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2010年06月08日

モータースポーツマンシップ考。 (久々の長文注意!)

モータースポーツマンシップ考。 (久々の長文注意!) Shi-Baを購入するためには鶴ヶ島市まで足を延ばさねばならないのかもしれないと覚悟を決めつつあるグル万です。

さて、先週末のトライアル世界選手権@もてぎの私的総括をば。

トライアル世界選手権には、上から「ワールド」「ジュニア」「ユース」の3つのクラスがあり、それぞれで減点数によって順位が決まります。

トライアルは「セクション」と呼ばれる岩やら丸太やら崖やら池やらを組み合わせた「障害」をいかに足をつかずに超えてゆくかが勝負です。
ちなみに、欧州で開催されるインドアトライアルでは、ドラム缶やら土管やら巨大タイヤやら巨大U字溝やらが組み合わされます。

ライダーはもちろん一度も足をつかずにクリアする(これを「クリーン」と呼びます)ことを目指しますが、足付き1回で1点、2回で2点、3回以降は3点の減点になります。
また、落車や後退、コースロープを車体がまたぐ、マーカーの外の通過等のときには5点減点となります。

今回はユース、ジュニアはスペイン人・イギリス人・フランス人が表彰台を分け合いましたが、圧巻はワールドクラス。
なんと、1日目・2日目ともにスペイン選手が表彰台を独占することになりました!!

最強マシンMontesa HondaのRTL280を得て4年連続チャンピオンを狙う絶対王者のToni Bou。
金色のGAS GASに乗りながら高い実力を誇るAdam Raga。
ここ数年で安定して実力を発揮するようになったJeroni Fajardo。

表彰式では、彼らの背後の3本のフラッグポールの全てに掲げられたスペイン国旗がが誇らしげにはためいていましたとも。

ところで。

2004年度の世界チャンピオンは我らがFujigasこと藤波貴久選手でして、ここ数年もBouに伍してシリーズを戦うほどの実力の持ち主です。
また、Fujigasは日本GPをとても大切にしており、もてぎでの優勝を常に切望していることでも知られています。

で、コトは土曜日の第15セクションで起こりました。

セクション前半を1点の減点でクリアしてきたFujigasは、セクション最後の難関の滝登りも気合でクリア、会場は拍手と歓声に包まれます。

ところが、オブザーバーの立てた指は2本。
つまり、セクション後半でもう一度足を付いていたという判定でした。

これにFujigasは猛抗議。
セクションのゴール地点から動かないままオブザーバーに食ってかかります。
さらに、その場を撮影していたメディアを発見するとビデオ判定までも要求。

観客からは「足、着いてないぞー!!」「1点1点!!!」のヤジが飛びます。

結局、5分にわたる猛抗議の甲斐あって、減点は1に修正され、Fujigasは腹立たしさをぶつけるようにウィリーで次のセクションに向かいました。

私は、この時点でFujigasは失格で良いのではないかと思うのです。

日本人が日本グランプリにきて日本語で抗議して受け入れられてしまうオカシサ。
ビデオ判定なんてルールはないはずなのに、強引に判定させる図々しさ。
トップとはかなり点差が離れているにもかかわらず、競技の進行を止めてまで抗議を続ける理不尽さ。

確かに、気持ちはよくわかります。

「ここでの1点が最終的に勝負を左右する1点になるかもしれない」と思ったのでしょう。
自分のライディングに絶対の自信があるからの猛抗議だったのでしょう。
1番走者のストレスもあったのかもしれません。

でも、それでもこの抗議はナシだと思うのです。

じゃ、最終的には全セクションをビデオで撮り続けて、究極は、ブーツなどに電極仕込んでおいて足付いたらブザーが鳴るようにしておけば良くなってしまいます。
現に、フェンシングなんてそうしてますでしょう?

そこを、トライアルは人間が判定するから面白いのです!

足着いてるのに誤魔化し方がうまい人、着いてないのに減点されてしまう人。
それだってテクニックですし、それだってスポーツです。

だいたい、それで減点が1減って何が嬉しんでしょう?
それでさすがFujigasって思う人はいるのでしょうか?

そもそも、日本語しか分からないオブザーバーとスペイン語しか話せないライダーとがいて、なぜ競技が成り立つと思っているのでしょう?

オブザーバーは絶対で、選手は絶対的にオブザーバーに敬意を払っているからこそ成り立っているのだと思います。
それが競技をする人のマナーです。

観客も観客です。
ヤジられるオブザーバーの方の気持ちを考えたことがあるのでしょうか。
ワザと間違えてるとでも思っているのでしょうかね?

