警視庁丸の内警察署

皇居日比谷濠に面した位置にある、まさに日本の中心で治安維持を担う警察署。
しかし2011(平成23)年の大晦日から翌年正月にかけて、警視庁は本部と丸の内署内で出来の悪いコントのような大失態を演じてしまった。
17年の逃亡生活に疲れ、出頭してきたオウム真理教事件特別指名手配犯・平田信を、あろうことか逮捕せず門前払いしたのだ。
最初は潜伏先から電車に乗り大崎署に出頭したところ警察官が不在、夜間の受付窓口を探すも不明で出頭断念。
オウム関連の特別指名手配犯について情報提供を受け付ける専用のフリーダイヤルに電話したが話中で通じず。
警視庁本部に出向き、警備中の機動隊員に「平田信です」と名乗ったものの、悪戯と判断した隊員は門前払い。
丸の内署に行けと言われ出向いたところ、応対した女性警察官は当初「ウソでしょう~」と取り合わなかった。
手配犯本人が、手配書に明示されていた背の高さなどを懸命に警察官に説明して、漸く信じてもらえた……という顛末は、手配事由となった事件の悪質性・被害の深刻さを除けば、笑うしかない滑稽さである。
私は以前、道案内のできない機動隊員のことを記事にした(2011年8月3日付「お巡りさん≠司法警察職員」参照)。
その際みん友さんから賜ったコメントに対し、”(道案内できなかった機動隊員は)無線で「容疑者は○○に潜伏している模様」と指示があっても、やはり「知らない」「わからない」んでしょうかね”とご返事した。
そしたら何と、実態は指名手配容疑者すら知らなかったというオチ。自分の所属している組織が捜し求めている人物の情報すら頭に入っていないのなら、当然道案内なぞできるはずがない。
まさか私が会ったあの機動隊員が、平田容疑者をリリースしてしまったのだろうか。
いまさら綱紀粛正、だとか箍が緩んでいるなどとか、堅苦しいことを言うつもりはない。
この一件で当事者となった警察官個人を処分しても、現場が萎縮するだけだろう。
仮に容疑者をリリースした機動隊員や、自首の申し出に取り合おうとしなかった女性警察官の資質に深刻な問題があったとしても、そんな頭カラッポな人間に制服と拳銃を貸与し、公権力の行使に当たらせていた警察官僚の罪の方が重大だ。
体を鍛えるだけでなく、頭脳を柔軟にして汎く情報を頭に入れておくこと。
自らの職務を狭く狭く限定していく方向ではなく、能力とルールが許す限り広く広く考え実践していくこと。
市民に道を聞かれたら、何とか一緒に探そうとする(素振りだけでも)姿勢を見せること。
3番めは私のこじつけだが、以上を是非ともお願いしたい。
住所: 東京都千代田区有楽町1-9-2
電話 : 03-3213-0110
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