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2023年02月13日 イイね!

C6 Z06の空力、標準車からの進化

C6 Z06の空力、標準車からの進化まだBoss302についても書ききってないというのに、次に行っちゃうのもどうかとは思うんだけど、こっちにしても書かないと忘れちゃいそうで…

ということで去年の夏ごろに調べながらつぶやいてたC6Zの空力について、さらっと纏めてみるの。




―――

そもそもZ06に入る以前に、コルベットチームはC6標準車でもかなり大幅な空力対策をやってる。これは主査のデイブ・ヒルたっての思い。

彼はC5でトランクアクスル化を含めた大幅なシャーシー性能改善を行ったにも関わらず、相変わらず北米以外の市場では
 --- コルベットは見掛け倒しで、20年近く時代遅れのクルマ ---
と思われていることを認識していて、C6ではそれを打開しないといけない、と本気で考えてたと残してる。そのためにはただ見た目が良いだけではなく、本物の空力を纏ったカタチに意味のあるスタイリングでなければいけない、と。

さらにスポーツイメージを求めて参戦したルマンシリーズで、コルベットレーシングが駆るC5Rは順調な成績を収めてはいたものの、現場からは流麗なスタイルがゆえの巨大な前後オーバーハング、冷却開口の少なさがゆえ、あちらこちらにベントを開けないと冷却できないエンジンルームなど、さまざまな課題も打ちあがってきた。


だからこそコルベットチームは社外レース活動の経験が豊富なカーク・ベニオンをエクステリアスタイリストに据え、C6ではプロポーションからの改善を狙った。
センターにまとまったラジエーター開口と固定ヘッドライト。これらは1962年以降コルベットには無かったもの。この伝統から脱却を図ったスタイリングも、全ては形状からスポーツカーであることを追求するために必要だった、と。

でもこの短いオーバーハングと大きな冷却開口は、それ単体では空力に対して不利に働く。
というのもC6は動力性能目標として、最高速度を186mph (300km/h) と定め、400馬力でそれを達成するのに必要なCd値を0.28と定めていたから。
この0.28は数字だけ見ると大したことが無いように見えるけれど、C6は大きな冷却開口を要求し、タイヤも太いスポーツカー。根幹のトコロで一般的なセダンより圧倒的に不利な条件。

これを覆すためには、C5のような流麗な面だけで構成するのは難しく、どうしてもシャープな角と面構成の組み合わせになる。それが最終的に500時間に及ぶ空力試験で磨き上げられたC6のスタイリング。
チーフデザイナーのトム・ピータースが「カール・ルイスのような一切贅肉のない形状」と表現したカタチ。

―――

そんな標準車から派生するのがZ06。
標準車がCdの削減に重点を置いていたから、Z06での開発の焦点は「(Cdの悪化を最小限に抑えつつ)そこからリフトをどれだけ切り詰められるか」だったと空力チーフエンジニアのトム・フローリングは残してる。 馬力が上がり・ワイドタイヤで進化した運動性能に対して、高速域でのスタビリティの確保が必須だったんだろうね。

標準車が500時間に及ぶ風洞試験の元に生まれたのに対して、Z06に掛けられた時間は240時間。
最終的なCd値はC6標準車の0.28に対して、C6 Z06は0.342。これは先代C5 Z06と全く同じ値。100馬力上がった馬力と、さらにワイドなタイヤを履かせたにも関わらず、同じ数字を保ったところがコルベットチームの意地。



Cdの悪化は不回避として、むろんダウンフォースの増加 (リフトの削減) は必須なのだけれど、その中でまずコルベットチームが一番重点を置いたのが、前後ダウンフォースのバランス。

高速走行の時に、前輪だけリフトを切り詰める (ダウンフォースを高める) と、車はオーバーステア傾向になりかねない。 なので静的な前後軸重からリフトを引いた値が全速度域で50:50~48:52(リア勝ち) になるように空力パーツを設計したのだ。

ただし興味深いのが、その結果として各部に取り付けられた空力デバイスをまとめていくと、比較的フロント側に偏ったリフト削減量になることなのね。逆に言えば標準車は安定性を取って、かなりリア勝ちなダウンフォースバランスだったということ。
スポーツグレードとしてニュートラルに近づける改善をした結果、フロント側のリフト削減量が増えた、というバランス。

―――

フロント側では、まず目立つのが大きくなったスプリッター。
この部分だけで、全体量の67%に及ぶ92kgのダウンフォースを300km/hで発生させる。
もちろんスプリッターはリフト削減だけでなく、分流点を前に出すことで冷却開口に向かう流れが増えるので、冷却性能改善にも寄与してる。そんなグリル自体もエンジン放熱量の増加に合わせて開口高さが25mm増し。



興味深いのが、そんなバンパー形状による冷却性能向上代は、80km/hで1m^3/minとなってる。
比較対象になるのが、バンパー下に取り付けられたエアダムの効果なんだけど、最低地上高に関係なくアチラコチラで擦るこのエアダム、単体での冷却性能改善代が3.0m3/min @ 80km/h。つまりスプリッター+バンパーの効果より3倍高いのだ。
これは冷却系を入口から出口まできちんとダクトで流し、床下に抜く設計ができているからこその効果だね。

ついでに言うとZ06の特徴になる、バンパーのNACAダクト。これについてはコルベットチームは目的も効果についても、どこにも残していない。まぁあれ吸気開口に見せかけて、実は吸気系に繋がってないからだろうね。

その他の追加デバイスでは、フロントホイールハウスエクステンションが10kg (7%)、リアスポが36kg (26%)のリフト削減。フロントがトータルで102kgに対して、リアは36kgという点からも、標準車がかなりリア勝ちのリフトバランスだったことが改めて解るの。


空力面では、他にフロントとリアのブレーキダクトを標準車から拡大してる。
これについては標準車がさんざニュル詣をしていた関係から、既にパッド温度に対する風量の目標値が定まっていて、風洞でチューニングされた値は最終的にC5 Z06比フロントで400%増し、リアは200%増しで設定。

サイドミラーは、標準車の形状が風切り音とダウンフォースのバランスが良かったので、そのまま流用。これについてはあまりに出来が良すぎてC6Rでもそのまま使ってたりする。


―――

と、ここまで全体を数字を中心に束ねてきたけど、ここまできて一つ気づくことがあるの。
それが空力開発に、実走に関連する話があまり出てこないところ。

実際に色々な文献を当たっていても、C6の開発時におけるニュル詣の話は出てきても、C6Zの開発におけるニュルの話はあまり出てこない。 更に言えばC6Zの空力開発においても、数字はあくまでも「リフト削減量」で表されていて、「ダウンフォース量」という表現をしていないこと。

だからこそ思うのね。
コルベットチームはZ06について、スポーツ走行という用途はしっかり見据えていても、トラックスペシャルであることは追及していない。 彼らにとって、Zはあくまでもスポーツカーであって、トラックカーではないのでは?って。



その印象は自分で乗っていても感じるの。
この車はFK/FLタイプRやR35 GT-Rのような、トラックスペシャル特有の色々と切り詰めた「遊びのなさ」がない。

LS7はボアスト100mm超えを7000rpmまで回すって数字に目が行きがちだけど、本当に凄いのは演出が全くないこと。
排気量こそあるけれど、可変バルタイがない上に強烈なバルタイだから低回転域はそれなり。
でもそれをまったく隠してない。DBWにもかかわらず、どの領域でもスロットルは常にリニア。
それでいてバルタイが揃う中回転から一気に吹けて、7000rpmまできっちり回る。
そんなどこまでも真っ直ぐに丁寧なキャリブ、その有り様が逆にキャラクターになってる。

