アルトFグレード後部座席のパワーウィンドウ化(HA36S)
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
まず初めに…本整備手帳は、画像の黄色に相当する部分のみの紹介であり基礎の部分は過去の整備の積み重ねで完了済である点にご注意ください。
貨物車がベースであるFグレードの後部座席を「純正の仕様で」PW化するには、あらゆる不足を補う作業と部品が必要になる。私自身も購入当初、不便だとは思いつつも後部座席のPW化など全く考えてはいなかった。しかしこれまでに補修や機能の追加を積み重ねていった結果、運良く前提条件を満たすことが出来たため、せっかくなのでその集大成として本作業を決行する。
必要条件1
運転席PWレギュレータの交換および運転席ドア内ハーネスの交換(ドア丸ごと交換でもOK)
これは車両購入直後のことで整備手帳がないが、大きく凹んでいた運転席のドアを取替えようと何も考えず落札したドアがLグレードのものだったことによって条件を達成している。
※後部座席PW操作スイッチへ正しく配線するために必要。後部座席PW操作が可能な純正スイッチに配線するためには、運転席のレギュレータはホールIC内蔵の6極コネクタでなくてはならないが、Fの運転席PWに使われているレギュレータにはホールICが内蔵されていないうえ接続コネクタが2極なため物理的に形状も合わず配線が不可能。
必要条件2
運転席ドアへ常時電源の引き込み
https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/489140/car/2903813/7871700/note.aspx
これはキーレス連動ドアミラー格納装置の取付作業で条件を達成。
※後部座席PW操作スイッチを動作させるために必要
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オリジナルのPW配線図
今回用意したもの
紫色配線1.5m(0.5sq)
青色配線1.5m(0.5sq)
灰色配線1.5m(0.5sq)x2
赤色配線3.5m(0.5sq)
茶色配線3.5m(0.5sq)
リヤPWスイッチ(純正品)x2
リヤ右側電動レギュレータ(純正品)
リヤ左側電動レギュレータ(純正品)
レギュレータに繋ぐ防水コネクタ付ハーネスx2
060TSターミナルF(6個)
060TSターミナルM(10個)
090TSターミナルF(10個)
エレクトロタップ青(運転席側)
エレクトロタップ赤(助手席側)
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作業の前提条件として別途必要な部品
運転席側レギュレータ(純正品)
運転席内ドアハーネス(Lグレード以上の純正品)
PW操作スイッチ(後席ありの純正品)
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右側後席の配線は赤枠内のようにした
※見やすくするため不必要な部分を消去済
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まずは運転席側足元のJ213(上)とG361(下)コネクタを壁掛けから外してフリーにする
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下側のG361コネクタ⑤⑪番(右リヤへ)①⑦番(左リヤへ)に、各色の配線を追加する(060TSターミナルM)
※②番の配線はオートPW化時の整備で引き込み済の常時電源(必要条件2)
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配線追加後
⑤紫(右リヤ下り)
⑪青(右リヤ上り)
①茶(左リヤ下り)助手席側へ
⑦赤(左リヤ上り)助手席側へ
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既設の⑥番灰色極太配線を分岐し、⑤紫⑪青と共に3本をフロアハーネス沿いにBピラー内L381コネクタへ廻す
※サービスマニュアルの配線図はこの後G342,L375を経由するが、その必要がないので迂回して直接Bピラーへ向かわせる
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運転席側Bピラーを外すとL381(下)J217(上)コネクタが現れる
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L381(下)コネクタに前項の灰・紫・青の3本を追加する(060TSターミナルM)
⑥番青(上り)
⑦番紫(下り)
⑧番灰(電源)
運転席側のフロアハーネス追加はこれで終わり
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右リヤのドアへ。ドアトリムを外し、手動式レギュレータを電動式のものに交換する。ガラスは9割〜全開状態にして4本のボルトを外し、レギュレータ本体を右へずらしつつガラス最下段のレールにはまっているアームを右端へ外す
※ガラスは自重で落ちてくるようなことはなく、下から支える必要はなかったが、手でガラスを上下へ動かしながらやると外しやすい。万が一ガラスがドア内へ落ちてしまうと元に戻すのは困難を極めるであろうことは明白なので慎重に…
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電動に交換後
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用意したリヤドア内で使用するハーネスの詳細
※私はこれを現車両Doesn't WORK(キャロル)と小牧ちゃん(アルト)を電動ミラー化するため全交換して余った助手席のドアハーネスx2を再利用して作成した。助手席のレギュレータモーターのコネクタ形状は後部座席のそれと同じなので流用できるが、この2極防水Fコネクタはメーカや型番などの詳細が不明である(用意できなければ090Fターミナルの直挿しで動くようにすることは可能だが、スズキがわざわざ防水コネクタを使ったことを鑑みると、あまりそれはやりたくない)。また、後席スイッチ用の5極Fコネクタも同じく詳細不明。余談だが助手席PWスイッチ用の5極Fコネクタとは幅がわずかに異なり流用できないためコネクタを切り落とし、スイッチへターミナルを直挿ししている(直挿しはちょっとでもターミナルがズレると短絡するので、絶縁に細心の注意を払っている)。
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リヤPWスイッチのピンアサイン
コネクタが詳細不明のため入手できないので、090Fターミナルの直挿しでしのぐ。
①⑤を入替えるとレギュレータ自体の動作が反転
②④を入替えると後席スイッチによる動作が反転
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用意したハーネスをレギュレータ(モータ)へ繋ぎ、スイッチから②番③番④番の3配線を線通しを使って室内へ通したところ
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室内に通した3本をドア側コネクタ(上・J217)へ接続する(060TSターミナルF)
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ドアトリムへの穴あけ。
念の為小牧ちゃん(アルトL)のトリムを外して並べ、穴の開き方確認してみた。
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最初カッターで切り取ろうとしたが、思ったより厚みがあり刃が折れてしまい断念。ホルソーで穴を開けてから、パドルのステーを加工する時に使ったハンドニブラーで少しずつバチバチ切り取った。
後から気づいたが、PWスイッチは画像赤線の上下2箇所でのみ固定されており、赤線以外の部分は固定に一切関与しない。また穴は表からはスイッチのパネルに隠れてしまい見えなくなるので本体が通りさえすれば綺麗に加工する必要は全くない。
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IGONして動作確認後、ドアトリムを戻して右リヤの作業終わり
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助手席側の配線はこのようにした
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まずG339の⑥番灰色線から電源を拝借するところから始める。画像右端の茶色と赤色線は、第6項で運転席足元G361からオーディオ裏経由で取りまわした左後席上り・下りの配線
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G339⑥番灰色配線から電源の分岐完了
灰色・赤色・茶色の3本をフロアハーネスに沿ってBピラーL382コネクタへ
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手動レギュレータを取り外し、電動レギュレータに交換するが、ここからの作業は運転席側とコネクタの形状やピンアサインまで全く一緒なので、同じようにする
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リヤドア用ハーネスを取付け、3本の配線をグロメット通したあとで060Fターミナルを圧着
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コネクタに各配線を挿入(第15項の図のとおり)
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