2009年12月23日
笠岡ふれあい空港
先日行った岡山県笠岡市。
干拓地が広がり、カブトガニの生息地としても有名な場所です。
その広大な干拓地を利用して、そこを縦横に走る”農道”。
干拓地に出来た農地にある農道ですので、非常に真っ直ぐで距離も長い。
この農道を利用して簡易的な飛行場を作ったのが”笠岡ふれあい空港”です。
この事業は”農林水産省の所管”で行われた事業で、一般に”農道離着陸場整備事業”といいます。
いわゆる”農道空港”と言う物です。
バブルの頃の怪しい計画ですので、当然景気が悪くなれば頓挫する事は目に見えている事業でした。
にもかかわらず、いわゆる”農水族”の旗振りで強引に計画が実行された事は否めません。
大義名分としては、当然農林水産省の所管ですので”新鮮な農産物をスピーディーに大都市の消費地へ!”ですね。
実際そんな方法で輸送された農産物なんか高価で売れるわけもなく、完成当時は既に山陽自動車道もかなりの区間で開通しており全線開通も目の前でした。
誰がどう考えても”無駄な事業・採算の取れない事業”だった訳です。
自動車輸送だけではなくJR山陽本線も真横を走っており、農産物の輸送は無理かもしれませんが新幹線も通っている地域です。
1991年10月に開港したは良いが、その後本来の目的では殆ど利用されず、運営協議会自体が昨年8月に解散しています。
そんな経緯はどこ吹く風・・・
くだらない車のイベントやゼロヨン大会、ドリフト大会にラジコン飛行機のメッカとして利用されている訳ですが・・・
農業&農道とは全く関係の無い利用方法です。
そもそも、農道と言う定義からしてそういって使い方はいかがな物か?
ヤン車の集まりやゼロヨン大会、ドリフト大会と農業は何の関係が有るのか?
利用している人たちは、こういった税金の無駄使いを何とも思わないのでしょうかね?
お金を払ってまで利用する=その無駄使いを認めているって事でしょ?
もっと言えば、その利用料金自体が”借金の返済”に使われているって事です。
ひょっとすると、干拓事業自体が”空港ありき”の事業だったのかもしれません。
もっとも、岡南飛行場(旧岡山空港)も児島湾干拓事業との関係が有るのかもしれませんが、ココの干拓事業自体は江戸時代からの事業ですので農林族がどうのこうのといった類の事とはあまり関係ないかも?
でも、干拓事業~空港設置の経緯はどうも・・・
笠岡ふれあい空港だけでは有りません、日本全国にこの手の”農道空港”は笠岡を含めて8箇所現存します。
何処とも正規の利用方法は行われておらず、何処とも笠岡と同じような運命を辿っています。
干拓事業自体、今となってはあまり正しい事業とも思えません。
一体この責任は誰が取るのか・・・
誰も取らないと思うし、それ以前に誰の責任で行われたかが不明です。
綺麗な海岸線や生態系を壊してまで行わなければならない事業なのか?
正しく正規の方法で多数の方が利用するのならそれもいたし方が無い事だとは思いますけど、利用しないわ生態系は壊すわ・・・
一体何をやってんだか・・・
こういったことは飛行場だけではありませんよ。
道路族VS農水族の鬩ぎあいが各所で行われています。
ダム問題もそうです、全てが国土交通省絡みの事業では有りません。
農水省所管の事業や各地方自治体の物もあります。
一体この国は何処へ行こうとしているのか・・・
トップがしっかりと行き先を決めないと、兵隊は路頭に迷うばかりです。
それに・・・組織が腐っていくのは”中間”からと言う事も忘れずにね。
まぁ、こんな事を書いていても半径25km圏内に3つも飛行場のある地域に住んでいますからねぇ・・・
3つどころか、”ブンチンさん”がセスナを置いている”Y尾空港”も有りますけど。
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ウダウダ | 日記
Posted at
2009/12/23 00:12:57
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