シャーシーも、ノーズの強烈な入りとロールの圧倒的な少なさには感動するけれど、これはあくまでも軽い車重・低い重心という車の素性の良さに起因するもの。
丁寧にキャリブはしてあるけれど、要素を削いで研ぎ詰めていったようなキャラクターではない。

何処からでも自在に吹けて、演出が一切ないエンジンと、軽い車重に合わせたガチガチじゃないシャーシーが相まって、コントロール性がえらく良い。
冗談じゃなく、S2000を通り越してロードスターに近いぐらいの素直な扱いやすさがある。

車重が軽いからこそ、ダンパーのこの手のクルマとしては絞まってないし、120m/h 6速で1600rpmなんてギアレシオができるから、結果としてクルーザー適正まで生まれちゃってる。
それに気づくと、サポートが少なくてふっくらしたシートも、そこら辺を踏まえた意図的なものなんじゃ、と思うくらい。



それを踏まえて、改めて車の開発記録を拾っていくと、彼らが思い描いていたC6Zの姿って、ニュルをアンジュレーションを飛び越えて疾走する姿ではなく、週末に北米のワインディングを駆け抜ける姿だったんじゃ、って思うのだ。

だからこそ、そんなZを本気のニュルアタック仕様に仕立て直した時には
ZR1でギア比すら変え、Z07パッケージとして空力も全面的にダウンフォース特化にやり直し、流体磁性ダンパーで足回りを締め上げる必要があった。そういうことなのかな、って。


でもだからこそ、自分はこの車が好きなんだよね。
自分が探してたのはトラックスペシャルじゃなくて、スポーツカーだったから、さ。
Posted at 2023/02/13 08:34:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年09月05日 イイね!

こっちでオンラインでクルマを買った話

こっちでオンラインでクルマを買った話これもね、早くやらないと記憶がどんどん薄れちゃう。

例によって緊張の糸がほぐれたトコロで、今回は「MTの下駄グルマが欲しい…」が発動して、フィエスタSTをお迎えする運びになったんだけど、その際に思ったのが「オンライン販売ってどんな感じなんだろう?」

前回Boss302を買ったときは、まだこっちに来たばかりで右も左も解らなかったから、すべてをお任せできるディーラーで買う運びになったんだケド、コッチで2年も車を所有してて、世界がちょっと解ってきたから、次も同じっていうのも何か面白くない。

コッチもCOVIDが蔓延してから、タッチレス・コンタクトレスで何かが出来るっていうのはどこでも売り文句になってて、中古車販売もそれは例外じゃない。  だったら、ここ数年で一気に流行ったオンライン中古車販売を体験するのも悪くないかなぁ、って。

しかも、それが蓋を開けたら想像以上にアメリカ社会の縮図みたいな体験で、とっても興味深かった。だからね、今回はそんなお話

―――

オンラインで買うって決めて、最初に決めたのはどこのサイトを使うのか。

今回選んだのは業界最大手のCarvana。選んだ理由は、単純に規模が大きくてタマ数が多かったから。
特に自分の場合は(USDMでは)オプションのレカロシート指定で探してたからね、母数の数は重要。

んで車種とグレードを選んだから、こんな感じで検索していくことになる。

当然、オンライン中古車販売って聞いて、誰も最初に不安になるのが、車両の程度をどうやって見極めるか。
# いや、アメリカみたいな広い国土だと、face to faceの中古車販売だろうが
# レア車は全国検索になって、どの道現車確認なんかできっこないって話はあるけどさ。

Carvanaの場合、そのためのシステムは三つ用意されてる。


一つ目はCarvana独特の手法で、こんな感じの360°外装・内装確認。

これの重要なトコロは、全国各所にあるCarvanaの倉庫の中に、決まったフォーマットで作ったターンテーブル付きのスタジオがあって、物件すべてが同じフォーマットで写真が撮れるようになってること。

これによって、この手の中古車販売サイトでありがちな、人による写真撮影箇所のばらつきを極力抑えようとしてるのね。 杓子な設備を作り、マニュアルでカッチリ縛り、必要最低限のクオリティが100%絶対に担保されるようにシステムを作る。

逆に言えば、この360°ビューに追加で、担当者が傷の写真を個々に乗せてるんだけど、こっちは基準が人任せなので、当然のごとく人バラつきがあるし、360°ビューでも解るような傷も、普通に出てこなかったりする。

だからこそ360°ビューで最低限の担保をしていることが非常に大事になるし、ここから先はまさにCarvanaとの探り合いになる。楽しいところ。


なので当然ながら重要になるツールがCarfax。これは一般的なディーラーと一緒だね。
これは当然のごとく全物件で閲覧可能になってて、オーナー履歴や整備履歴が追える状態。逆に言えば、これがないとさすがに怖くて何も買えない。

例えば今回のFiesta ST、年式・走行距離のわりに値段が安い。
Carfaxを見るとミシガンの降雪地帯で使われてるから、前オーナーが外装に気を使わず普段使いしてるのも想定できるし、それは傷部位の写真に写りこむボディの反射で何となく伺える。
でも同時にPep boysで冬タイヤに交換してるから、自分で車弄りをするタイプじゃないことも解る。つまり扱いは雑でも運転はのんびりしてる可能性も大きい。
よって外装さえ自分で仕立て直す前提ならアリ、って判断できた。


んで、ここで腹をくくっても、当然パワトレとか錆とかになると現状が解らない。
だから最も重要な最後のステップが、一週間の試乗期間。

前にも書いた通り、アメリカは車検がないから、名変しても車の価値が下がらない。
だから「車両がデリバリーされてから一週間の間であれば、ノーコスト・ノークエスチョンでリターンできる」ってシステムが成立するのね。

つまり下回りを見たければ、家に届いてから自分でリフトアップしてみればいいし、ミッションがギタギタかどうか気になる場合は、1週間で試乗して判断すればいい。
その結果として、あまりに程度が悪くて納得できなかったら、電話一本で手数料ゼロで返車できる。

さっきも書いたとおり、今回は中身が無事な可能性が高いから、まずはそこに賭けてみることにした。

―――

ちなみに注文に際する必要書類は免許証の写真のアップロードと、個人情報一式のみ。
しばらくすると、名義変更に関連する書類のデータが送られてきて、電子決済すれば完了。
ただし自動車保険だけは自前で手配が必要だから、サイトに載ってるVINナンバーを使って、納車日までに契約しておく必要がある。

で、こっちがその手続きをしている間に、Carvana側は車両がリスティングされた地域から、うちの近くの倉庫に車両を運んできて、デリバリー前に規定項目のチェックをした上で、問題がなければ家まで持ってくる。

…って手筈なんだけど、今回はまずここでトラブった。


コトは配車前日の夕方。いきなりメールが入って
 「車両にトラブルが見つかったので、明日の配車が取りやめになりました」
 「詳細はこれから電話で連絡します」
と来た。

まぁそういうなら、とまずは待つんだけど、当然こっちの常で、待てど暮らせど電話が来ない。
仕方ないので、カスタマーセンターに電話を入れて、事情を説明して、うちの地域の営業担当に電話を回してもらう。


