氷山の一角

救える患者がいても大人の事情に振り回され何もできない。
悩んでいても今晩はスーパームーンしかないので、ヤフートップに紹介されていた現代版ミニミニ大作戦をとばしとばし見た。
無料、ミニミニ大作戦。

海水に浮かぶ氷の固まりは、必ず少し頭を出して浮いている。氷は水で、海水はその水に塩を加えた物であるから、必ず同じ体積に置いて「重い」。浮力は押しのけた液体の質量に相当するというのであれば、海水の方が重いのだからどんな体積の氷の質量より浮力が必ず勝る。巨大な氷山に置いてもしかりである。もちろん固体なのだから密度は液体より大きくなりそうだが、水だけは凝結により体積は増すものなので、この点でも氷はいかなる時も水面に顔を出すのである。コップの水に入れた氷も、水に果汁を溶かして密度を高めたオレンジジュースの中の氷も、氷が沈むことはないのである。密度の差はいずれもわずかなので、水面に少しだけ頭を出して浮かんでいる。

そういえば、浮力が上面の水圧と下面の水圧の差によって生まれるのであれば、海底に着地してしまった潜水艦は下面の水圧が消滅するので浮上できなくなると、温泉の湯船に沈めた洗面器で説明した輩がいたが、この都市伝説はまだ健在だろうか。

氷山の一角とは、問題がある場合に使われる。車も、故障したらまだ表面化していない病気を持っていると考えた方がいい。ただ、車とは違って人間社会は簡単にはいかない。