも笑顔と愛嬌たっぷりのハッピーフェイス。
海よりも山道が好きで、北は北海道から南は広島まで楽しい時間を紡いでくれました。
最後に見た愛車は、顔を苦痛に歪ませながらも拙を体を張って守った誇りに満ちた顔をしていました。
その様な事で、暫く更新が出来なくなりますことをお知らせします。
心と身体の傷が癒え、愛車が再び駆け回れるようになった暁には、ご報告を兼ねて改めてこのblogを更新させて頂く予定です。
その節は再び皆様にご笑覧頂けるように、ここで一旦筆を置かせて頂きます。
皆様におかれては、大切な愛車を愛で、労り、共に楽しい時間を過ごされますよう心より願うのでした。
そして、くれぐれもご無事で。
(添付の画像は事故直前まで元気いっぱいに初秋を満喫していた愛車の姿です。)
【2018.10.5追記】
相手方、警察、保険会社何れも責任比率10:0であることを確認。
愛車はディーラーに運ばれ、修理可能か診断中。
保険会社は近々に現車を確認の上、上限額を査定予定。
【2018.10.8追記】
保険会社による車両時価評価額は、60。
ディーラーによる修理見積もり概算額は、当時のNA新車販売額相当。
動力系は、ボンネットが大きく歪んでを開けられないため上記見積もり対象外。
愛車は、八王子市にある「関東マツダ ボディアートみなみ野」に移動。
衝突時の衝撃で押し戻された際、橋の縁石に車体左側面が接触するも、
替えたばかりのホイールと前後のマッドガードがボディとの接触を防いでいた。
工場では青空保管のため、本日当該工場に赴きボディカバーを掛ける。
【2018.10.16追記】
修理詳細見積り出る。
社外パーツを含め入手不可パーツ多数あることが判明。
想定以上に多い。
併せて保険対象外の補修も発生不可避。
総額でNDが楽々買えます。
マツダサービスと綿密に詳細を検討し、今後に資する。
選択肢がかなり限られてきました。