スカイラインにサウンドナビ(NR-MZ200Premi)を移植して1ヶ月ほど経過。
いやーこれ、以前設置していたサウンドナビ(NR-MZ100Premi)の時もそうだったのですが、全ての配線を接続して問題なくナビが作動したり音楽が聴ければ完結…とはいかないんです。
サウンドナビの「Premiシリーズ」を新車購入時にディーラーオプションとしてその車専用に設定済みで入手した人はともかく自分でショップ購入して愛車に取り付けた方々ならばご存じだと思います。
車への取り付けよりも数倍難しいPremi専用音質設定が残っています。
この細かい専用設定を面倒に思ってやらなかったり、どうでもいいや~的に軽く考えて放置してしまうと全くPremiの意味はなく無印のサウンドナビと同じ性能(音質)になってしまうという…
いや多分わざわざPremiを選ぶ人にはそんな使い方をする人はいないでしょうけれど、万が一にもいたら宝の持ち腐れ状態になってしまいます。
私のスカイラインはできるだけ純正仕様にしておきたい為、スピーカーは基本的には新車当時のままです。
正しくは純正スピーカーが嵌め込んである位置に、車体本体や内装等を切った貼ったと改造加工して無理やり大きなスピーカーを取り付けたりしてありません。
スピーカーの寿命が来たら純正スピーカーの取り付け位置に純正と同じタイプの新しいスピーカーを交換取り付けしているだけ。
なので新車購入時と比べて多少スピーカーの性能は良くなっているかもしれませんが基本的には似たような性能のスピーカーが同じ位置に同じ数だけ設置されています。
現在もフロントスピーカーは左右ドアの下の方。リアはリアシートの頭の後ろとリアガラスまでの間にあるスピーカーボードの左右に埋め込み。
スカイラインの純正フロントスピーカーに使われている4×6の楕円型スピーカーも平成初期のバブル時代には国内メーカー含めいくつかのメーカーから販売されていましたが現在は海外メーカーのほんの数社からしか新品販売されておらず。
そういった理由により現在の私の愛車のフロントスピーカーはJBL製のスピーカー(GX642)が取り付けてあります。
リアスピーカーも同一メーカーに揃えてJBL製のスピーカー(GTO629)が取り付けてあります。
純正タイプと同じ形、同じ設置場所に4スピーカー。
大音量で音楽を聞く事は無く、エンジン音と排気音を聞きながらバックミュージック的に小さな音で音楽を流しているだけな事が多いので追加でアンプやウーハーなども取り付けてません。
といいますか、走りを売りにしている車に余分なものを取り付けて車の重量を増やしたくないと言う別の理由もありますが。
なのでほんとにスカイライン純正4スピーカー状態でのPremi設定といっても良いですね。
ただしスピーカーのメーカーやモデルによって実際にスピーカーから出るの音の音質がそもそも違いますので今回は2ドアR32に「GX642」と「GTO629」の組み合わせに限られた設定。
更には、多少私の好みの音に寄った設定となるわけです。
サウンドナビのPremi設定は難しく、普通はサウンドナビ認定ショップ等のプロにお願いして設定するのが基本です。
素人がやろうとしても無茶苦茶な見当違いな設定をしてしまい音が良くなりません。
プロがしっかりとした調整をすると、たとえ配線もスピーカーも完全ノーマル状態、アンプやウーハーなど一切の追加せずに純正ナビからサウンドナビに本体のみ交換しただけでも全く違う良い音に変わります。
ただ…プロに頼んでも取り付けた車専用の音質設定調整に2時間ぐらいかかります。
そして料金は2.5万~3万円ほどかかります。
またプロに頼めば完璧な良い音になるかと言えば、良い音に違いは無いのですが、チューナーによって良い音の基準が多少違ってきますので、どこのショップのどのチューナーに頼んでも調整後の音質が同じになるわけではありません。
ロック好きなチューナーさんだと、なんとなくロックミュージックが聴きやすい音質になりやすいでしょう。
あるいはいつもクラシックを聞いているチューナーさんだと、クラシックを聴いた時に最高の音を発揮する様な音質になりがちでしょう。
調整してもらっても、必ずしもそれが自分の好みの音なのかどうかは分からないという事です。
勿論、調整後に一度音を聞いて、「もう少し〇〇のような音にして欲しい」と自分の好みの意見を言えば、更に微調整してくれるとは思いますが。
