速度信号とパーキング信号の取出し
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
間もなくクリスマス、ますます寒さが厳しくなり、恐らく年内の作業はこれが最後だと思います。
この時期はパネル等を外す際、爪を折るリスクが高いです。
現在、①キーレス連動ドアミラー格納ユニット改造(リバース時に左の鏡が下を向くを追加)
②学習機能付ワイパーコントロールユニット
③速度連動ドアロックシステム
の3つを製作すべく同時進行中です。
①は設計とブレッドボードでの試験が終了。
②はソフトウエアで行き詰まり中(笑)
③は設計が終わったところで、これからテスト。
という感じで、気分転換に実車での作業をすることにしました。
画像は無事に速度信号とパーキング信号を取り出したところです。
2
まずは安全第一で、念の為にバッテリーのマイナス端子を外します。
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外したマイナス端子は、ボディー等と接触しないように、ウエスを敷いてその上に置いています。
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続いて養生です。
ナビを引き出すのですが、ナビについている固定金具が樹脂部分にあたると100%傷がつきます。
ミライースの場合はこのあたりで、養生テープを三重に貼り付けています。
シフトレバーもロックを解除して下に下げています。
ワイパーのレバーも念の為にテープを貼っています。
この手間が思わぬ事故を防ぎます。
安全第一!
5
続いてベゼルを外します。
左下あたりにリムーバーを差し込んで浮かせた後、手で引っ張ります。
このベゼルは比較的柔らか目なので、爪を折ることなく外せました。
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ナビは4つのプラスネジで固定されていますので全部外します。
ただ注意点は下の2本は少々奥まったところにあるので、先端が磁石になっているドライバーを使う必要があります。
普通のドライバーだと、外れた勢いで奈落の底にさようならです(笑)
因みに、KTCの樹脂柄ドライバ クロス貫通タイプを長年愛用しています。
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ナビを引っ張り出しました。
以前、車速・リバース・パーキングも、カプラーオンハーネスを製作して接続しておいたので、ここから信号を取り出します。
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精密ドライバーを使って、コネクターから端子を外します。
一旦カットして、引き出し用の電線(AWG26)と一緒に、新品の端子で圧着してコネクターに戻します。
これを、ピンクの速度信号と、緑のパーキング信号に施します。
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これは速度信号ですが、こんな感じで2本の線を圧着して、信号を引き出します。
ここのコネクタは、矢崎製で
オスコネクタ:YZ0403-5PM
オス端子:YZ-0403-TM
メスコネクタ:YZ0403-5PF
メス端子:YZ-0403-TF
で、ユニークシステム社で販売しています。
ここは安くて対応が素早く、お薦めのショップです。
カプラーと端子だけではダメで、圧着ペンチが必要です。
本来は04型用の物が必要なのでしょうが、自分はエンジニアリング製のPA-09で強引に取り付けています。
このペンチ、握りの部分のラバーが抜けてくるので、イマイチです。
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冒頭の画像と重複しますが、
緑色がパーキング信号(サイドブレーキを引いたらアースと繋がる)
桃色が速度信号です。
因みに紫色はリバース信号で既に使用しています。
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信号を引き出したら、本当にその線が機能しているかを確認します。
小さなブレッドボードにマイコンとLEDをセットしたもの、ハンディタイプのオシロスコープ、デジタルテスターを用意しました。
まず、パーキング信号ですが、3.3Vの電源電圧を抵抗(3.9kΩ)を介してパーキング信号線に接続しています。
抵抗の出口から信号を引き出しマイコンに入力しています。
パーキングブレーキを引くと、電源が抵抗を介してアースに落ちるので、マイコンの入力電位は0Vとなります。
パーキングを下ろすと、アースと遮断されるので、電源電圧3.3Vがマイコンの入力に印加されます。
以前、ホンダアコードハイブリッドでこの手法(その時はドアスイッチ)を使ったら、原因不明でアースに落ちないという経験があったので、実車で確認しました。
マイコンの簡素なプログラムで、サイドブレーキを引くと黄LEDが点灯する様にしたので、すぐにわかります。
何度か確認して問題なく点灯しましたのでOKです。
つづいて車速信号です。
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車速信号は少々頭を使います。
車速信号はJIS規格(JIS D5601)で規定されており、車速パルスの周期は60km/h時に、637×【n】パルス/分です。
結論からいうと、ミライースLA350の場合、この【n】は【4】でした。
60km/hで走っている時には、車速パルスが1分間に637×4=2548回出ます。
①15km/hだと637回転/4 = 約160rpm、この際1回転するための時間は60秒/160rpm = 0.375秒。1回転で4パルスだとすると、1パルスの時間は0.375/4 = 約0.094秒 =94msec
②30㎞/h時
上記の計算で47msec
③60km/h時
同じく 24msec
となります。
その前に、車が停止状態で電圧を測定したら、予想に反して【3.66V】でした。
停止していると3.66Vが出っ放しです。(予想では12Vか5Vだと思ってました)
画像は15km/hで走行時の車速パルスで、周期は94msec。
計算とピッタリです。
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続いて30km/hの車速信号です。
周期は47msecで、これまたピッタリ!
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最後は60km/hです。
周期は24msec、ピッタシ カンカン(いつの時代だよ…爆笑)。
因みに運転中にオシロスコープを操作するのは危険極まりないので、買い物に行くついでに、かみさんに運転してもらって自分は助手席で操作・観察しました。
それにしても綺麗な波形です。もっとノイズがのってるかと思いました。
いや~、ダイハツ車、しかもミライースの車速信号の画像って貴重だと思います。
電圧が3.66Vというのもこれまた貴重な情報です。
是非参考にしてください。
パルスがオンの時間とオフの時間の割合が、殆ど同じなのが特徴です。
大変有意義な時間を過ごしました。
これでまた、各ユニットの設計や実験に戻ります。
少し早いですがメリークリスマス(笑)
それでは!
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