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2024年09月11日 イイね!

みんカラ限定記事、マセラティの事(終)

ふと、肩の力がぬけました。

「そのあと、どうするんだろう?」
「仮に、普通にエンジンが回るようになったとして、そのあとは?」
「私はこれまで通り、マセラティを愉しむことが出来るだろうか?」

私は今回のことで、今まで見ないようにしてた「現実」と「未来」について
改めて考える機会を図らずも得たのでした。
たとえ、〇〇〇万円以上かけてフルコン化させたとして、その他のことは
どうするのか?もちろん、それとて保障なんて何にもないし、治らなければ
さらに予算をかけて、再びビトルボの闇と戦い続けるのか?
いつまで、こういう事を続けるのか?続けられるのか?
私がセダン願望を発露し、430に飛び込んだのはもう10年以上前になります。
家族や自分自身の年齢、環境も当時とはかなり変化しました。
正直、疲れてきた。というのは確かにありました。偽らざる気持ちとして・・

・・ある人によると(笑)
イタリア旧車に逝った人は、皆そのような道をたどるのだそうですが、
すこしお休みしたくなるのだそうです。
私も例にたがわず・・なのかも知れません。

「・・・そろそろ、潮時だな。」

そこから先は、もはや淡々としたものでした。
マセ売却の意向を伝えると、嫁さんは驚いていました。
てっきり、フルコン化に舵を切るものだと思ってたそうです。
私も説得すべく、その可能性をしきりにアピールしていましたから・・
そういう事をやる人間、というのが私に対する見立てだったのです。
私の心変わりに、いささか不信感や不満があったのかも知れません。
180度方向転換しましたからね・・・。

まあ、冷静に考えればそういうものです。
まえに書きましたけれど、私は基本、合理的人間なんです。

そうして最後の日の輸送ドライブまで、430に乗ることはありませんでした。
なぜって? 壊れたりしちゃ困るからですよ。
最後の写真はほとんど撮りませんでした。・・なぜかなぁ?
そのままサラッと別れるほうが、何となくお互いいいような気がして・・
そして、静かに心の中で言いました。

「いままで、ありがとうな。」


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追記:
かつて、みん友さんが、それまですごく気に入ってらした愛車を降りたとき、
そのブログ記事を読んで、ずいぶんとサバサバした印象を受けたので、
(当時私は、ちょっと冷たい感じがしたのです。)
それについてコメントしたことがありました。その返答として

「寂しいんですが、内心ホッとしてるというのもあるんですよ。」

と、コメントしておられたのが、今なら痛いほどよく分かります。
・・私は愚か者ですから、経験に学ぶしかできませんでしたね。







Posted at 2024/09/12 07:48:59 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月11日 イイね!

みんカラ限定記事、マセラティの事⑤

ハザードスイッチの件について、工場にお願いすることにしました。
その時に、エンジンストール問題もすこし含めお伝えしておきました。

後日完了の連絡が来て、受け渡されたんですが、どうもこのころから
またさらにエンジンの調子がぐずり始めました。
始動直後はそうでもないのですが、暖まってくるとぐずりだす、
エアコン掛けると、だんだんと最悪状態に移っていきます。

私はプロではありませんので、どこをどうすれば?とか進言出来ませんし
工場のほうも、なかなか打つ手もないようで、コイルの新調してみますか?
と問われたときも、「はい」と答える以外選択肢は無かったし、正直その頃
には、もう期待などしていませんでした。

この車はたしかにおかしい、そして、これはビトルボにはよく聞かれる
症状であることから、そもそもこの車種の成り立ちがこうなのだ、と。
考えれば一番すんなり納得できるのでした。
でも、経験上、すごく調子よく走ってくれるときも多くありました。
これも10年乗ってきたことによる、貴重な記憶でした。

私は無知ゆえにいろいろ考えて、フルコン化という発想を得ました。

これはエンジンの不出来というより制御の不始末ではないだろうか?
もともと日本じゃあるまいし、そこまで高精度のエンジンを作りあげるなど
ドイツ以外の欧州国でできるはずがない、それをなんとかそれらしく回して
やるには、高度で緻密な電子制御フォローが必要なのではないだろうか?
アイドルコントロールバルブ、あれも机上の空論的な産物で、ろくに
ちゃんと仕事ができていないんじゃないか?っていう疑念は最初からありました。
マレリのデスビローターの出来の悪さを見たとき、こいつら(欧州人)は
こんないい加減なもんで商売してるのか?と驚愕したのを今更のように
思い出しました。
きっと適正な時期に点火されてない。きっと適度な濃度と量で燃料が噴射
されてない、きっと適量のエアが吸引されてない・・・なんて、ぜんぜん
わからないけど、ほかにどうしようもないじゃないか!

