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紀伊大島樫野崎沖船甲羅岩礁群

強固な友好の礎となった尊き犠牲と献身
2014年06月24日
カテゴリ : 和歌山県 > 観光 > 自然
 私は20世紀の終わり、トルコ・イスタンブールに数日間滞在したことがある。
 文明の十字路・ヨーロッパとアジアが混在する美しい街並みと穏やかな人々が、私を優しく出迎えてくれた。中でも印象的だったのがトルコの国父、初代大統領ケマル・アタチュルクの存在だ。
 街角の至る所に写真はもちろんのこと、肖像画やシルエットなど様々な体裁でアタチュルクの像が飾られていたのに驚くと共に、国民が絶対的な尊敬と信頼を捧げる存在を持つことに、少なからず羨ましさを感じた。

 相当に美化されているのは間違いないが、それにしてもアタチュルクの姿は凡て威厳に満ち、格好が良い。エトランゼですら魅了されてしまうのだから、トルコ国民ならなおさらだろう。


 トルコは日本と同じく、厳格な政教分離を布いている国。その体制の基礎を築いた人物こそアタチュルクである。
 私は学生時代に政治を学び、その成果として政教分離は絶対的に護持すべき原則だと信じている。2013(平成25)年、時の政権がイスラム路線に舵を切った際は、穏やかなはずの人々が猛り、街角が暴動で荒れ果て、催涙ガスの臭気に満ちた。トルコ国民の反発および危機意識は、アタチュルクに対する思慕の念が原動力になっているであろうことは想像に難くない。
 日本に友好的なトルコの人々にとって、彼ら・彼女らの望む最善の結論に落ち着くよう、遠く東の端から祈らずには居られない。



 その日本との友好の原点とも言えるのが、ここ串本町大島(当時は串本町へ併合前の大島村)樫野崎沖船甲羅(ふなごうら)岩礁群である。
 この地点にオスマン・トルコ海軍ゝ艦「エルトゥールル」が座礁・遭難し、587名もの将兵が犠牲となった事故の顛末は余りに有名なので、ここでは詳細な記述を避ける。

 昨今の国際情勢悪化、特に東アジア地域での緊張激化の最中、特に日本に対して好意的な国としてトルコ共和国が話題にされ、遭難事故のエピソードも折に触れ語られている。


 一方で、「トルコのような親日国に比べあの国は……」的な引用をされると、個人的には非常な違和感を覚える。

 串本の人々は目の前で沈みつつある船がどこの国の籍であろうと、それこそオスマン・トルコであろうと清国であろうと李氏朝鮮であろうと、自らの危険を顧みず波間に消えかけた命の救出に専念したのであって、親日国だから、あるいは親日国になる見込みがあるから助けたわけではない。


 遭難事故による不幸な犠牲と、勇敢かつ献身的な救助活動を礎に、日本とトルコが芳醇な関係を築いていけたことを率直に慶ぶべきであって、この際近隣某国云々を絡めるのは、トルコ国民と串本の先人たちに対し無礼千万。都内某所における「ヘイトスピーチ」と併せ、止めてほしいものである。



住所: 和歌山県東牟婁郡串本町樫野 ※電話番号は樫野崎たもとにあるトルコ記念館
電話 : 0735-65-0628

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