名鉄常滑線の警告看板
関東の大河・荒川流域に住んでいるとグラウンドやゴルフ場は勿論のこと、河川敷内に田畑があるのは当たり前の光景。だが荒川の田畑は元々耕作地が広がっていた地域の外側に、首都・東京を洪水被害から防衛すべく堤防が築かれたのであって、増水時には収穫を喪うリスクはあるものの耕作の権利が連綿と認められている。
ところが2013(平成25)年の暮れ、国が管理する河川敷170ヘクタールに違法な菜園が拓かれている……とする新聞記事が出た。
平地に作物を植えた程度ならまだしも、中には農機具小屋を設置、或いは小屋代りの廃車体を持ち込んだり、堤防の一部を崩して段々畑を拓いた者もいたらしい。
荒川のように堤防の方が後から築かれた例を除き、河川敷を耕作するのは違法行為になる。
小屋や廃車体は増水時に流出して橋脚や堰に衝突、ライフラインを破壊する恐れがあるし、程度の如何を問わず堤防を崩せば強度が落ち破堤の危険が増すことは論を待たない。
河川敷で小屋を建てて暮らすホームレスの問題と併せ、治水面で社会の安全を脅かしかねない危険な行為として、厳禁し速やかに撤去・排除する手立てはないものだろうか。
違法な耕作で更に危険なのが、線路敷内に拓かれた畑・菜園。
冒頭画像は名古屋近郊の名鉄線常滑線沿線の警告看板だが、他にもJR西日本管内で鉄道用地を勝手に耕作していた例が会計検査院の指摘で問題となったことがある。
会計検査院の指摘は、複線化用地として確保されていた土地が近隣農家の畑地となっていたことに対し、土地の有効利用を図る目的で賃貸契約を締結し地代を得るか、鉄道用地から排除するかを求めているのだが、そういった権利関係云々以前に、高速で鉄道車両が通過するそばで農作業をすること自体が危険極まりなく、列車の安全・平常運行を妨げる恐れがある。
線路敷は鉄道会社の私有地なのだから、不法侵入・不法占拠で告発すれば排除できそうなものだが、なぜ名鉄は警告看板を掲示するだけに留めているのだろうか。
牧歌的と言えなくも無いが、不思議な看板である。
住所: 愛知県名古屋市南区宝生町3
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