 「何が起こってるのさ? 電話来ないんだけど?」
 「いや、あなたの車両にトラブルが見つかって、安全上問題があるから、修理するまで配車できなくなった」
 「んー、トラブルって何さ? あまりに致命的なら、そんな車引き取れないんだけど…」
 「いや、それは整備してるスタッフに聞かないと解らない。明日には確実に詳細を折り返しさせるから…」

まぁ、そういうなら…ってことで、一回その日は終わりにして、翌日待つんだけど、まぁ当然ながら連絡がこない。
仕方ないので、またカスタマーセンターに電話して、また地域の担当に電話を回してもらい
整備担当を ”今・ココで出して” ということで解ったのが

 「車両のフロントタイヤと、フロントブレーキパッドも摩耗限界を越えてるから、交換が必要」
 「いやそれさ…ネットの物件情報では、買取時にCarvanaの基準値以下だったから
  すでに交換済って書いてあるんだけど…?」
 「それは私は知らない。 私が配車前の最終チェックをしてダメだったから。
  これから交換しない限り内規でデリバリーできないし、交換は外部の整備工場に出すけど
  部品が今なくて、配車は2週間遅れになるから」
 「いや遅らせるってさ、保険も今日デリバリー前提で契約完了してて
  今日からすでに料金も引き落としされてるんだけど」
 「迷惑を掛けていることは謝る。それについては補償金を払うから、営業と話をしてちょうだい」

と来る。真っ先にお金で補填する話が出るのが、とっても資本主義のこっちらしい。

 「いや、そんな車渡されるぐらいなら、もう一回物件を洗いなおす時間が欲しいんだけど。数時間ぐらいは。」
 「わかった、その場合はキープはできないから、キャンセルするしかない。何ならこの場で受けるけど?」
 「んー、わかった。一回キャンセルさせて。
  もう一回物件洗いなおして、いいモノが他にないなら改めてこの個体注文するから」

ということで、物件選択からやり直し。とはいっても、早々タマ数豊富なワケじゃないので、やっぱり折り合いがつく物件がない。癪だけど、あまり納期が遅れても仕方がないので、もう一回同じ物件を注文して、2週間待つことにする。

カスタマーサービスに再度電話して、同じ物件を注文する手続きをその場で確認する。
一緒に手続きをして、注文が入ったのを確認して、同じように書類を提出して
同じように納車日を決めて、再度迎えたデリバリー当日。

…うん、当然ながら連絡も無ければ、配車も来る気配がない。 はい電話。

 「あのー、今日納車日ってシステムから連絡来てるんだけど、時間過ぎてもなしのつぶてなんですが…?」
 「ちょっと待って確認する・・・ いや、キャンセルしたって担当は言ってるけど…?」
 「いや、そのあとカスタマーサービスと一緒に、もう一回注文を言われたようにやってるし
  システム上も受け付けOKになってて、デリバリー日も承認されてるんだけど?」
 「…申し訳ない、その場合はこれから配車調整するから、1週間後になる」
 「あのー、例によって前回と同じく保険も日程調整して、また引き去り始まってるんだケド…
  これでトータル3週間遅れになるんだけど…」
 「迷惑を掛けていることは謝る。 それについては補償金を払うから、それで納得してほしい」

はい資本主義。  仕方ないので3週間分の配車遅れの補償金を受け取り、やっと次の週に車両が届くことに。

ちなみに補償金は綺麗に一週間あたり $〇〇 で計算可能な額なので、完全にこういう時のマニュアルがあるんだね。 こういうトコロも、フールプルーフというか、頭いい人が現場のトラブルを織り込んでシステム化してるってコトになる。

―――

で、さんざ色々と楽しいトラブルを迎えたうえで、やっと来た車は、想像通り外見こそヤレヤレだったけど、錆は進展してない。ミッションも想定通り全然荒れてなくて、これなら自分的には全然OKなレベル。

ただ気になる点があって、まず左のミラーの上下アジャストが効かない。
それに交換したっていうタイヤも、明らかにバランスが取れてなくてバイブレーションが出るし、ステアリングセンターもおかしい。 配車前整備とはなんぞや…?

でもCarvanaのシステムを作った頭のいい人は、当然こういう現場のトラブルを想定してる。 配車から100日以内であれば、Carvanaと提携してる整備工場に持ち込むことで、無料で基本的な修理はしてもらえるのね。
今回のホイールバランスやアライメントは、明らかに一般劣化じゃなくて車両トラブルなので、さっそくこのシステムのお世話になることになる。

調べてみると、家から5分のトコロにある整備工場が提携拠点なので、さっそく作業予約をして向かってみた

 「ネットで予約して、Carvanaの保証修理でホイールバランスとアライメントっぽい症状を直して欲しいんだけど」
 「え? Carvana? うちそんなシステム知らないんだけど?」

はい想定内。 もちろん携帯でCarvanaのサイトと保証内容を全部開いてあったので、それを渡して説明。

 「んー、わかった。ちょっとこの(Carvanaが契約してる保険会社) に電話させてくれ」 

電話して合点がいったらしく、車両をリフトに乗せて症状を確認、その数分後…

 「確かにホイールバランスとアライメントがイカれてるんだが、保険会社が保証対象外って言ってる」
 「えーと、サイトのココでは対象だって書いてあるよ? 相手は理由はなんて?」
 「いや、教えてくれねぇんだ。 兎も角ダメの一点張りでよ… なんで悪いが今日は無理だ」
 「んー、まいったな… 解った、とりあえずこっちから問い合わせてみるよ」

ということで、今度はこっちからまたCarvanaのユーザーサポートに。

 「いや、それはうちの責任区じゃないので、保険会社に問い合わせてくれ」

はいそうですよね。とっても楽しいぞ。 ということで保険会社の窓口に問い合わせ。

 「えーと、ケースを確認したんですが、走行距離が保証範囲外となってます」
 「なんて? まだ4日でいいトコロ300kmぐらいしか走ってないんだけど」
 「こっちの記録だと12000マイル走ってることになってます。これだと受けられません」
 「あの…、それどう考えても走行距離をkmで拾ってるよね?
  ちなみに、それをマイルに換算すると保証距離になるけど、この2点はその場合は修理できるの?」
 「できます」
 「で、なんでその理由を自分には伝えてるのに、今日工場側には伝えなかった?」
 「それはこっちでは解りません。
  ともかく、もう一回予約を取って、提携工場にこの事を伝えてください」
 「えーと、なんで自分が? ケースに情報全部残ってますよね?」
 「…であれば、こちらからも連絡するようにします」

ということで、改めて予約を取って、再度提携工場に出向いてみる
 
 「Carvanaからなんか連絡あった?」
 「え? なんのこと? 何も聞いてないけど」

でーすーよーねー。 

 「ああ、じゃあ大丈夫。 前回と同じ内容なんだけど、オドメーターマイルで連絡してみて?」

…で数分後、工場から電話してもらい、今回はノントラブルで修理が承認され、無料でアライメントと4輪ホイールバランス完了。 配車されてから約一週間、これで言い訳なしのパリっとした車両が手元にきた。


