喪装のゲレンデ(前編)
投稿日 : 2012年07月13日
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唯一つ我等の願いが通ぜしか
父の日過ぎて義父身罷れり
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去る6月22日午前、回復を願い見舞いと介護を続けた私たち家族の想いも空しく、義父が死去した。
病室に於いてながら、今年の「父の日」を共に過ごせたのが唯一通じた願いだった。
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我がゲレンデは、タキシードブルーの塗色を喪装とし、義父の家に待機する。
義父が愛し、手を入れていた庭は初夏の陽気の中、緑に萌えていた。
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妻のクルマは、現在のPorteの前はプリウス(20系)だったが、プリウスに決定するまでの過程で様々選択肢案があった。
その一つが、義父の提案によるダイハツ・コペンだった。
ライトウェートのコンバーチブル。機会があったら、義父も運転したいと思っていたようだ。
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コペンは結局見送りとなったが、その後我が家にやってきたコンバーチブル・G320カブリオ。買い換えた当初は義父も興味深そうに眺めていた。
コペンを運転したいと思っていた義父を、そのうちオープンにして乗せてあげようと思っていたが、何故かその機会に恵まれないまま来てしまった。
「後悔先に立たず」とは、まさにこのことである。
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乗用車であれば2台は留められる義父の家だが、葬儀社のクルマや、ご焼香にクルマでお見えの方がいらっしゃると、スペースが足りなくなってしまう。
ゲレンデは隣家にお借りした駐車スペースに移動し、入れ替わりに葬儀場に義父を送る寝台車がやってきた。
クラウンをストレッチした、白い寝台車だった。
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私は寝台車の方に興味があるが、子ども達は敷砂利の下に隠れている虫の方が気になるようだ。
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後軸前で切断しホイールベースをストレッチしたシャシ、しかも納棺した義父を後ろのハッチから収納しなければならないため、縦列2台分の駐車スペースがあると言っても、殆ど余裕はない。
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