(×閉店)CARNE BAR KATETE大門店

　港区役所からほど近い場所にある、意味もなく豪勢なデザインと外装を持つビルのテナントとなっているレストラン。
　以前は健康志向を謳った中華料理店だったのだが、ビル外観とは明らかにミスマッチ、入店するとどこからか妙な異臭(有機的だが腐敗はしていない)を嗅がされて、むしろ不健康になりそうだった。

　この界隈に林立する謎めいた中華料理店の一つだった店が撤退し、肉バルブームに乗って開店したのが、九州風居酒屋を展開する株式会社Katete傘下の「CARNE BAR KATETE大門店」。
　肉好きとして、ランチの選択カードが増えるのは喜ばしいことこの上なく、主にラム肉のグリルをメインにオーダーしていた。

　一時は、少々昼休憩の外出が遅れると、待ち人数が多過ぎて入店を諦めざるを得ないほどの人気だった。



　さて或る日。もう正午から時間が経ってしまったから無理かな？と思いつつ出向いてみると、意外や空いている。
　少々違和感を覚えつつも、案内された席に座って、オーダーを取りに来るのを待っていた。

　客商売の常識としては、着席順にオーダーを伺うものと理解しているが、今日のフロア担当は、横着にも厨房に近いところから取り始めた。
　またも違和感が膨らむのを覚えつつ、オーダーを申し述べて、持ち込んだデヴァイスを眺めながら待つこと10分・・・20分・・・30分・・・
　後から入ったテーブルの客は、会計を済ませて帰ってもなお、料理は出てこない。

　立ち上がり、「何時になったら出てくるのかなぁ」と苦言を呈すと、慌てて厨房に戻って確認を始めたが、時すでに遅し。私は振り返ることもなく、そのまま退出した。


　時間の自由度が低いサラリーマンにとって、昼休みおよびランチは大いなる愉しみであり、活力源である。
　ランチのオーダーをミスられると、その日の午後がまるで台無しになることを、レストラン経営者にはわかっていてほしかった。


　もしかして、入店前・入店後に覚えた違和感は、この店のサーヴィス劣化が醸した澱んだ空気を、敏感にキャッチした…のかもしれない。

　もう二度と行くまい。
　異臭のする中華料理屋に続き、テナントが入れ代わるのを気長に待とう。


※コロナ禍に伴うランチ客減少に耐え切れず閉店。
　個人的には、店舗運営のがさつさも少なからず影響したものと推測。潰れて当然。
　なお運営会社のサイトは2018年で更新が止まっており、本店舗もまだ営業中の体。あらためて、大丈夫か？この会社




住所: 東京都港区芝公園1-2-9 花井ビル 1F
電話 : 050-5592-5353