
熱い走りをする日本人ドライバーは過去にもいたんです。
琢磨とか一貴とか。
ただ、カムイは何かが違う。
それを再度、痛烈なヴィジョンで認識させてくれた日本GPでした。

チャンピオンシップ争いをしている5人のトップドライバー。
レースの結末はある意味で順当。
「翼をさずかった」絶対的な速さのレッドブルの2名がワンツーを決め、モンツァから復調したフェラーリ・アロンソが単独で3位。安定感のマクラーレンは、今回も不運に見舞われたハミルトンを下して、バトンが面目躍如の4位。
ランキング争いはマクラーレン2人をやや引き離す形で、ウェーバーの首位は変わらず、2位はアロンソとベッテルが同点で並ぶという混沌とした様相となりました。
見る人によっては、トップ争いはあまり動きがなく、面白みに欠けたという人もいるかもしれません。
しかし、5人のドライバー全てが、なんとか誰かを出し抜いてやろうと虎視眈々と狙い、同時に自分は出し抜かれないように、やるべきことをキッチリとこなした結果が今回のトップ争いだったように思います。

その中で、フィニッシュ直前にファステストラップをちゃんと獲ったベッテルは、大好きな鈴鹿ということもあって、少し余裕があったのかも知れませんね。
7レースぶりの勝利ということですが、久しぶりに天才ベッテルの突き抜けた速さが見られた気がします。
出来ることなら、スタートで2位に上がったクビサに、最後までレースを戦ってほしかったですね。
もしかしたら、トップ争いにもひと波乱起きたかもしれません。
スタート直後の混乱の引き金となったペトロフ。
完全にあせって、ライン取りをミスってしまったようですね。
審議対象となっていましたが、どんな裁定となるでしょうか。
カムイとともにルーキーオブザイヤーの対象者ですから、ここでのペナルティはカムイにとっては追い風か?
さて、カムイですが。
一体全体何台抜いたら満足するんでしょうか(笑
たとえトップを走ることになっても、彼は見えない何かを追いかけ続けるような勢いです。
ハードもソフトもナーバスな傾向にある今のF1ワールドにあって、彼だけはまるで80年代~90年代初頭の頃のような、目茶苦茶なオーバーテイクをしてくれます。
誰が鈴鹿のヘアピンで、大外かまそうなんて考えますか・・・?
カムイはフリー走行の時から考えていたんでしょうね。
定番としてはシケインの飛び込み、スリップスピードにアドバンテージがあれば1コーナーがオーバーテイクポイントですが、過去ヘアピンで抜くドライバーいたことは確かです。
カムイの場合は明らかに逆バンク~デグナーを速く走れるようにセットアップしたと思われます。車載で見ると、確実に他のクルマよりこの区間で弱オーバーな挙動でした。
ひとつ間違えばクラッシュ!共倒れ!!なシーンもあってヒヤヒヤしましたが、結果全てのバトルを制して7位フィニッシュです。
バリチェロを抜いたときなど、「その突っ込みされたら、僕には何もできないよ」と、バリチェロは呟いていたことでしょう。抜かせ方にも、300戦を超えた鉄人の敬意が現れていた気がします。
僚友のハイドフェルドも下しましたので、チーム内の評価は元より、世界中の目が再びカムイに向くことでしょう。
あと3戦。
チャンピオンシップ争い以上に、カムイの動向が気になる2010年終盤です。
日本人が1人100円寄付してくれたら、ザウバーの資金難も緩和されるんじゃないか?と、ふと考えてしまいました。
どうです?みなさん(笑
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Posted at
2010/10/10 18:44:59