―――

…とココまでが今回の顛末。

読んでもらって解るように、全てが典型的なこっちのシステム構築思想に基づいてて、その本質は

 ・人間は共通の常識を共有してない。だから認識違いもミスもする。
 ・だからこそフールプルーフなシステムでそれを救えるようにして、マニュアルをがっちり固めて運用する

ということ。

だから、何かあったらユーザー側としてもそのシステムを最大限使わなきゃいけないし、逆に言えば言わないと泣き寝入りになるだけ。 でもその分、上手くいったときの利便性は果てしないし、それが8割9割の体験なんだと思う。

今回はトラブル続きで楽しい体験になったけど、もし予定通りの予定で想定通りのクルマが届いたら、って考えたら、こんな便利な体験もないと思うのね。
営業との不毛な値段交渉も無ければ、無駄な書類を取りに行く手間もないし、整備だってわざわざディーラーに持ち込む必要もない。最初から最後まで、それこそ配車の受け取りを除いて、それこそ一言も言葉を発せずに車両が手元に届く。

対象車両は全米全域でストックがあって、フィエスタSTなんてレアな車でも、それなりのストックの中から選ぶことができるし、車両の程度が想定外だったら、単にリターンして別の物件を探せばいい。

この利便性を知っちゃったら、確かにディーラーまでわざわざ出かけて中古車買う、なんて行為がアホ臭く感じるのも解る。

これは今後も、もっと伸びるシステムな気がするなぁ…
Posted at 2021/09/07 12:00:10 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2021年04月19日 イイね!

Coyoteというエンジンの進化

Coyoteというエンジンの進化前回書いた、うちのBoss302に積まれてるRoad Runnerが市場に出たのが2012年。

フォードが問うたポニーカーのトラックカー仕様は、GMのカマロZ/28を生み出し、フォードのGT350につながり、それがGMの1LEパッケージとフォードのGT500につながって今に至るんだケド、でもそれはポニーカーで言えばあくまで傍流の話。
だってポニーカーの販売台数を占めるのはあくまでもベースグレードで、その上に存在するV8グレード。

だからこそフォードは、11MYで出したコヨーテの継続的な進化を怠らず、それが今まで続いていくんだけど、今回はそれをまとめてみるね。 というのもこの継続進化、いろいろとスペックを調べれば調べるほど、なかなかフォードらしくて面白いなぁ、って思ったから。

―――

もともとコヨーテは2011年のイヤーチェンジでマスタングに搭載されたエンジン。
2010年に外見を大幅にアップデートしたあとの次の年だね。

過去にも書いたから今更だけど、コヨーテは仮想敵をカマロが乗せてた第3世代スモールブロックとして、今までのモジュラーV8の基本骨格を崩さずに、420馬力にどれだけ迫れるかっていうのがポイント。

基本骨格を崩さないのは大幅な設備投資を避けるため。特にボア加工や搬送機に大きく影響が出るボア間ピッチ(100mm)やブロック高(227mm)はキープしたいトコロ。

そうなると当然排気量拡大にも限界があるから、フォードが取った手段は高回転化。
6500rpmで最大出力を発揮し、7000rpmまで回すという前提のもとに、ボアを2mm拡大、ストロークを2.7mm延長
(92.2mm x 92.7mm)

その上で空気をしっかり吸えるようにSOHC 3バルブのヘッドを、先代コブラ同様のDOHC4バルブとする。
ここに263°っていう広い作用角のカムを付けたうえで、高回転一本やりにならないように、吸排両方に油圧の位相可変機構を付ける。

圧縮比は11.0と、ポート噴射としては高い値。これはボアが小さいのが効いてる。
 # これはハイオク前提なら大したことないかもだけど
 # 重要なのは、アメリカだとレギュラーガソリン前提っていうこと。

腰下については、もともとの設計がそれなりに新しいだけあって、すでにアルミブロックに6ボルト締めのベアリングキャップと、クランクシャフトの支持剛性に有利な構造。 
だからコヨーテはその基本構成を踏襲しつつ、部品レベルで支持剛性を上げていく。

この結果が400馬力をあっさり超えた412馬力。これはLS3の420馬力には負けるけど、車体が小さいマスタングに乗せる分には、パワーウェイトレシオで戦えるスペック。
これがGMやクライスラーに再度挑戦状をたたきつける形になる。

ここまでと、これの派生形であるロードランナーが前回に書いたお話。

でね、興味深いのが2012年にロードランナーが出てから今までの話。
というのも、それから9年経った今でもこのエンジンは進化系がバリバリ現役。
最前線で戦ってる最中なのだ。

―――

コヨーテにとって最初のマイナーチェンジになるのが2013年。
ベースモデルがフェイスリフトを受けた年なのだケド、この時にコヨーテ自体も仕様変更を受けてる。

見た目には出力が11MYの 412馬力 から 420馬力 に変更になっただけ。最大トルクも発生回転数も一緒。
でもこの際、単なるセッティングの詰めだけでなく、エンジン内部が何点か変更を受けてるのね。

例えばインテークバルブが中実品から中空ステム品へ。
例えばピストンリングが高回転化での挙動を改善したものへ。
例えばヘッドボルト径を12mmから11mmに落として周辺応力を低減。

この変更点、どこかで聞いたコトあるように思えたら、それは正解だったりする。
つまりBoss302の開発の中で新規にオコした部品をベースグレードに逆展開してるのね。

当然型が違って加工が必要なヘッドはお金がかかるから持ってこれない。
でも既存のハードウェアを守った中で、やれることはすぐに展開してくる。
そういうトコロに銭勘定だけない、マスタングだから、っていう拘りを感じたりする。

―――

そしてコヨーテにとって初めての大幅刷新となるのが2015年。
マスタングのベースプラットフォームがリジッドアクスルのS197系から、リアマルチリンクサスのS550系にフルモデルチェンジした年だね。
この世代がGen 2と呼ばれる仕様。


とはいえGen2でも、ボアストや7000rpmレブといった基本構成は受け継がれてる。実質刷新だったコヨーテでも、従来4.6Lからブロックの基本寸法を受け付いだぐらいだから、ここはある意味当たり前。

じゃあ何が進化したかというと、やはり吸排気系なのね。 ロードランナーの開発で得たシミュレーションの知見を活かして、それを大量生産可能なスペックに落としたのがGen2。


まずはベースとなるヘッドがベースの型から変更になった。 狙いはバルブジオメトリのさらなる進化。
 吸気バルブ径を 37.0mm から 37.3mmに拡大、リフトも1mm増やした13mm。
 排気バルブ径を 31.0mm から 31.8mmに拡大、リフトも1mm増やした13mm。
つまりGen1.5には変更規模が大きすぎたロードランナーの排気バルブジオメトリを反映しつつ、吸気側も設計限界まで攻めてるのね。

増やしたリフトに合わせ、バルブスプリングも吸排両方ともロードランナー用の強化品へ。そして吸気側へもビックバルブを採用・リフトを上げたことで吸気量が増えるから、ポート形状もより進化させられる余地が生まれた。
ここでもシリンダーヘッドの型を変えてまで攻めていく価値が出る好循環。

腰下も鍛造ピストンこそ投入できないけれど、ロードランナーの強化焼結コンロッドを持ってきた。Gen1では開発の途中でコストダウンで廃止になったオイルクーラーも、ロードランナー同様に復活させる。

つまりロードランナーでやり切った仕様のうち、7000rpmレブを守り切ったうえで必要なモノをきっちり入れたのがGen2。 その結果がGen1.5から15馬力アップの435馬力という最大出力と、全域でアップしたトルク。

