時空の庭
武蔵野の風景に出現する異国の街並み
2012年02月13日

かつて「東京証券総合運動場」という広大な福利厚生施設があった場所が再開発され、川越街道沿いはショッピングセンター「Unicus三芳」に、背後西側の敷地は超高級住宅街「時空の庭」になっている。
所沢本社の業者が9万m2の敷地全体を買収。住宅区画は、当時は県内でもまだ珍しかったデザイン重視の本格的な輸入住宅街として開発された。
1区画約165平方メートルで総数は364戸。価格は3500万—6000万円まで用意し、最多価格帯は4000万円台で販売。
第一ホテル東京ベイなどを手掛けたアメリカ人建築家M・J・ラインウェーバー氏監修の下、「チューダースタイル」「スパニッシュスタイル」「フレンチスタイル」「クイーンアンスタイル」「クラフツマンスタイル」などヨーロッパまたは古き良きアメリカをイメージした外観に統一されている。
街路も幅を広めに取り、電源供給・通信およびケーブルテレビ配線を完全に地下化。電柱や架空線がない上に、各戸とも原則オープン外構で圧迫感のある塀を設けておらず、街並みに身を置くととても空が広く開放的に感じる。
商業施設と一体開発された敷地ながら、商業施設側から直接クルマの出入がないように道路が配置されていて、とても交通量の多い幹線道路と賑やかな商業既設に隣接していながら、街区内はとても静かに保たれている。
また、この街区を専門に警備するガードマンが24時間常駐していることもこの街の特徴。ただし住人には、自治会費等とは別に警備費用が課せられる。
この特徴的で美しい街並みに、ヨーロッパ由来の愛車を置いて撮影すると非常に様になる。実際、クルマのCMロケも行われており、中央公園脇で売りに出されている中古物件の宣伝パンフレットにも、CM撮影が行われた街であることをアピールポイントにしている。
ちなみにその中古住宅(土地44坪・建物34坪)の販売価格は、6年落ちで約4500万円。周辺の宅地に比べかなり高水準だ。
ただしその費用を負担できる財力をお持ちの方には、とても暮らしやすく魅力的な街であることに間違いはない。
最寄の東武東上線・鶴瀬駅からは徒歩で30分前後は見込まねばならないが、2~3台分は確保された駐車場からその日の気分でマイカーを選び、「キス・アンド・ライド」をすれば苦にはなるまい。都心の職場にも駐車場を確保できるなら、関越自動車道所沢ICに近いのでマイカー通勤の方が便利だろう。
心配な点が一つ残るとすれば、一斉に入居が始まった街は、高齢化も一挙に訪れる。
住人に高齢者が増えていったとき、この街を維持していくに足る財力を住民が維持し得るか。
都合よく世代交代ができたとして、建替えの話が進んだときに現在のイメージをキープしたまま建物の世代交代も果たせるか。
住民でもないのにお節介を承知で指摘させていただく。
住所: 埼玉県入間郡三芳町大字藤久保855-104 北新埜中央公園・グランシア管理組合
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