とにかく、夢想なのか愚考なのかわからないので、一度それ風のお店に相談
してみることにしました。

「ええ、不可能ではありませんよ。でも、もしやるなら、うちではその前に
 エンジン一度バラさせてください。場合によっちゃ、クランクシャフト新造
 させてもらって、各種バランス取りして組み上げてから、その制御を・・」

・・・はあ?  と思った。

どこまで天井知らずの世界に飛び込ませようとするのか?
そんなことが全て出来るくらいなら、こんなことで悩んじゃあいない。
にしても、深い深い沼の世界だというのは何となくわかりました。
そこまでしなくても、制御系だけ取っ代えてやるのもあるふうな声も聞きました。
V6ツインターボは制御系が増えるので・・・やるなら最低〇〇〇万円。

・・・・。

出せない金額じゃない。・・もし、それで完調になるなら・・
それで、今までのような不調に苛まれる日々から解放されるなら・・
一瞬気持ちが高ぶりました。ビトルボを超える世界へ行けるのではないか。
未だ見たことのないマセラティの恩寵に触れることができるのではないか。
行くなら「今」しかないのではないか!数日間、私は熱い夢に色めき立ちました。
そしてある日、スッと思い浮かんだのです。

「・・そのあとは?・・」









Posted at 2024/09/11 07:40:53 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月10日 イイね!

みんカラ限定記事、マセラティの事④

あくる朝、明るいところで見てみましたら
スイッチユニットを支えてる枠のプラスチックが、経年で砕けたみたいでした。
「そういや、ちょっと強めに押しちゃったかなぁ~」
でも、ごめんよ。とは思いませんでした。
このくらいで割れてめり込むようじゃ、話にならないよ・・・。
まあ、枠ぐらい何とかなるだろうけどね・・
むしろ、そう思いました。
慎重にやると、なんとかスイッチユニットも出てきてくれたので
ちょっと不細工ではありますが、めり込まないようにユニットごとポコンと
突き出た状態でたらして置くことで、操作が出来るようにしました。

縁は異なものまた味なもの・・こんなタイミングで調べていったら
なんと、某オークションで枠とスイッチ数個のセットの出物がありました。
へえ~と思い、安かったので落札し、支払いを済ませ、あとは待ってるだけ
という頃、ほどなくメッセージが・・

「出品者です。申し訳ないのですが、梱包時に部品を破損させてしまい
 画像の状態では無くなってしまいました。いかがしましょう?」

・・・・。

がっかりしましたが、内心、面白いもんだなぁと自虐的に感心もしました。
物事がうまくいくときは、だいたいスルスルと流れていく。
反対にうまくいかないときは、普通より間の悪い現象が連続多発する。
これは、マジだな・・・。

マセのスイッチもなかなかスペアがないので、とりあえずストック部品として
買うことにし、送ってもらいました。
見なくても結果は分かりましたが、到着後、破損個所を確認すると
ちょうど必要だと思っていた部分が、粉々に砕けていました・・・。

動機、理由、が何であれ、誰かが誰かと別れたいと思う場合
別れられるようにふるまい、そういう態度をとるというのは
人間関係ではありふれた経験則です。でも相手は機械です。

もちろん、このとき私はマセと別れたくはありませんでした。
そうやって今までやってきたし、何時かは分からないけど
どうしてもダメ!ってなってしまう時まではともに行こうと思っていました。

これは、やっぱりコイツがサインを出してるのかな・・・?
「もうそろそろ、終わりにしよう・・」って。

私は前回、合理的に冷徹に観察してる、と書きました。
でもまあ、そうでもないのです。(バカですよね)いろんな事象を見て・・
エモーショナルな考えがふっと湧いてくるのを止められない。
だから、こうも思いました。

「気づいてあげなきゃなんない、のかな・・?」

Posted at 2024/09/10 08:36:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月09日 イイね!

