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東京メトロ小石川車両基地

鉄道好きサラリーマンのオアシス
2014年06月01日
カテゴリ : 東京都 > 観光 > 建物・史跡
 一般論として地下鉄では暗闇ばかりで車窓を愉しむべくもないが、中には例外的な路線もある。
 私がいつも利用している東京メトロ・丸ノ内線の茗荷谷~本郷三丁目/御茶ノ水~淡路町間などがそう。

 台地の崖から飛び出し出現する地上区間には、掘割や道路を跨ぐ高架、川を渡る鉄橋までありヴァラエティに富む。

 特にハイライトと挙げるべきは、茗荷谷駅を新宿・荻窪方面に出発してすぐの場所にある「小石川車両基地」。
 丸ノ内線を走る02系電車の1/3に相当する17編成102両を収容可能な構内に、平日昼間や土日祝日には多数の電車が屯し、鉄道好きには堪らない光景が展開される。



 丸ノ内線の計画当初、東京メトロの前身・帝都高速度交通営団は、現在の中野検車区を唯一最大の車輌基地として位置付け、用地買収を進めていた。
 しかし新宿から中野方面への事業認可が遅れ、池袋側から銀座方面(開業当初は西銀座駅)の区間を先行開業させることとなり、山手線内側に車輌基地を確保する必要に迫られた。

 そこで、茗荷谷駅から南西に延びる地上区間の南側に広がる谷間を、丸ノ内線トンネルの掘削残土で埋め立てて敷地を造成。仮設の車輌整備工場と30両分の留置線を確保し開業に間に合わせた。



 開業後の丸ノ内線利用者数は、運行側の想定を超えて伸び続け、増備された車輌の収容・メンテナンスに対応すべく抜本的な機能強化が1958(昭和33)年~1962(昭和37)年にかけて図られた。
 それが現在でも使用している、珍しい立体整備工場である。
 
 車輌の点検・整備は、運行中の電車から望める地上の建屋内では行われない。1両ずつ切り離された検査対象の電車は、クレーンで建屋の階下に吊り降ろされ、そこで点検・整備を施されるのだ。

 狭い谷間の地形を逆手に取った、地価が高い東京都心ならではの土地有効活用策と言える。




 通常の小石川車両基地では02系のみが並んでいるが、時に「珍客」が混じっていることがある。赤坂見附駅で線路が繋がっている、東京メトロ・銀座線から回送されてきた電車(01系/1000系)だ。

 銀座線を管轄する上野検車区の設備では、大規模な検査や修繕に対応できないため、銀座線車両に所定の検査周期が来たり大きい故障が発生すると、丸ノ内線の「中野検車区」またはここ「小石川車両基地(検査・修繕を実施するのは敷地内にある中野検車区小石川分室および小石川CR=Car Renewal)」へ順次回送されてくる。



 以前は見掛けても月に1・2回、しかも丸ノ内線02系電車と同じくアルミの地が外板の大部分を占める01系のみだったので、気を付けて観察していないと02系電車に埋もれて見逃してしまう状態だった。
 それが最近ほぼ毎日見掛けるようになり、しかも全面レモンイエローにラッピングされた最新鋭1000系電車が留め置かれていることが多い。

 赤帯の電車の中に、しかも2014年の春先ように多量の雪が残る状況でレモンイエローの電車が佇んでいると、とてもよく目立つ。



 詳しい事情は存じ上げないが、想像するに01系から1000系へ更新が進められる過程で車輌基地の収容能力が不足する事態が生じ、行き場を喪った編成を日常的に丸ノ内線へ疎開するようになったものと思われる。



 黄色い電車と言えば、東海道新幹線の「ドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)」を見ると幸せになれる…なんて話がある。
 2編成しかなく、いつ運用入りするか公にされない「ドクターイエロー」に比べれば、銀座線1000系電車は当初こそ1編成しか無なかったものの順調に増備が進み、銀座線内では乗車できる機会が飛躍的に多くなって珍しさが薄れつつある。しかし担当する線区外に乗入れて留め置かれている姿を見ると、少なからずラッキーな気分に浸れる。

 日常業務に忙殺され趣味の時間が取れない、鉄道好きサラリーマンのささやかな愉しみである。


住所: 東京都文京区小日向1-32 東京メトロ(株)小石川車両基地

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