懸垂式モノレールの歴史
この懸垂式モノレールは、ドイツのエンジニアであるオイゲン・ランゲンが発明。1898年にドイツ・ヴッパータール市で建設工事に着手し、1901年に開業したのが今日の営業線の始まりと言われています。
さらに古くを尋ねると、1825年のチェスハント(Cheshunt)鉄道までさかのぼることができます。1頭の馬が懸垂された車両を引っ張るものでまさしく1馬力の鉄道でした。モノレールの原点です。
1887年になりますと懸垂式モノレールの試験がニュージャージー州のグリーンビレにあるエノン・エレクトリック社で行われました。残念ながら実用化には至りませんでした。このデザインはドイツのオイゲン・ランゲンに影響を与えたと言われています。そして、前述のドイツ・ヴッパータール市のモノレールが1901年に開業したわけです。
1929年にはスコットランド人の技師、ジョージベニ-によってユニークなモノレール飛行列車の試験線が建造されました。スコットランドのグラスゴーの近くを走る鉄道の上空に建造され、2台の電気駆動のプロペラを装備し、瞬時馬力は240馬力、走行速度は160km出したといわれています。イギリス海峡は水上飛行機で繋ぎ、ロンドンとパリ間を高速で輸送する計画でしたが、1930年代の経済の大恐慌により頓挫したとのことです。
1956年テキサス州ヒューストンのアローヘッド公園に懸垂型モノレールの短い試験線が建造され、310馬力のパッカード製自動車エンジンを搭載していました。8ヶ月間の試験を終了した後に解体され、その後、テキサス州立公園で再度組立てられ、スカイウエイ・モノレールとしてしばらくの間運行されていたようです。
1958年には、千葉都市モノレールの原型となるサフェージュ社が実験線を作りました。考えたのはフランスの橋梁建築家であるのルシエチャーデンソンで、ベニ-の飛行列車とパリの地下鉄11号線がゴムタイヤが使用されている事に注目し、このゴムタイヤと飛行列車を結び付けられないかと考えました。その結果、周りの天候の状態から台車を保護するために、台車を列車の上部にある鋼鉄製やコンクリート製の桁の内部に配置することとしました。試験線はパリの南にあるシャトーノフ(Chateauneuf)に作られ、映画「華氏451度」(1966英仏合作)にこの実験線の映像が出てきます。このサフェージ型モノレールは湘南モノレールと千葉都市モノレールで実用化され成功しました。なおその後、ドイツのシーメンス社は規模の小さいサフェージ型と同様なシステムを開発、テキサスのAerorailとフロリダのSky Trainは、鉄輪のサフェージ型モノレールをそれぞれ開発しています。
1964年にはAMF社がサフェージ型モノレールを広く普及させようと2年間開催されたニューヨーク世界博覧会で運行しました。複線で駅は一駅、会場の娯楽地域の回りを一巡するものでした。この博覧会では多くの熱狂的なモノレールファンを生み出したと聞いています。
(以上の内容は、The Monorail Society http://www.monorails.org/を参考にしています。)
日本の懸垂式モノレールの歴史
我が国では、1928年(昭和3年)に大阪で行われた交通電気博覧会で初めて披露されました。この博覧会誌によれば、「地上約百尺の高さに連繋せる軌条に車体を懸垂し、車体内にガスエンヂンを装置し自力を以って運行するもの」で「懸垂車両は飛行機型1台を用い車内に14個の安楽椅子を設け、各停留所の昇降にはエレベータを備え塔上に待合所を兼ねたる展望台を設置せり。」とあり、博覧会期間中大変な評判を呼んだようです。
営業線としては、1957年に上野公園で開業。その後1964年に名古屋市東山動物園(1974年廃止)、1870年に湘南モノレールがそれぞれ開業しました。千葉都市モノレールは1988年(昭和63年)3月に千城台・スポーツセンター間を開業、以後1991年(平成3年)に千葉まで、1995年(平成7年)に千葉みなとまでの区間を延伸して開業し、1999年(平成11年)には千葉・県庁前間を開業しました。営業キロは15.2キロで、ドイツ・ヴッパータールの営業キロ13.3キロを抜いて世界最長キロとなりました。(2001年ギネス認定)
この懸垂型モノレールとしては、1998年に広島のスカイレールサービスも開業しています。
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千葉都市モノレール株式会社のHPより・・・。
多分「ゆりかもめ」と共通項の多い乗り物だと思う・・・。同じ三菱重工製だし。
この乗り物毎日使ってるけど、エアコンの効きが悪い時ありけり(爆)これも一番古い車両で昭和63年頃だから、もう新世代車両にスイッチすべきだと思う。たまにクッション抜けた車両あるし(爆)