デブ巨摩が所長を務める、重機のリース屋には
中学からのツレの赤毛の他に
○走時代の後輩、ゼットンとナムルも働いていた
赤毛はハコスカで
後輩の二人も ワッパのドリフト派だったのだが
ゼットンは、豚猫ツーリングで知り合った 65歳で大型二輪免許を所得した銭形さんに感化され
自身も教習所に通い 念願の大型バイクを手に入れ ZRX
ナムルも、アルテッツァでドリフト派だったのだが
娘が中型免許を所得したのをキッカケに
バイク復帰して、豚子のお古のインパルスを
拝み倒し
土下座しまくって
やっとの事で手に入れた
二人とも、天気が良い日は
必ずバイクで出勤
仕事が終わると、事務所の前でバイクを眺めながら、
あーでもない
こーでもない
あの頃と、同じ様にバイク談義している
「アルピナの件、聞いた?」
「聞いた!聞いた!2チーム編成だってな」
「実は二台だったとか、ヤバイよな〜」
「伝説の運び屋ってホントかな?」
「マジで漫画だぜ」
「にしても、選ばれなくて、良かったよ〜」
「バ〜カ、おめーが選ばれるわけねーだろ」
ナムルがゼットンに煙草の煙を吹きかけて笑うと
「そうは、そうだけど、カネゴンがな」
「ん〜控えの補欠にしても、意外とゆーか」
「好豚ちゃんは、分かるとしてヤワラのブス!」
「いやいや、ヤワラの Vブーストの開けっぷりはヤベ〜って」
「まぁ、現に追いつかねーし」
ゼットンは渋々納得
「まっ、俺らはリーターンのオジサン組だし、ゆっくり走ろう神奈川で」
中免復帰したばかりの、ナムルは族車だし、全く気にせずに答えるが
好豚とヤワラと教習所に一緒に通い、大型免許を所得したゼットンの心境はイマイチ
「オメーそのメットで平気なのかよ」
「別に、昔からコレだし」
ナムルは 豚猫モータースに放置されてたので貰った
族ヘルを ポンポン叩く
「風切り音、怖くね?」
「そっか〜?」
「昔って、風切り音こんなだったけ?」
「オマエのは大型だし、加速が違うからじゃねーの」
ナムルに指摘され、ゼットンは確かにと思ったが
若い頃、風切り音なんか気にした 記憶が全くなかったので、納得がいかなかった
「今から、二輪館まで付き会えよ」
「やだよ」
「即答すんなよっ!」
「二輪館って、新横だろ、やだよ面倒くせぇ〜」
「イイじゃねーかよ!」
「ダメだ、今日は嫁の誕生日だから、忘れたらバイクごと捨てられる」
「それは、ヤバイなっ」
「明日なら良き」
「明日は雨予報だし」
「じゃあ、明後日」
「今日〜メット見に行きたいんだって」
「あ〜豚子ちゃんが自慢してたメットか」
「そうそう、アレよっ!」
「娘のも同じだし、あの値段だと週末には、男サイズだと売り切れちゃうかもな」
「だろっ、やっぱり今から、一人で行ってくるわ」
ゼットンは立ち上がって、メットを手に取ると、ナムルはウンコ座りしたまま
「いってら〜」
手を振り見送ると
「おらー締めるぞっ、早く帰れよ」
デブ巨摩が 事務所から出てきて、SECOMのボタンを押すと
「30秒以内に鍵を閉めて退出してください」
自動アナウンスが流れ
デブ巨摩が 事務所の鍵を締めた
「あっ、お疲れ様です」
ナムルは立ち上がって、挨拶
「下手くそと、一緒にけえーんねーのかよ」
デブ巨摩は ナムルに答えると
「なんか、新横までメット買いに行くって」笑笑
「ふ〜ん」
デブ巨摩は、一瞬焦ったが 興味なさそうに適当に返す
「豚子ちゃんが、新しいの自慢レビューしてたじゃないすっか、アレですよ」
「あーあれな」
デブ巨摩が、全く、興味なさそうに演技して答えるが
ナムルは話を止めずに続け
「豚子ちゃんて、直ぐ大袈裟にするし、メットなんか、新しくても、みんな同じっすよね〜」
「やっぱ、気合いだろ」
「ですよね〜ノーヘルで走ってた時期もあったし」
デブ巨摩は、新しいメットを頼んだ事を 切り出せなくなり
「オラ、帰るぞ」
素っ気なく、ミラーに掛けてある、ナムルの、当時モノ リード工業の族ヘルをポンッと叩くと
ピコン♪
デブ巨摩のスマホから LINE の着信音がなった
ナムルは勘違いして、虎一の作業ズボンの横ポケから 自分のスマホを出して画面をみると
「あれ?違う」
デブ巨摩を見ると、デブ巨摩は自分のスマホを見て、慣れない指先で返信をしていた
お疲れ様で〜す