みんカラ限定記事、マセラティの事③

あれから淡々とした日々がしばらく続きました。
マセは相変わらずの調子でしたが、少しストール回数が増えた感じ。

そのころ私事で、めんどうな案件がふってわいていたこともあって
やや悶々とした、イライラ感にもさいなまれていました。
その日は仕事を終え、帰宅途中に郵便物を投函していく予定になっていました。
430で帰途につくドライブ中、道端のポストに入れるか?
少し遠い小さな郵便局まで行って投函するか?迷っていました。
(郵便局のほうが夜は車がいないので止めやすいのです)
私は先述したように、少しもやもやした気分の最中だったので
遠回りするのも面倒だと思い、近くのポストで済ませることに決めました。
「よし、端に寄せて止めよう。」
そう思ってハザードボタンを押した瞬間。
「グシャリ!」
人差し指で押したはずのボタンが、そのままダッシュボード奥にめり込みました。
「???な、な、なにこれ?」
周りはもう夜で真っ暗です。よくよく見るとめり込んだ先で、
スイッチ自体はチカチカと点滅しています。
「点いてる・・でも、これじゃ・・・」
・・・そう。
スイッチ自体を二度押ししないと、ハザードキャンセルが出来ません。
「マジかよ・・・。」
私は車を止め、投函するのも忘れ、スイッチと格闘してました。
奥で光ってるのは分かる、でもぜんぜん引き出せそうにない。
真っ暗で何が何やらわからない。
せめて、何とかオフにすることが出来れば・・・。
私はありったけ指を伸ばし、不自然な曲げ方をしながらスイッチを
再度押そうと必死に試みました。
「カチッ」
ようやく、ハザードが消えて、とりあえずは安堵の空気になりました。

後から思えば、このとき、予感から確信に変わったのだと思います。

「コイツ、別れたがってるのか・・」



Posted at 2024/09/09 08:36:20 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月08日 イイね!

みんカラ限定記事、マセラティの事②

「もし、もう一度こんなことが起きたら、マセを降りることを考える。」

このフレーズは、それから数日後、嫁さんにも話しました。
彼女はすこし驚いたようでした。
そもそも、私がこんなへんてこりんな旧車を買ったことについて、
本来なら断固反対の態度をとってもおかしくないのですが、
私が、言い出したらま~~あ聞かない性分であること、
やったらやったで、結構しつこくねばるタイプであること、
等から、諦めていたというのが大筋でしょうけど、
案外と彼女も430のことが嫌いじゃなかった様なのです。
自身も愛車にはすごく思い入れがあるみたいだし、
同じイタリアンのシンパシーもあったんじゃないかと類推します。
曰く
「ピアッツァの良さは(私には)わからない。
 でも、430の良さは自分にも何となく分かる。」
のだそうです。
私がずっとしつこく乗り続けているので、まさか今回降りる話を
しだすとは思ってなかったようです。
信じてもらえないかも知れませんが、私は基本、合理的人間です。
たとえ、こわれる代表のようなイタ車ツインターボに乗っていても、
部品供給の絶望的なマイナー没メーカーの珍品クーペに乗っていても、
基本、私は合理人間です。

だから、このたびのことは、感情を排して考えるのが妥当と結論しました。
こう言った以上、私は430について日々センシングしながら、
まずい兆候があるかどうか?いままでと同等の確率的安定に向かうのか?
冷静に見極めるべく、日々使用することにしました。

確かに、問題なく今までと同じくらいの感覚で乗れる日々が続きました。
すると、
ほんの少しずつではありますが、ストールする頻度が上がってきたのです。
信じたくない気持ちは、もう排除しています。
・・・あえて情緒的に書くなら、私はマセの声が聞きたかった。

「コイツ、別れたがってるのか?」


Posted at 2024/09/08 18:32:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「安易な道、甘美な道、どちらも根源的には比較対象の問題なのですよね。」
何シテル?   09/19 05:27
stelvioです。よろしくお願いします。 小さかった頃のまま、車好きが続いていますw 憧れだったアルファスパイダー(939)を縁にいろんな方々と お...
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