ちゃんとロードランナーで作ったものを使い切って、無駄なお金を使わずパフォーマンスアップを達成する。
台数が少ない車だからこそ、そういうことをきっちり徹底することで利益を出し続ける。
そんな意気込みが見えるのがGen.2


ちなみにそんな意気込みは厳しくなる環境対策についても一緒。

元々Gen.1で触媒位置を縛り、エキマニのブランチ長・自由度の限界を決めていたのが排ガス規制。
GM含めた他社V8はみんな出力なんかシカト決めて、触媒暖気を速くするために芋虫エキマニを使ってヒートマスを減らしてたのに対し、ちょっとでも出力を確保するために溶接パイプ組みのエキマニを使い、限界まで触媒を離してたのがコヨーテ。
その思想はGen.2でも引き継がれてる。 

だからこそ出力影響が避けられないエキマニ側ではなく、インマニに片吸気ポートだけを閉じるフラップ (CMCV) を付けることで、低回転での吸気流速をアップさせて、燃焼速度を上げる。
吸気側VTCについてもロックピンを追加することで、始動直後の油圧が足りない領域でも適切なバルブタイミングを狙う。

これらは暖気が完了して、全開全負荷になれば出力影響が出にくい手段。お金をじゃぶじゃぶ使うのではなく、言い訳なく、性能に影響が出ないトコロできっちり使って、お約束を達成する。

―――

そしてベース車がマイナーチェンジを迎える2018年に登場したのがGen.3

ここでの大きなトピックは直噴化。
ライバルのGMは2013年に既に踏み切っていた手段に、フォードもとうとう踏み込むことになる。
さらにこの世代のマスタングは欧州展開前提、だから直噴システムは欧州の厳しい微粒子規制にも対応する、ポート噴射も備えた最上級仕様。

でもやはり気になるのが、なんでGMは2013年にやっていたことが、ここまで遅れたのか。 

フォード自体は北米向けでも、直噴化に対して及び腰なメーカーでは無いんだよね。
何せ北米にEcoboostのモニカーでダウンサイズの考え方を持ち込んだメーカーだし、 Gen.2の頃にはセンター直噴も含めた知見も十分にあった。 それでも投入がここまで遅れたのは、Gen.2同様に、やはりコストの考え方があったんだと考えざるをえない。


それを考える上で重要なのが、コヨーテファミリーで2016年に登場した、GT350向けVoodooエンジン。

Gen1.0に対するロードランナーのように、Gen.2をベースにRace Engine for Streetをやったのがブードゥー。
だからこのエンジンを語る時って、どうしてもフラットプレーンクランクが注目されるけど、ブードゥーには他にも特筆すべき新機構・専用部品が何点が入ってる。

その一つがブロックから鉄ライナーを取っ払った、プラズマ溶射ワイヤーアーク加工 (PTWA)
簡単に言えば鉄ライナーを入れる代わりに、鉄をアルミのシリンダー表面に薄く溶射して同じ効果を得る技術。

ライナーが無くなれば同じボアピッチでボアを広げられるから、排気量が上がるし、直噴の壁面付着防止にもつながる。 さらに摺動面が薄膜になれば、熱伝導がいいアルミが燃焼室に近寄るから冷却性能が上がって、ノックタフネスも上がる。
つまりどちらも直噴と非常に相性がいい技術で、これをフォードはヴードゥーで実用化したのち、Gen.3で本格量産したのね。

その結果、Gen.3はボアピッチを100mmで保ちつつ、ボアを0.8mm広げた93mmにすることで排気量を4951ccから5038ccに拡大。 さらにGen.1以来 7年間手つかずだった圧縮比を11.0から12.0に上げることで、最大トルクはとうとう570Nmに到達。
1.2Lも排気量に差がある、カマロのLT1 617Nmとの差を一気に縮めてみせた。


とはいえ、当然ながら正常進化の部分もある。
シリンダーヘッドは直噴化する以上、インジェクターを差す穴が増えたり、噴霧を乗せる筒内流動をポート形状で作ったりするから完全に作り直し。 こればっかりにポート噴射のブードゥーを流用するわけにもいかないからね。
でもそれを逆手にとって、フォードはバルブ周りも完全刷新してきた。

直噴インジェクターを燃焼室に刺すことで、バルブ径が割を食って小さくなるエンジンも多い中、吸気・排気バルブ径をさらに0.3mmづつ拡大。 バルブリフトも設計を刷新することで、吸気・排気ともに1mm増やすという、 まさに執念のレイアウトを見せてきたのね。

ここまで吸排気のポテンシャルが上がり、腰下はGen2同様のロードランナー由来の強化品を踏襲。そうなると踏み込みたくなるのが更なる高回転化ということで、Gen.3は回転限界もロードランナーと同じ7500rpmまで上げてきた。

しかも今度はロードランナーの時と違い、トルクを維持したままの高回転化。
全域でGen.2のトルクを上回りつつ、馬力を25馬力上乗せしてみせる。
まさにコヨーテの集大成ともいえるエンジンとなった。

―――

ちなみにGen.3には、Bullitt用のGen.3.5ともいえるバリエーションが存在する。

これもここまで来たら、ある意味いつものヤツ。
Gen.3に対して、GT350で開発した高回転型インマニ+大径スロットルを組み合わせた仕様。

元々出力ピークを7500rpmと高く持ったGT350は、インマニ径が大径で脈動効果の同調回転数が高い。
これをGen.3の骨格と組み合わせることで、より出力発生点を上にズラすことができる。
つまりGT350で作ったものを更に展開した仕様ともいえる。

この仕様の重要なトコロは、エンジン骨格がブードゥーと違ってGen.3、つまりポート噴射+直噴仕様そのままということ。 これは低速トルクが犠牲にならないだけでなく、最新の欧州法規に適合できるってことも意味するのね。

つまりpmや騒音規制に引っかかって輸出できないGT350と違い、世界展開できる上位グレードになるってことになるのだ。これが21MYでGT350がモデル廃止になり、マッハ1に置き換わった背景。
そういう意味でも、ロードランナーの部品を使って仕立て直したGen.2と同じ考え方、と言えるとも思うの。

―――

これが2011年から足掛け10年、フォードがコヨーテを育て続けた系統樹。
それと同時に自分には、フォードがこのエンジンを活かし続けるために、どれだけ苦労しているのか、というのが如実に表れたストーリーにもみえるの。

コヨーテシリーズといえば、いつも目を引くのがロードランナーやブードゥー、他にも今回省いたGT500用のトリニティやプレデターといった、限定車向けのスターたち。

でもフォードはそこで投入される技術を、決して一品モノ・作って終わりのものにしていない。
新技術要素は先行する少数限定エンジンで開発して、それを必ず標準車にも落としてくる。 そういう点が徹底されてるように感じるのだ。


それらはすべてベースグレードのV8を安く、継続して販売していけるものにするため。
GMやクライスラーといったライバルに対抗しつつも、NAのV8なんていう、時代遅れになりつつある代物を、決して絶やさないための努力。

いみじくもフォード自身がFord GTで証明したように、GMがキャディラックATS-Vで示したように、もはや速さを求めるならV6ターボでも事足りてしまう。パッケージングだって成り立ってしまう。 燃費だって改善する。

でも、そんな中でもV8でなければ味わえない世界がある。
もはや理窟ではない、その灯を絶やすことなく受け継いでいく義務がある。

そんなフォード開発陣の執念を感じるような想いを、自分はこの歴史から感じたのだ。
Posted at 2021/04/24 09:42:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2021年04月11日 イイね!

