
こんにちわ、どぅりんりです(^^)/
早速ですが、このお車を覚えていますか?
いすゞ自動車のヴィークロス。見た目とは裏腹にビッグホーンやウィザードのシャーシを共用し、本格のパートタイム4WDと3.2Lエンジンを搭載したクロカンRVなのです。ベースはビッグホーンのショートボディ。
駆動方式はTODと呼ばれる電子制御トルクスプリット4WDをビッグホーンより流用。ビッグホーンに比べ、ビークロスの車両特性に合わせてトルクスプリットの応答性を向上させ、スポーツ性を強調した設定になっています。なお、北米仕様は、現地の仕様特性に合わせ国内仕様のパートタイム方式からフルタイム方式に変更されています(2Hの設定がない。)

エンジンは6VD1型3,200ccDOHCガソリンエンジンで、75°という特異なバンク角を持ち、オールアルミ製で、ヘッドカバーにマグネシウムを採用されていた。国内仕様は3,200ccDOHC(アメリカ版では3,500ccに変更)ガソリンエンジンのみの設定で、これはスペシャリティカーとして投入されたクルマであり、高出力エンジンを搭載させるためにあえて選択されたものでした。型式こそUBS25ビッグホーンに搭載された6VD1ながら、大幅な改良が施されています。

シャシ・フレーム自体は、ビッグホーンショートのものをほぼ流用。変更は、ボディ=キャブのデザイン要件やバックドア側の要件に対応してフレームとキャブマウント位置を変更した程度です。マウントの位置は片側5点、両側10点に位置しています。マウントに用いられる材質は、乗り心地や騒音・振動の低減に有利だが変形が大きい軟らかいラバーブッシュから、ラリーレイドで使用しているナイロン樹脂に近い硬度のものに変更。乗り心地や快適性は一般的な日常の低速走行ではあまり芳しくないですが、高速走行時やダート、モーグル等の悪路では、ドライバーに路面からの情報を遅延なく的確に伝達します。
サスペンションは、前輪がダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪が4リンクコイルスプリングを用いています。カヤバ製のオイルタンク別体のショックアブソーバーが採用され、固めのスプリングと高い減衰力の組み合わせです。足回りでラリーレイドからのフィードバックが特に強く反映された部品がこのショックアブソーバーであり、ビッグホーンのラリー車専用に設計されたアルミ製タンク別体式モノチューブタイプのショックアブソーバーを採用。開発のベース仕様(ビッグホーンラリー用)では減衰力が調整できるものであり、しかもアルミ削り出しでした。開発の際、主要メーカー数社に依頼を行い、最終的に某メーカーのアルミ製タンク別体式モノチューブタイプの開発・生産が得意な2輪部門(オートバイ)で開発を担当することとなります。当時、アルミ製タンク別体式モノチューブタイプのショックアブソーバーといえばバイク業界でも最新の技術であり、4輪用ではまだ市販どころか量産用の開発さえされておらず、2輪部門が開発を担当したのは当然の成り行きでした。
量産化に際し、調整構造の廃止と減衰力の見直し以外、競技車用とほぼ同スペックです。
実際に部品単体でショックアブソーバーを注文すると、1本当り5万円という破格の値段。なお、北米仕様のサスペンション設定は、現地の路面状況や嗜好に合わせ、ショックアブソーバーの減衰力の違いや、ラテラルロッドを廃止する等の変更が加えられており、国内仕様に比べて乗り心地を重視したものになっています。
いかがでしたか?探すのも一苦労と言える車両ですが、だからこそ見つけた時の愛着も一層のことと思います。希少にして奇抜、個性的なヴィークロス。乗れるのは今が最後かもしれません。
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車だいすき | 日記
Posted at
2021/02/15 10:44:05