2013年08月31日
サバの骨の美しい曲線
ジブリ最新作、「風立ちぬ」
を観て来ました(^^)

(ネタバレ注意)
宮崎駿監督の妄想みたいな感じがしましたが(笑)
兵器や鉄の質感や、エンジンや動力機関の細部等の描き込みは、監督のミニタリーマニア魂から、きているのか素晴らしいです!
飛行機の浮力特性には、美しいサバの骨の曲線の比率が、羽根のモノコック設計に活かされていたり(笑)

(タイトルはここから取りました)
日本風土、美しい自然の描写や、
特に、雨、そして「風立ちぬ」というくらいなので、風の描写が秀逸でしたね。
髪や衣服が、はためくところとか、パラソルが飛ばされるところ、飛行機が空を切り裂いて旋回する時の空気抵抗とか。
あと効果音なんですが・・・、
そのまま人が口で発しているんです(笑)
スイッチが、「かちっ」
燃料系統が、「しゅこしゅこしゅこ・・・」
エンジンが、「ばらばらばら・・・、ぶぅろろろろ・・、」
プロペラが、「ぶるるるるるぅ~~ん」
主人公の声優が、エヴァンゲリヲンの庵野監督を起用し(驚)
演技とかできないので、物語が始まって、まるで棒読みでしたが(笑)

最後の方になると堀越二郎そのままになって、一番最後のセリフは、きっと庵野監督でなければ成し得なかったんじゃないか、と思うくらい適役だったと思います。
全般を通して、考えさせられるものが多いと僕は思いましたが。
はっきりとした時刻を告げられないので、時の流れ方が掴めず、
物語を想像を巡らせるように追っていきますし、
メカや機体の設定、航空力学等、
例えば、沈頭鋲という機体表面の空気抵抗を減らす鋲や、

ジェラルミンという軽量金属であったり、
何も説明無しでストーリーが進んでいくので、子供や女性等、機械にうとい人は、その事が分からないまま物語を観ていくのかと思いました。
時代背景も、関東大震災や戦争に突入していく中、
主人公を含めた青年達が情熱を注いで、性能の良い飛行機を作れば作るほど、
戦争は激化し、
後戻りできない局面になるという。
宮崎監督も、きっと戦争反対なのでしょうが、兵器が好きで好きで、でも戦争は反対という矛盾をはらんでいます。

ヒロインの妻が結核を患っていて、
このあたりは美人薄命とでもいいましょうか、
おごそかな結婚式ながら、花嫁衣装はとても綺麗で、
襖を開けて登場した時、パァーーっと明るくなり、主人公も心を奪われる光景がありましたが、
のちに病を治さなければならない中、病院を抜け出して、今の一番美しい自分を見てもらいたいと、本当に健気な一途な愛に胸を打たれますし、
また主人公の方も自分の言いたい事、気持ちや感情はあまり、出さない中にも、寡黙で、ひた向きな人物像にとても惹かれました☆
お互い二人は、一日一日を大事に生きたいという方を選び、
なにかこう一筋の夢に、人生、情熱を懸け切っていくような思いが伝わって来ました。
最後、とうとう妻の結核が治らず、
幻のように消えていく、永遠の別れのシーンを観ていると、
もし・・・、妻の病気を治す療養を優先して、主人公の二郎が飛行機の設計を諦めて、ずっと看病に付き添いあったら・・・、
名機零戦も出来上がらず、

また別の展開、違った結末になっていたのかなと考えさせられましたが、
やっぱり、最後は泣けましたね(涙)
宮崎監督も、ナウシカ、ラピュタ、と歴代の作品を作って行く中、
実は、自分の作品で涙を流したことがなかったと言っておりましたが、この「風立ちぬ」で初めて泣いたそうです。
最後の結末のエンドロールに流れる、松任谷由実さんの「ひこうき雲」
シンクロニティ・・・、
驚くほど歌詞がストーリーと重なっていて、
まさか、40年以上前の高校生の頃に作った曲であるなんて、思いませんでした(驚)
松任谷さん、いわく、
もし高校生の頃の自分に会えたら、映画の主題歌になったんだよ!ってほめてあげたいと、インタビューで言っていました(^^)
また、書き連ねたような文章になってしまいましたが(汗)
※スミマセン追記ですが、
宮崎駿監督には珍しく、
今回の「風立ちぬ」は、子供から大人まで楽しめる映画である路線が外れ、宮崎駿のやりたかったことの具現化したような作品でしたが、僕も妻も、深い感動を頂きました(^^)
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扶桑国の日常 | 日記
Posted at
2013/08/31 02:28:52
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