Boss302のRoad Runnerというエンジン

Boss302のRoad Runnerというエンジン今年の7月でBoss302が来てから2年になるんだケド、忙しさにかこつけて、この車について調べたことを、ぜんぜんまとめられてコトに気が付いた。

色々な場所に一緒に出掛けて、コトあるたびにつぶやいてはいたケド、自分の場合は体系立てて整理してアウトプットしないと、やっぱり頭に定着しないので、ちょっとづつ書き始めてみようと思うの。

あくまで自分の頭の整理がメインだし、長文書くのも久しぶりだから、すごく読みにくいことは承知の上。 ごめんなさいね。

―――

うちのBoss302は、S197型マスタングの12~13MYで設定されたグレード。
すごくざっくりいうと、スーチャー付きのシェルビーGT500に対し
NAエンジンのままでエンジンとシャシーチューンを行ったのがBoss302。

当然これはざっくり過ぎで、もとは69~70MYで設定されてたホモロゲまで遡るんだケド
そこら辺は詳しい人がいっぱいいて、中途半端なコト書くと怒られそうだからパス。

ただ重要なのはBoss302の "302" って部分ね。 これは302inch^3で、つまり4949cc。
当時のSCCA トランザムシリーズの上限排気量が5Lだったことから、これをバチバチ狙った専用エンジンの排気量が302in^3だったことに由来する。


もともと06MYマスタングのレトロリバイバルって勝率不明の賭けだったから
エンジン回りは既存のモジュラー4.6Lを流用せざるを得なかった。
それは結果的に大成功するんだケド、それと同時にやってきたGMやクライスラーがピックアップ流用の6LクラスのV8を持ってきたから、動力性能的にフォードが追い込まれて、反撃の狼煙として本気のエンジン刷新をやったのが2011年。

この際のV8エンジン、コードネーム「コヨーテ」が最終的に排気量5Lになるんだけど、これがBoss302の排気量と被ったことから、単にベースグレードで反撃するだけじゃなくて、伝説のホモロゲモデルを復活させようって話になったのが、企画の始まり。

んで、当時のBoss302は、排気量が大きいクリーブランドエンジンをベースに、排気量ダウンと高回転化で馬力を出したエンジンだったから、当然新しいBoss302も高回転型NAになった。
そんなエンジンを今日は一回まとめてみようと思うの。

―――

Boss302の再来であるからには、エンジンは5Lのままチューンした高回転型としたい。
でもそうは言っても、話は単純にはいかない。

確かにベースになるコヨーテは、完全新規ヘッドを持つ当時の最新エンジン。
なので素性はかなり期待できるんだケド、問題はそのベースの出来が良すぎること。 

というのもコヨーテはまだ販売まで2年ある2009年の時点で、エンジンベンチ上であっさり400馬力を叩き出してる。 つまりベースエンジンがやり切っちゃってるから、NAチューン縛りの中でパフォーマンスを伸ばすには、小手先の対策で済まなくなっちゃうのだ。


当時の企画チームも、そこは一度議論になったと残してる。 レースエンジンの手法でどんどん強烈なエンジンを作ることはできるけど、マスタングはあくまで量産車。どこまでやるのかという点が問題。
だからこそ "Boss302" っていう記号性が、大きな意味を持ってくることになるのね。

オリジナルの'69 Boss302はフォード自前のプロジェクト。
もともとスタイリングは最高だけど、中身は普通の凡庸セダンっていうのがマスタング。 
それをレースカーに作り替えるプロセスを、シェルビーに頼らざるを得なかった (GT350) フォードが、4年経って、やっと自分自身の言語で世間に問うことができたのがBoss302。 つまりこれはリバイバルと当時に、シェルビーではない、「フォード」っていう看板が掛かったプロジェクトになる。

しかも21世紀の今回も隣にはシェルビーGT500が並ぶ。彼らはスーチャーを括り付けての400馬力オーバー。
そんな隣に並べられる以上、フォードの看板にかけて中途半端な性能では出せない。


そんな議論と勢いの結果、21世紀のBoss 302も Race car for street がコンセプトになった。
つまりNAで行けるところまで行くと。 きっちりレーシングエンジンの手法で回転馬力を取り切る、そういうエンジンを仕立てると腹をくくったのだ。

そんなエンジンにつけられたコードネームはRoad Runner。
ベースがワイリー・コヨーテなら、それより速いエンジンはもちろんロードランナーだから。

―――

そんなロードランナーの鍵として、ティム・ヴァグム率いるチームが最初に設定したのが
コヨーテを500rpm上回る7500rpmのレブリミット。

レブリミットを引き上げたのは、高回転で高出力を得るため。
でも当然ながら、単にレブリミットだけを引き上げても馬力はついてこない。
インマニの脈動点が合わなくて新気が入らない領域では、トルクはエンジンのフリクションで殺されちゃうからね。

だからチームが真っ先に手を付けたのはインテークマニフォールド。
管長を20mm短くすることで、吸気管脈動の同調点を5250rpmから6500rpmへ、6500rpmから7750rpmに持ち上げる。 ブランチ形状も、可能な限りスムーズにするため、コヨーテの曲がり形状からトンネルラムのような真っすぐに伸びるタイプに。
これで7500rpmまで空気がきっちり押し込まれるベースを作る。

中回転域ではピークトルクは5%ぐらい痩せるし、新規の投資となるからお金もかかる。
とうぜん営業側は反発するんだケド、ロードランナーチームには自信があった。
だから彼らが取った手段は、試作したインマニを付けた車両に主査のデイビッド・ペリカックを乗せること。 早い話がトップに直接訴えたのだ。

彼の結論は 「採用、これは手放せない」 

中速域のトルク痩せは感じられないばかりか、高回転までリニアに伸びるようになったエンジンは完全に性格が変わっていたのね。 この判断が下されたのが2009年の5月で、これがロードランナーの性格を完全に決めることになる。

―――

で、インマニの特性は高回転側にシフトできた。
でも空気が燃焼室に入るには、ヘッド内部の吸気ポートを通る必要があるから、ポート含めたヘッド側の改修も必要。 7500rpmまで回す以上、ここも妥協できないポイント。

よくあるパターンは、ベースのヘッドに追加で機械加工をするパターンなのだけど
(手作業より精度と再現性が高いからね)
元が攻めてるコヨーテだけに、追加工で追い込む形になるとバランスが崩れる。

なので結果としてヘッドも、中子からロードランナー特注という専用品になった。
小さめの中子で機械加工の取り代を確保して、気筒間バラつきを抑えるために燃焼室をフル機械加工。 流試を確保するために吸排気ポート表面も機械加工ですべて撫でる。
レースエンジンと全く同じ工程を、量産エンジンで入れ込んできているのね。

これはコヨーテと実質的に同時期に開発していたからこそできる荒業。

ヘッドの冷却回路のアウトラインやバルブの挟み角、ヘッドボルト位置といった、鋳造や組立設備で要求されるジオメトリーを共通化しつつ、中子レベルでは変更を加えたうえで、Boss302側が必要とする変更はベースのコヨーテ側に入れ込んでおく。
こうやって必要な投資を最小限に抑えたことで、専用ヘッドを入れられるようになった。