好みのスピーカーのメーカーは?そのメーカーのどのモデルのスピーカーの音が好き?と聞いた時に答えがバラけることからも分かるように好みの音質は千差万別なんですよね。
私は運転中に大音量で音楽を聞くわけでもなく、いつも小さな音でなんとなく流行りの歌謡曲を聞いているだけです。
なので腹に響くような重低音は不必要。走行中のロードノイズやエンジン音の中でもヴォーカルの声がよく聞こえるのが良い感じですね。
逆にライヴ、テクノ、トランス、シンセなどは苦手(聞くのを避けたい)な人間です。
NR-MZ200のPremi設定の話に戻します。
Premi用の詳細設定値ですが、先日までスカイラインに取り付けていたサウンドナビNR-MZ100Premiの詳細設定値の記録が残っています。
(車は勿論、配線やスピーカーも当時から変更なし)
実は私、昔の事ですがお客様からお金を頂いて楽器を演奏していた経歴があります。
単独ではなく、オーケストラのような感じで。
なので一般の方より多少は音の良し悪しといいますか本物っぽい音の聞こえ方といいますか…
表現が難しいですね…うーん
コンサート会場など演奏者や歌い手から少し離れた距離or大型スピーカーから聞こえてくる観客席で聞く音ではなく
「まさに演奏している場、目の前で歌い手が歌っている直に聞こえる声」
…というものが本物の音だと思っています。
もっと簡単に言えば、学校の音楽室でピアノを演奏したり吹奏楽部が演奏した時や音楽の時間に歌ったり合唱した時、変な余韻、エコー、反射音は聞こえません。
音楽室の壁がそのような構造になっていますので。
そこで聞こえてくるような音が本当の音だと思っています。
しかし私の子供達を含め最近の人達は、とにかく高音や電子音がキンキン鳴っていて、大きなホールや広い教会の中で演奏しているようなサラウンド最大級な音を好むようです。
今の流行りの歌謡曲もそういう感じの音が多いですからね…
サウンドナビNR-MZ100Premiを愛車に取り付けた時、特別な専用機材は持っていませんがかなり時間をかけて私自身の耳でPremi設定を細かく調整しました。
自分自身で納得するまで設定した後、サウンドナビ認定チューニングショップに出向き
「自分で納得するまで調整しました。設定が全然ダメならばしっかりと設定をやり直して下さい。」
とお願いした事があります。
結果…
「タイムアライメントは完璧」
「フラット状態でこの音質ならその他の設定で悪い箇所もない」
「再調整は不要」
と言ってもらえました。
今回スカイラインに取り付けたNR-MZ200Premiの設定も同じものにすれば、まず間違いはないはずですので、今回は速攻で調整は終了できます。
ただ、やはりNR-MZ100からNR-MZ200にいろいろと性能アップしたため、音楽を聴いてみると100Premiの時と比べて音質の違いが分かったため多少なりの再調整が必要でした。
Premi専用設定をするためには「Tuning Bridgeカード」を使います。このSDカードを差し込むと設定の機能制限が解除されて泥沼に嵌るほど細かい設定が可能となります。
因みにこの「Tuning Bridgeカード」は、各サウンドナビ本体と紐付けされています。
購入したサウンドナビ本体と同封されている「Tuning Bridgeカード」のみしか使用できません。
同じMZ200Premi用「Tuning Bridgeカード」をどこかで入手したとしても、違う本体に同封されていた「Tuning Bridgeカード」は差し込んでも認識されず使用できません。
当然ながら、MZ100Premiとか別機種用の「Tuning Bridgeカード」は言うまでもなく駄目です。
なので某オクやフリマで「Tuning Bridgeカード」のみ売りに出ているものを見た事ありますが…
出品者がそれを知らずに出品しているのか、知ってて故意的に出品しているのか分かりませんがあれは使えませんので注意です。
サウンドナビの100や200のPremiも中古で安く購入しやすくなっていますが、もしも考えている方がいらっしゃいましたらその点を注意してください。
逆に言い換えれば安くても絶対に「Tuning Bridgeカード」なしの100Premiや200Premiを購入してはダメです。購入後面倒なことになります。