こういうシーンはスポーツではあまり見たくないものです。

これと対照的だったのがメジャーリーグの「誤判定」問題です。

タイガース完全試合達成の最終アウトをセーフとしたジョイス審判員は、ビデオで誤審を知るとすぐガララーガ投手のもとに行き「すまない。大記録を奪ってしまった」と謝罪しました。
対してガララーガも、「誤審は試合の一部。人間は完全ではない」と謝罪を受け入れました。

更に、翌日の試合でタイガースのリーランド監督は、球審に回ったジョイス審判員のもとに先発メンバー表を持っていく役をガララーガに任せます。
審判団との握手、涙をぬぐいメンバー表を確認するジョイス審判員、その肩をぽんとたたくガララーガ。
そして、スタンドのブーイングは拍手に変わったそうです。

リーランド監督のコメントが泣かせますね。
「タイガース・ファンは品位を見せてくれた。誇りに思う」、と。

スポーツのなんたるかを忘れた人間に参加する資格はないと思います。
「プロ意識の表れだから仕方ない」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、個人的には「プロだからこそスポーツマンシップにのっとるべき」なのだと思います。

更に言えば、プロには、「そのスポーツの地位を高めて後進を育て、スポーツを通して皆を幸せにする」という使命と責任があるはずです。

例えば、コーナーに2台並んで入って接触して以来口も利かない、なんてのはダサすぎると思うのです。
行動レベルでいえば小学校低学年程度ですよ。

逆に、個人的に本物のプロライダーだと思わせてくれるのはYAMAHAの黒山健一選手の方ですかね。
とにかく観客を楽しませることについては天下一品!
実際に観戦していただければその凄さを感じていただけると思いますよぅ!

ということで、いろいろと考えさせられるトライアル観戦となりました。

あ、ちなみに、Bouはこの15セクション、余裕のスーパークリーンでクリアしていきました♪
「クリーンってこうじゃなくっちゃね♪」と言いたげなガッツポーズがカッコよかった~。

では、最後にインドアトライアルの動画をどうぞ!!
ブログ一覧 | トライアル | 日記
Posted at 2010/06/08 21:01:36

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この記事へのコメント

2010年6月8日 21:48
誤審は無い方がいいに決まっていますが、100%防ぐことは出来ないですよね。
一時期アイスホッケーをテレビで見ていたのですが、テレビからフレームアウトしそうなところで
パックを持っていない選手同士がバトルを繰り広げて、なーに、してんのかなーって
見ていたことがあります。

誤審が多くなればビデオ判定を使わざるを得ないと思いますが
通常であればスムーズな進行を遅らせる事から、審判の判定が絶対になるでしょう。
スポーツマンであれば、受け入れる必要もあると思います。

選手もプロですから誤審であれば、プロ意識が強く出て文句を言うのも分かりますが
余り観客を轢かせる想いはさせて欲しくないかな。。。


コメントへの返答
2010年6月10日 1:34
観客の皆さんはFujigasの猛抗議に盛り上がっていたのですよね~。
それも不思議な感じがしました。
勝ちゃいいんかい、って。

オブザーバーも人間である以上、誤判定も仕方がないと思うのです。
それを「しょうがないよね。でも次から気をつけてね!」っていう余裕が欲しかったですね。

このような点数競技の大前提は「ジャッジ=絶対」という事だと思います。

全てがビデオ判定のトライアルなんて今よりつまらないことは明白だと思います。

言い過ぎかもしれませんが「見苦し」かったです。

難しいですね~。
2010年6月8日 21:59
採点競技である以上、誤審、とまではいかなくても恣意的なジャッジはありうるものです。
同じく採点競技であるフィギュアスケートの世界には、その手のあまり聞きたくない話がゴロゴロしていますし。
恣意的ではないにしても、ジャッジ研修でA、B組に分かれて同じ試合を採点したら、優勝者が違っていた、なんて話も聞きます。

選手には不可解な判定に対して当然抗議をする権利もあるとは思うのですが、それにしてもその場で判定がコロコロ覆るようでは、競技として成り立たなくなってしまいます。

私はその場にいたわけではなく、また、藤波選手大爆発に至るまでの過去の経緯(それまでも微妙な判定が続いていたのか?)も知らないのですが、グル万様の話の限りでは、ヤジられたかわいそうなオブザーバー氏、もっとしっかりしろよ、という感も受けます。
厳しいですかね・・?
コメントへの返答
2010年6月10日 1:43
フィギュアスケートは本当に大変そうですよね!
体操競技とかもそうですが、点数で勝敗が決まるというのは、すなわち判定基準が極めてあいまいということでもあって、それを清濁併せ呑める人格が選手にも審判にも観客にも必要とされるのだと思います。