さらにコヨーテとの同時開発は、ロードランナーチームがコヨーテ開発で培った経験値を即反映できることにも繋がる。 例えばポート形状においては、コヨーテ時代に詰め切れなかった細部をシミュレーションで一つ一つ詰めて、1馬力づつ拾い上げていくことができた。

また同じフォードの中で、場合によっては同じメンバーが設計しているってことは
当然、設計限界も手の内にあるってことにつながる。その典型的な例がバルブリフト量。

コヨーテチームは基礎設計時、将来を見越して13mmリフトまで許容する設計にした上で、12mmリフトを採用してたケド、これがさっそく使い切られることになった。
吸気バルブはφ37 12mmリフトそのままに、軽量な中空ステムに変更。
排気バルブは傘系を拡大したφ31.8mm、13mmリフトに変更。
増えたリフトとバルブ重量、そして何より上がったレブリミットに対応して、バルブスプリングも開弁力で8%強化して、巻き数を減らした専用品になった。

実はこれらの変更も、ヘッドを専用にして機械加工する、という判断があったからできた。
大きくなったバルブ傘径に対応する加工や、排気バルブシートのカッター角度変更 (40°→45°)、バルブスプリングシート部の強化なども、専用中子と加工プロファイルがあるからこそ。

―――

また、コヨーテより上限回転数を上げて馬力を上げるということは、それに呼応して耐久性も厳しくなるということ。 いくらRace car for streetといえど、フォードがナンバーを付けて売る市販車である以上、そこは守らないといけない最低条件だからね。

実はヘッドについては、同じアルミながら材料が変更されてる (A319→A356)。
これは上がった熱負荷の対策。 同時に燃焼室側については上がった筒内圧、カム室側については高いバルブスプリング反力への対応で、形状そのものも見直されてる。

回転数が厳しいのは腰下だって一緒。
筒内圧と熱負荷が上がったことで、真っ先にピストンは鋳造の限界を超えてしまって、マーレ製の鍛造ピストンへの変更が必要になった。 合わせてリングパックも高回転下でのリング挙動に配慮した専用品に変更。

また鍛造ピストンは鋳造より重い。 これによって往復部重量が増えるから、芋づる式にピストンピンやコンロッドも限界を超えることになる。 なのでピストンピンは負荷が厳しいGT500向けに作られた、肉厚かつ窒化処理済のピンに変更、コンロッドは同じ焼結ながら密度を上げた専用品へ。

ただこの鍛造ピストンは悪い面だけでなくて、高耐熱である点を活かすことでオイルジェットの廃止が可能になった。 これのおかげで、高回転化で通常は懸案になるオイルポンプ容量もキープできることに。
とはいえ7500rpm+高筒内圧で厳しくなるコンロッドメタルの耐久信頼性確保のため
指定オイルも5W-30鉱物油から、全合成の5W-50へ変更。 これは高回転化でのエアレーション防止にも一役買うからね。
そこにダメ押しで、コヨーテでは開発途中で廃止された水冷オイルクーラーを追加。

そして潤滑系の最後の〆として、サーキット走行に対応したバッフル形状への変更。
これらすべてが7500rpmをいつまでも踏み切れるための改良点。

こうして生まれたロードランナーは、中回転域でベースよりトルクは痩せるものの
代わりに高回転で圧倒的に伸びるトルク特性を達成できた。

7500rpmまできっちり回り切り、パワーピーク7400rpmで発生する出力は444馬力。
ベースエンジンを32馬力上回る、まさにRace engine for streetと言える逸品。

でもね、ここまでは、ある種当然のことをやったとも言えるの。
だってRace car for streetは何もフォードだけの専売特許でもないし、やっていることはレースエンジンでは当たり前の内容。 口が悪い言い方をすれば、これらはどのメーカーでも当たり前のようにできること。

だからこそ、自分がこのエンジンに心底ほれ込んだ理由はその先にあるの。
この先でフォードが仕込んだ2点の「遊び」こそが、このエンジンの鍵だと思うのね。

―――

ここまでの文章、実はチューニングカーでは定番の排気系の話が出てきてないのね。
これはコヨーテの排気系が詰め切っていて、Boss302でやれることが無かったから。

コヨーテの排気系の律速は触媒。
量産車である以上、たとえロードランナーだろうが排ガス規制の対策は必要。
だからベースの触媒が、既に暖気特性上離せる限界の位置にいたら、エキマニでやれることって限られるし、触媒で排気流量が絞られてたら、そこから先の配管を弄ったトコロで得られるものはない。
だから性能上は、Boss302の排気系はコヨーテ流用でいいハズ。

なのにロードランナーチームはそこにあえて手を付けてきたのだ。
彼らが追加したのは2本のサイドパイプ。触媒後のバランスパイプからサイドシルに排気。
つまりトータル4本出しの排気系。

上にも書いた通り、ベースの排気系は触媒が律速要因。 だから触媒後にパイプを増やしても馬力には全く寄与しないのに、チームがそこに手を付けた理由、それは 「音」

サイレンサーに入る前の未調音のV8サウンドを、ドライバーに近いサイドシルに出す。
これによって数値的な速さだけなく、アクセルの1mmにすら反応するエンジン音で
ドライバーの感情まで取り込んだ一体感を作りこむ。

鼻先にぶら下がってるV8は、単なるトルクアクチュエーターではなく、ドライバーが操る生き物じゃなきゃいけない。 たとえレースエンジンだとしても、その一点において、アメリカ人は絶対に外さないというコトを無言で伝えてくるハードウェア。


そんな彼らが仕込んだ遊びはこれに留まらないのね。

Boss302は附属する鍵のうち1本が、Red Keyと呼ばれる赤いラベルの鍵になってる。
これはこの鍵で始動することで、ECUのマップをトラックモードに切り替えるため。
それだけなら最近時の車のスポーツモードと一緒なんだケド、重要なのは 「鍵が違う」 ということ。

実はこのRed Key、車両購入時は通常の鍵と同じマップが読み込まれるようになってる。
その上で、購入後にFord Performanceから専用のキットを使ってマップを書き換えることで、アクティベートされる仕組み。
ロードランナーチームはこの「アフターマーケット品」であるコトを最大限に活かして
キャリブレーションを正真正銘のレースカーであるBoss302Rと同じにしてきたのだ。

その攻め方はハンパでなく、アクセルオフ時のトルクフィルター (エンジンシャクり防止で、DBWをゆっくり閉める制御) がゼロなのは序の口。 加速時の点火時期や空燃比も純正より明らかに攻めていて、排気音もエンジン音も違えば、吸気温が高いとライトノックまで聞こえてくるというレベル。
建前上こそ法規対応となっているけれど、本当に排ガス法規入ってる?と疑いたくなるレベルの尖ったキャリブなのだ。

それでいてレースカー用なので、アクセルに対する変なDBWのバカ開きはないし、アクセルを抜けばDBWがすぐ閉じる。 だから「そういう場所」で「そういう運転」をすると、待ちが一切ないNAエンジンならではの一体感を感じるコトができる。
まさにFord Racing謹製、V8を踏みさらすことを知っている、戦う車を知っている人間が作った、まさに本物のキャリブ。