「Tuning Bridgeカード」を本体に差し込み認証されると灰色表示で調整不可能だった「Premi用専用「サウンドチューニング」設定項目の文字が白くなりチューニングが可能となります。設定可能なものは
・EQ…イコライザー
・TA…タイムアライメント
・X'o…クロスオーバー値
です。
とりあえず、取り付けたMZ200Premiの設定を初期化して設定を全てフラット状態にしてあります。
設定に際して使用する音楽は、できれば低音から高音まで満遍なく聞こえるクラシック等のCDが良いのですが私自身は別段そんなものを使わなくても、どこでどんな音がするかよく知っている聞きなれている曲や歌…
例えば何度も何度も聞いた事のあるお気に入りの歌謡曲でも構わないと思います。
その場合、可能ならばスローテンポな歌の方が伴奏や声が良く聞こえるので良いかと思います。
(好きでもない曲を長時間流しながら音質調整してるとすぐ飽きます、眠くなります、苦痛になってきますので…)
しっかり基本調整したうえで、自分好みに味付けを加えて、調整完了した時に自分が聴いていて気持ち良く、長時間聴いていても疲れない音質、自分が納得できる音になればいいんです。
私はそう思います。
まずはTA(タイムアライメント)の設定からです。
簡単に言えば、リスニングポジション(音楽を聴く人の位置)から車両に取り付けてある各スピーカーまでの距離の実測値を入れていきます。
どんな車種でも音楽を聴いている人から取り付けてある全てのスピーカーまでの距離が全く同じなんてことはあり得ない話です。
音を鳴らすスピーカーからの距離が違えば、リスナーの耳に音がたどり着くまでの時間も微妙に違うわけです。
そのままだとどうなるかと言いますと、前後左右あちこちからバラバラに音楽や歌が聞こえてしまいます。
車ではなく実際の音楽ホールやコンサート会場などで音楽や歌を聴く時は、基本的に自分の前方にある舞台の中央一点から全ての音が聞こえてくるはずです。
勿論、その中でも例えばボーカルやドラムセットの音はド真ん中、ベースが左寄り、サキソホンが右寄りから聞こえてくるのは当然ですが。
このタイムアライメントを正確に設定すれば、車の中で聞こえてくるサウンドが車全体からではなく、まるでダッシュボード中央(ナビ本体付近)の内部、もしくはダッシュボード中央の上にステージがあってそこに演奏者やボーカルがいるような感じで音が聞こえるようになります。
なかなか言葉で言い表すのが難しいのですが、当然ながらフロント左右、リア左右の全てのスピーカーから音が出ている訳ですがピタッと一点に音の焦点が合ったといいますか、「ダッシュボードの上で演奏しているよね?歌ってるよね?」という感じになります。
2ドアのR32で純正位置の4スピーカーを使用しているならばこんな感じになるかと思います。ただ私はちょっぴり実測定距離とは少し違う値にしてありますが。
また細かい事を言えば音楽を聴いている人がどこにいるか?で少しずつ変わってきます。
設定するリスナーが運転席のみなのか運転席と助手席なのかで変わってきますし、その人の体格(シートの位置)でも距離が変わってきます。
しかし、この設定がしっかり終わればPremi設定の8割は終了したようなものです。
実際に音を聞く前に
X'o(クロスオーバー)をとりあえず軽く設定。
どのスピーカーにどの音域の音を鳴らしてもらうか。
以前チューナーさんに教えてもらったのは基本形として
・ツイーターのカットオフ周波数は…4kHZ~5kHzの間
・ミッドウーハーのローパス(ローカット)は60Hz、ローバス(ハイカット)は12kHz~18kHz
・スロープは-12dB/octか-18dB/octのどちらか
※ローバスの(ハイカット)とスロープは全て揃える
でしたので、疑問を持たずにそのように設定。
そこから各スピーカー特性や形状で丁度良い数値に変更していきます。
私の場合は4スピーカーともツイーターなしの同軸2wayコアキシャルスピーカーなので多少設定が違います。
そしていよいよ、音楽を鳴らしてTA(タイムアライメント)が正確に合っているかを確認。
自分から遠い方は動かさずに、近い方のスピーカーの設定距離を少しだけ遠ざけたり近づけたり。
とはいうものの、同じ車、同じスピーカーのままなので、私の場合実際には変更なし。