モータースポーツは、絶対的な「タイム」という数字によって勝敗が決まることが多く、その点も好きな理由だったのですが、トライアルは本当に難しいです。

いわんや、審査員が「99点!!」とか叫びながら審査をしてるD1GPなんて…(以下自粛)
客観的な数字はコーナーへの「進入速度」なんちゃって…(以下また自粛)

でも、sdgさんのおっしゃるようにオブザーバーの方ももっと毅然とした態度で臨むべきでしたね~。
一度譲ってしまうと、次からは更に自信を持ったジャッジが出来なくなってしまうと思いますし。

ちなみに、ビデオ映像を見せたメディアもなんだかなぁ、と。
日本人以外には見せないんでしょ?

ま、そういう複雑な要素を含めてもトライアルは観にいく価値アリなのですが♪
2010年6月8日 22:41
グル万さんのおっしゃりたいこと、すごくよく分かります。

僕も2005年にトライアル世界選手権を取材したとき、
同じような光景に出会いました(というか、トライアルではよくあることですが)。
そのときは野崎選手が例の滝のセクションで1点減点だと思っていたようですが、
オブザーバーの判定では2点減点。当然、彼も食ってかかり、同じような野次が飛び、判定は覆りました。
そのとき僕は彼の自信と気迫を感じたのですが、後々果たしてアレはフェアなのか、と考えました。
つまり気迫で押せば、判定が覆る、ということが常識になってしまったら
スポーツは成り立たない、ということです。
スポーツはルールあって初めてスポーツとして成り立つものですからね。

トライアルはオブザーバーが見る角度によって実際は足をついていなくても、
ついたように見えてしまうものです。
それをちゃんと頭に入れておくのか、そうでないのか。
そこに選手の見識深さの違いが現れると思います。
つまり競技としてトライアルをする以上、実際に足をついていないとしても、
オブザーバーの位置を把握し「ついていないように見える」パフォーマンスをしなければならない、ということ。
疑念を持たれるようなパフォーマンスは、減点と判断されても文句はいえないのではないでしょうか。
それをプロに求めるのは酷ですかね。
いや、それができてこそ、プロとして、またその選手の品格の高さとして評価されると、僕は思います。
反対にオブザーパーにもオブザーバーとしての誇りを持っていただきたい。
その1点で選手生命を左右する(かもしれない)という意識を持って、
判定に望んでほしいと思います。

その点、BOUはオブザーバーにも、観客にも有無を言わさないスーパークリーンだったようですね。
まさに“格”の違いを見せ付けられましたね。

コメントへの返答
2010年6月10日 2:12
どうしてもトライアルはジャッジに対する不満が出てしまうスポーツですよね~。

ステップの上からの足つきなど、どっちにでも取れる行為があったり、リヤタイヤの微妙な位置をライダーが目視できなかったりして、真剣にやっている以上不満が爆発してしまうのは仕方がないとは思うのです。
ただ、プロとしてそこは冷静になるべきですよね~。

シモジマさんのおっしゃるように、特に今回のFujigasの行為は、トライアルという競技の根底を否定しかねないものだったと思います。

その競技でメシを食っている以上、絶対に守らなければならないルールがあると思うのです。
その曖昧さがイヤなら、トライアルをやめればいいのですよね。

Bouなんて、最高レベルの技術に加えて、自分がいまオブザーバーからどう見られているかをよく考えながらセクションを攻略していると思います。
クリーンはよりクリーンに見えるように走っているのですよね。
そういうテクニックも観客としては楽しいわけです。

全盛期の長嶋茂雄選手は、ギリギリストライクのボールがくると、「よ~し、ボールボールボール!」と呟きながら見逃したそうです。
すると不思議とアンパイヤもボールの判定になったりするそうで。
これだってテクニックだと私は思います。

この15セクションの悲劇は、
①抗議をしたFujigas
②自信の無いオブザーバー
③ビデオを見せたメディア
にあったと思います。

また、外国人選手がこれを知ったら、日本に来たくなくなるかもしれませんよね。
特に世界選手権ですから、あくまでもフェアにやらないと!
フェアなジャッジはホスト国の最低限の責任だと思いますし。

ということで、来年はどういう展開になるか、既に今から楽しみです!!

来年はぜひ一緒に行きましょう~!!

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