2012年春・花の名残

　今年も愉しませて貰った桜並木も、花の盛りを過ぎ半分近くの花が既に散ってしまった。
　それでも完全に散ってしまうまでの僅かな時間、最後の美しさを発揮する。

　樹上にもまだ桜が残っているが、足元にも花びらが広がり視界の中でピンク色の占める比率が上がる。

　鋳鉄製の黒いマンホールの上に花びら。色のコントラストで目立つ

　ガレージを開け放しておくと、花びらが舞い込む

　玄関前の土の駐車場にも花びらが

　　随所に残る水溜りが花びらで埋め尽くされ、ピンクの水玉模様が歩道を彩る。
　畑に付けられた足跡の窪みに花びらが積もり、ピンクの破線が畑を横切る。
　道路の側溝部分にも花びらが帯状に溜まり、こちらは実線となって続いている。

　大井亀久保郵便局前。

　花の盛りが過ぎ行くのは寂しいことだが、散る桜がなければ今日の光景はない。
　万事移ろい流転しつつも、それぞれの段階で美しいこと、嬉しいこと、楽しいことがある。

　大井総合支所前。

　桜も私も、立ち止まってなどいられない。
　美しい景色をカメラと記憶に残して、先を急いだ。