軽量クランクプーリーって?検証!
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
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本日の主役。軽量パーツの代表格。ジュラルミンクランクプーリーになります。
ジュラルミンプーリーは既に搭載しています。チューニングカーには必ず付いており、見栄えも良く満足度の高いパーツです。値段も手頃で車上交換も可能です。レスポンスも体感出来る分かりやすい部品です。
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しかしある時からアイドリングから、2000回転付近まで回転を上げると、原因不明の振動がボディから伝わってきます。当初はは原因も分からずやり過ごしていました。プーリーも綺麗に回っていてブレもありません。
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調べていくうちに、内燃機関に発生する、すりこぎ運動という物理的な現象に辿り着きました。すりこぎ運動とは自転している物体の回転軸が、円をえがくように振れる現象で、クランク軸はこのバランスを様々なウェイトで相殺しないと振動として現れてしまいます。フライホイル側とクランクプーリーは双方の重さで様々な振動を打ち消しているので、単純に片側だけ軽量化すれば、お互いの重さの違いが振動に現れていると推測しています。
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さらにこのアンバランスな振動が長期に及ぶとコンロッドベアリングにもダメージが及び、その他、振動で補機類にも悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
大切な事は軽量パーツがダメではなく、物理的現象を理解せずに取り付けてはいけないという事です。硬度のあるパーツはレスポンスは良いですが同時に振動として現れます。競技用エンジンなどは、全て組見上げた状態でフルバランスを取っています。またレースでは短時間でオーバーホールするので耐久性は犠牲にしています。我々のクルマは35年の耐久レースをしています。絶対に壊さないパーツの選択が必要です。
強化エンジンマウントですら振動面で改悪であるとの意見も散見します。
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対策はまずノーマルプーリーに戻すことにします。純正ノーマルは、軸部、クランクシャフトと結合する部分と外周部、ベルトが掛かる部分の間にゴムを組み込むダブルマスダンパーがあります。これはクランクシャフトのねじれ振動および曲げ振動の共振を低減させるためとあり、その状態で現象の確認をします。
交換後は予想通りに振動もなくなり、初期の安定したバランスの取れたアイドリングに戻りました。低速トルクも増えました。各メーカーが膨大な時間をかけてセッティングした部品には意味があります。決して軽いだけがメリットではありません。
皆さんの参考になれば幸いです^_^
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