100Premiの時とちょっと音質が違って聞こえたのでクロスオーバー値を微調整。
そして最後にEQ調整。
できるだけ全ての音域が同じ様な聞き取りやすさになるように。これはスピーカーによって違います。
更にそれに個人の好みの音質になるようにプラスアルファ。
これが終われば設定は完了。

基本設定の画面はほぼ初期のまま。イコライザーも既にPremi設定で音質調整は終わっているのでフラットのままでOK。
一仕事終わった感じで安堵しました。
しかし…ナビはスマートフォン連動、グーグル連携、インターネット接続当たり前…
音楽もアップルミュージックやらスマホの中に入っているものをブルートゥース接続で…
なんてものが車内でも当然のようになりつつある時代に。
手軽さに負けてしまってしっかりとした音質重視のカーオーディオ(カーナビ含む)はもう販売されないんだろうなと思います。
学生の頃(昭和末期頃)、大型カーショップのオーディオコーナーで必死に音質比べをして悩みに悩んでカーオーディオを選んだり…
カセットデッキではなく、CD対応のものに変えたい為に必死に数ヶ月バイトして購入したりしてた時代が懐かしい…
メーカーが拘りを持って作った音質重視のカーオーディオデッキを購入できる最後の時期に来ているかもしれません。
あとオマケ話ですが…
その①
Premi機能を使っての設定「EQ」、「TA」、「X'o」ですが、自分が納得する設定にした後は、サウンドナビ本体のメモリに保存されます。説明書にはナビの内部のどこに記憶されるのか書いてありません。昔からあるカーステのラジオ放送局をボタン一つで切り替えられるプリセットメモリーや時計表示(電波式を除く)と同じなのかもしれないですし、そうでないのかもしれません。
ただも、取扱説明書には設定の数値は「メモとして書き残しておいてください」と書いてあります。
そう考えると、例えばバッテリー交換などでサウンドナビへの常時電源が遮断された場合や車を修理するために1週間ほどバッテリーを外したままにされた場合、この苦労した設定メモリはリセットされて消えてしまう可能性があるかもしれないということです。
確かに取扱説明書には各設定数値を書き込んでおくページがあります。
万が一にも設定メモリが消えてしまった時にまたかなりの時間と労力が必要となりますのでメモ書きはしておくのが賢明でしょう。
でも実はPremi設定の「EQ」、「TA」、「X'o」の各設定画面には「User1」「User2」「User3」ボタンがあります。納得いく設定ができたらこのボタンを長押しすることでSDカード(Tuning Bridgeカード)に保存できます。各設定3種類ずつ「Tuning Bridgeカード」内部に保存できます。保存しておけばなんらかの理由でメモリーリセットされてしまった場合でも自分が作った音質設定に一瞬で戻せます。
意外と「設定をTuning Bridgeカードに保存できる」or「設定がTuning Bridgeカードに保存されている」ことを知らない人がいるようですので書いておきます。
(特にプロショップで料金支払って音質設定してもらったら速攻でSDカードに設定を保存しておきましょう)
その②
ダイヤトーンのサウンドナビだけの話になるかもしれないですけれど…
普通はSDカードに音楽データ(WAVEやFLAC)を入れて聞く事が多いと思いますが使用するSDカードによって音質が変わります。
デジタル音楽データなんだからSDカードのメーカーや種類が違っても音なんて変わらないはず…と思っていたのですが実際に音を出して聞いてみると違うから不思議です。
読み込み速度が速いSDカードの方が音が良い場合が多い気がします。
もう一歩踏み込んで話をしますと、
SDカードの違いでは、少し音質が違うかな?程度なのですが…
音楽データをSDカードに入れて聞くよりも、USBメモリやUSB接続のSSDに入れて聞く方が更に良い音に聞こえます。
どうやらSDカードからよりもUSB接続からの読み込みの方が音質が良くなります。
不思議ですね。同じデジタルデータのはずなのに。
でも一度試してみてください。
同じ音楽データをSDカードとUSBメモリに保存してそれぞれ聞き比べしてみてください。
こちらは「え?!」ってぐらい音の違いがはっきり分かります。