江戸前びっくり寿司銀座本店

銀座の中心「四丁目交差点」と、東銀座駅上「三原橋交差点」のやや東銀座寄り、晴海通り沿いにある「三原橋センター」にあるチェーン寿司店。
回転寿司の業態も展開しているチェーンだが、銀座店は板さんと正対する白木のカウンターと、広めのテーブル席が用意されている。
2012年現在、ランチは握りもちらしも税込945円也。銀座のど真ん中で、美味しいお寿司がこの値段で食せるのは有り難い。
私の家族が銀座に来る時に備えて有力なカードにしているし、知人やお客さんに「何処かご存じないですか?」と訊かれたときにも紹介することにしている。
味もボリュームも確か、しかもアクセス良くロケーションを説明しやすいからだ。
10年ほど前の開店当初は、お昼時はかなり混雑して、巡り合わせが悪いと入れないこともある店だった。
当時のランチは今より105円高い税込1050円也だが、それでもお得な水準であることに変わりなく、入口階段で待たされることもしばしば。
ところが団塊世代の大量退職・不景気の長期化で銀座で仕事をする人が減り買い物客の脚が遠のき、しかも歌舞伎座の建替えで観劇客も少なくなった今、入口や階段に置かれた待合椅子が暖められることはほぼ絶無になった。
英語のメニューも準備されているようだが、これだけ円高になってしまうと外国人客には決して割安とは言えない水準。かといって莫大な額のカネを落とし、銀座界隈を席巻する中国人旅行客を上手く取り込めているようでもない。
当然に銀座店だけが足を引っ張った訳ではなかろうが、「びっくり寿司」の運営会社自体も2008年に経営破綻。現在は暖簾ごと譲渡され、銀座店の開店当初とは別の企業が運営している。
経営再建後、元々お得だったランチを105円値下げして梃入れを図ったものの、客足が以前に戻ったとは思えない。今日は「お試し」と称して中トロの握り1貫がサーヴィスされるイヴェントを行っていたが、それでも「いつもよりは多いかな」という程度。
安くなるのは歓迎だし、オマケで美味しい中トロまで食べられるのは嬉しいが、利益を上げお店を盛り立ててくれなければ早晩行き詰まり、私は有力なランチカードを喪う羽目に陥るだろう。
今日の105円、中トロ1貫を求めたが為にお店が潰れるなら、私は迷わずお店が明日も存続することを願う。
「びっくり寿司」に限ったことではないが、目先の価格競争や消耗戦に明け暮れるデフレ経済から脱却するのはいつの日か。
折角の美味しいお寿司を前にして、苦々しいことを考えてしまった。
※入居建物の老朽化に因り、2014年4月を以て閉店
住所: 東京都中央区銀座5-10-2 三原橋センター
電話 : 03-5159-0880
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