福岡中央公園

ふじみ野市役所のホームページで「公園・緑地」を検索すると、筆頭で紹介されているのがこの「福岡中央公園」。
ふじみ野市の旧上福岡地区の中心地、東上線上福岡駅に程近い上野台団地(現コンフォール上野台)の一角に整備されている。
福岡中央公園の一帯から北西側、ふじみ野市役所(旧上福岡市役所)を過ぎ、大日本印刷の工場までの一帯は、旧陸軍の弾薬工場だった場所。農民の反対を押し切って開設された兵器工場は、幸いにして連合軍の空爆被害を受けなかったものの、製造工程中の爆発事故で動員学徒に死傷者が出ていたという。
負の遺産ではあるが、この工場があったがために上福岡地域には工業や商業の集積が進み、戦後弾薬工場が閉鎖された跡の敷地には役所や学校、日本無線・新日本無線・大日本印刷などの工場、そして日本でも最古級にして最大級の大規模公団住宅「上野台団地」が整備され人口が爆発的に増加、街は急速に発展した。
言わば、上福岡の礎となった場所にある公園ゆえに、「中央」という名も、HP上で筆頭に掲げられている点も納得ができよう。
旧上福岡市の発展だけでなく、日本の高度成長をも支えた上野台団地も老朽化が進み、旧来の公団住宅の間取りやエレベーターが整備されていない点が現代の住宅事情にマッチしなくなってきた。駅に近いロケーションに低・中層住宅中心の建物配置では土地の利用効率も悪い。
そこで供給戸数を半減した上でエレベーターを装備した高層建築に集約、上野台団地は「コンフォール上野台」として再生・再出発した。
団地の余剰用地は分譲地として売却したほか、上野台団地の正面玄関とも言える「上福岡駅入口交差点」の一角は、福岡中央公園の拡張用地として提供。公園の敷地面積は一挙に2.5倍、3万2千㎡にまで拡大された。
イヴェント広場としても活用できる広大な芝生広場のほか、ミストを発生させることができる最新式の噴水、旧上福岡地区の夏祭り「七夕」に関連して天の川をイメージした時計台を新たに設置。
旧公園でもソメイヨシノが数多く植えられていて、春には盛大に開花しお花見が楽しめるが、拡張部分にはソメイヨシノだけでなく様々な種類の桜が植えられ、2月中から5月前まで花が楽しめるように植栽が整えられている。
旧来からある公園部分も、他の公園と比べて特徴的。
市立図書館に近いほうにあるコンクリート製の巨大な山は、上り下りに様々なルートを選択でき、高さがあって勾配も急なため子どもにはなかなかのスリル。頂上からの見晴らしも良く、子どもと一緒にパパ・ママが遊んでも結構楽しい。
ブランコや滑り台など、その他の遊具も充実していて飽きない。
疲れたら、近くの市立図書館のソファーで絵本を読みながら、涼んでor暖まって休もう。
そして一番特徴的な施設が、公園中ほどにある「新幹線」。
本物の車輌ではなく、平成元年に新幹線車輌に似せて造られた公衆トイレ。ちゃんと運転台やヘッドライト、スカートや床下機器も造形されていて、図面を引いたコンサルさんは間違いなく鉄道ファンだろうなぁという仕上がり。
これを発注した際の積算はどうやったのか、当時の担当官に聞いてみたい気がする。もしかしたら、半ば勢いで造ってしまったのかもしれないが、鉄道好きの住民である私としては、市内でもとても好きな施設のひとつである。
住所: ふじみ野市上野台1丁目5
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