今日、マルケスのメット、塗装屋さんに出しました〜♪
既読
ありがとう〜出来上がったら教えて下さい
既読
ピコン♪
了解で〜す、楽しみに待っていてくださいね
既読
「グルチャじゃないし、誰と LINEしてんですか?」
ナムルが不思議そうに、デブ巨摩に詰め寄ると
デブ巨摩は 素早くスマホを隠し
「豚猫モータースだよ!中島君」
デブ巨摩が 声を荒げ気味に答えると
「あっ、なんだ」
「オラっ、門閉めっから、さっさと帰れっ!」
デブ巨摩に追い払うように、手を振られたので、ナムルはなんだか、納得がいかなかったが、シールドも付いてない族ヘルを被ると
「お疲れ様で〜す」
挨拶し、爆音を残し会社を後にした
ゼットンは 浮島から上がらず
一つ先の殿町から 横羽にのり アクセルを捻った
中島店長には 最終型の ZRX DAEGを薦められたが
どうしても ディアブロ ブラックが欲しいのと
豚美の助言で
最終モデルの DAEG と同じ排気量の 1200R で決定した
やっぱり、1200R にして大正解で良かったと思う
DAEG の様なインジェクションだと O2センサーが邪魔で爆音に出来ない
豚子のザッパーがイイ例で、O2センサーを外し、直管にしようものなら、直ぐにメーターのエラーランプが点灯する
ローレプに、一番似てる 400も捨てがたかったんだが・・・
せっかく大型免許にアップグレードしたし、実際に乗ってみると
安定感もあるし、街中でも大トルクの大型バイクの方が
400より楽チンだった
横羽に乗り、生麦から第三京浜を交差して
東名に繋がる新しい道
一昔前なら、考えられないほど、便利になったのだが
やはり、ナムルが言ったとおり、川崎の工業地帯から、新横浜は面倒だった
横羽は帰宅ラッシュで渋滞していたが、豚猫ツーリングで鍛えたスリ抜け開始
相変わらず、豚猫ではケツから数えた方がはやいライテクだが
スリ抜けだけは一般ライダーより上手くなったと
自分でも感じる
ブオォー♪ブオォー♪
スリ抜け出来ずに、もたついてる
レイニーレプリカを被った
最新の XSR 900 GP
これみよがしに
吹かしテールを見せつけ
置き去りにして
生麦まで渋滞を走り抜ける
この新しいバイパスが無ければ
「新横浜なんて絶対に来ね〜な」
新横浜なんて地名だと、横浜の近所だと思う人が多いが
それは大きな間違いで
田舎に無理矢理作った新興地で
有名なのは崎陽軒と日産スタジアム
今でも取り壊されない、第三京浜が見下ろせる 心霊ラブホテル
当時、日本最大のサッカー場とスポーツセンターが作れたほど、土地が有り余っていた過疎地だった
そうそう、日産スタジアムの欠片落としは
矢沢永吉の50歳 LIVEだった
その日は朝から雨で、嫌がる豊子をアンソンとキムコと拉致ったんだが、始まった瞬間に雨が止んだのを覚えてる
矢沢永吉 50~76歳
あれから 26年
俺らもオッサンになるわけだ
新興地の駅なのに、不思議な事に、駅前にはラブホも多く存在する
忘れられぬ 女がいる〜
横浜 ハタチ まえ〜♪
一人、ヘルメットの中で歌いながら新横で降り
ダラダラと下道を走っていると
目的の二輪館に着いた
駐車場には仕事帰りに寄ったであろう、控えめにステッカーが貼ってある、横浜ナンバーのハイエースと軽自動車が二台停まっていた
ZRX を停めて、ヘルメットを脱ぐと
ハイエースから降りてきた、それっぽい職人と一瞬目があったが
ただ、それだけ
10代の頃だったら、目も合わないウチに喧嘩になっているが
お互いに 仕事帰りのオジサン同士
なにも起こらず
浜ナンの職人は一階に
ZRX を買ってから、色んなバイク用品店に頻繁に来ているので、ゼットンは迷わず、ウェアーとヘルメット売り場の2階に直行
階段を駆け上がると、一番目立つとこに、バリバリ伝説のメットが鎮座してあったが、バイク漫画は 湘爆しか読んでないのでスルー
OGK のコーナーを探し、キョロキョロしていると
「いらっしゃいませ〜♪」
背後から、想定外の可愛いい声に呼び止められた
「ヘルメットのメーカーお探しでしょうか?」
振り向くと、吉岡里帆に似た店員が
マック店員バリのスマイル
どん兵衛〜
いや、狐につつまれた様に
ゼットンの時が止まった
まだまだ、続きま~す🐷