それでいて、このキャリブにはLopey Idleなんて機能まで付いてきたりする。
これは昔のハイカムのキャブ車のような、ラフアイドルを再現する機能。
そう、インジェクションで安定した低回転アイドルができるのに、わざとインジェクターの噴射量を振って、ラフアイドルを作ってるのね。


一方で本気のレーシングキャリブを作りこみながら、もう一方で昔のキャブ車を再現する遊び要素を入れてくる。 そしてその音を確実にドライバーに感じさせるために、レーシングカーとしては死荷重のサイドパイプまでつけてくる。

真に走るためには何が重要で、どこが遊ぶところなのか。
これらすべてが 「車遊びとは何か?」 を理解している人間じゃないとできないこと。

昔のキャブ車がこういう音・振動をしていて、それがキャラクターとして味になることを解っている人間がいる。 そしてそういう良さみを、ちゃんと世代を超えて引き継いでいて、チーム全体で全力で莫迦を楽しんでる。

そんな中でも、最も重要な「エンジンを操って走らせる」という点では絶対に外してない

そんなレベルの高い仕事がエンジン全体からびんびん伝わってくるからこそ
自分はこの車に心底惚れ込んだのだ。
Posted at 2021/04/11 13:53:28 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2019年11月11日 イイね!

こっちで車を買うまでの流れ

こっちで車を買うまでの流れ正直なトコロ、車がないと生きていけない国だから、非常に手続き自体も合理的になってて、悩むところはあんまりなかったんだケドね。
ま、忘れないうちに…

今回のBoss302は中古車だったから、まずはタマを探すトコロから。
とはいえ、なんだかんだで日本と一緒で手段はいろいろとあって、中古車情報サイトも大きいトコロがいくつもあるし、個人売買も地域フリマサイトなCraiglist.orgや、コレクターカーに特化したbringatrailer.comなど選択肢はいろいろ。

今回は一発目から手続きで右往左往するのも…だったので、中古車サイトからディーラー狙い。 毎晩autotempest.comで、現車確認できる範囲での物件情報を眺め続けて、最終的に絞ったディーラーにネット経由で予約を入れてみた、という流れ。

―――

物件探しで面白かったのが、VIN(車体番号)から車の経歴が比較的簡単に追えることね。
https://www.carfax.com/

CarfaxっていうVINナンバーで新車からの名義や整備情報を束ねてるデータベースがあって
ここを見ると、過去のディーラーでの入庫情報・名義変更といった履歴が追えるようになってるのだ。

逆に言えば、ディーラー側は整備のたびに情報をCarfaxに送ってアップデートしてる。
ディーラーにしてみれば手間なんだけど、裏を返すとこれがちゃんと揃ってる車両ば、履歴が完全に追える素性の綺麗な車両ってことになるし、車検がないこの国では、こういう定期整備をいつ・どこで・誰がやってたかって情報がすごく大事。
だから真っ当なディーラーなら、店頭に並べてる車両はCarfaxがネットからタダで見れて、「しっかりした素性の車両ですよ?」ってセールス上の武器になってたりするのだ。

とはいえCarfaxに登録してない、市井の整備工場みたいなトコロで何かやってたら追えないし、悪いコトをわざわざ打ち上げる?って話もあるから、あくまで必要最低限の条件は満たしただけ。
けっきょくのトコロは現車確認はいるんだケドも…

―――

で、夜に連絡を入れたらメールが帰ってきて、次の日に割り当てられた営業さんから電話。
そのまま会話したら、なんならその日に見れるっていうので、フラフラと手ぶらで来店。

面白かったのが、こっちって車検制度がないから、車両登録しても車の価値は下がらないので、どんな車でも簡単に試乗ができる。

しかもそのやり方も「試乗したいんだけど?」って言ったら、「おう任せろ!」って、机の後ろに転がってるディーラー用ナンバープレートを磁石でリアトランクにポン。
「よし!これで公道走行OK!」って。えぇー…なんというかとっても合理的…

実際に超爆音なのを除けば(後述)、車両の動きは素直だし、あちらこちらにガタは感じられるけれど、まぁ許容範囲。なのでかなり前向きな旨を伝えて、まずその日は帰宅。

で、翌週末までに現車で確認したいチェックポイントを伝えて、リフトに乗せて確認。
自分の中で納得できる状態なことが確認できたから、購入の意思を伝えて手続きに。

―――

手続きについても、びっくりするぐらい簡単なんだよね。

自分の場合は幸い、こっちに来てしばらく日が経ってて、SSN(社会保障番号)も発行されてて、クレジットカードもそれなりにヒストリーがあったからかもだけど、必要なのはそれらと自動車保険のみ。

それらが揃ってれば、あとはお金を払ったら、その場でディーラーが仮ナンバーを発行。
その日その瞬間から運転して帰れるのね。

自動車保険についても、正直法外な額を請求されるんじゃ、って思ってたんだケド
 #アメリカの運転歴がゼロの上、なんといってもクルマがクルマ…

初日にディーラーから見積もりを掛けて、戻ってきた見積もりは高かったんだけど、翌週に自分で調べて、日系の保険会社と繋がりがある会社で日本の運転歴・保険歴を考慮してもらったら、かなり安い額になった。
日本でいう全損補償される車両保険と、人身保障額を限界額まで上げた状態でも(こっちは無制限が無い)、日本でアコードとクラウン2台に払ってた額より十分安いぐらい。

これで乗り出しに必要な手続きが完了したから、あとは仮ナンバーで
「はいどうぞ?」って。えぇー…

その気になれば、ディーラー行って1時間後にクルマに乗れるぐらいの気楽さ。
やっぱり完全に車が生活必需品の国は、手続きも簡単なのね…

で、そうやって届いた車を満喫していると、数週間後ぐらいにディーラーから
「権利をそっちに移したから、近くの陸運局でナンバー貰ってきて?」って書類が届くので
それを持って陸運局で$20ぐらいのお金を払うと、正規のナンバーがもらえる。
これですべての手続きが完了。

正直なトコロ、かなり色々と手間取ると思ってたらから、拍子抜けの簡単さだったのだ。
確かにこれだったら誰でもできるわね…

―――

で、最後のオチが超爆音の理由。

元々純正とは思えない超爆音だったし、ちょっと覗いたタイコの形が社外っぽかったので
リフトに乗っけて確認したら、社外マフラーだけじゃなく、まさかの触媒ストレート…

ちょっと予想外だったから、「え?これっていいわけ??」って聞いたら
営業さんが渋い顔しながら「ちょっと調べなきゃいけないから待ってろ」って。
えー…

で、それと同時に「お前が住んでるCounty(郡)は何処だ?」「○○だよ?」って。
なんで聞かれるのかも解らないまま、中に戻っちゃうもんだから、呆れてしばらく待ってたら、すんごい笑顔で戻ってきて
「良かったな!お前のCountyはEmissionチェックないから合法だぞ!」って。
えぇー…

結局のトコロ車検が無いものだから、黙ってやっちゃえば解らないというコトっぽいの。
その後も「やだ。戻したい。」って言っても「なんでさ?パワー落ちるし、音も無い方がカッコいいぜ!」って…なんというか、文化の違いだなぁって実感されられたやりとりが続いたという…

※あ、ちなみに今は全部戻して合法仕様です。
Posted at 2019/11/11 13:55:50 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記

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